| クリスマス・キャロル A Christmas Carol |
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原本扉
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| 著者 | チャールズ・ディケンズ |
| 発行日 | 1843年 |
| 発行元 | チャップマン・アンド・ホール |
| ジャンル | クリスマス・ストーリー |
| 国 | |
| 言語 | 英語 |
『クリスマス・キャロル』 (原題:A Christmas Carol) は、英国の文豪ディケンズの中編小説。1843年12月17日(12月19日ともされる。参照)に出版。「クリスマス・ブックス」の第1作。
吝嗇家のスクルージがクリスマス・イヴに超自然的な体験をし、それがもとで改悛する。クリスマス・ストーリーのなかでは、もっとも有名なもので、広範囲な読者を獲得し、自身を世界的に有名な作家としたことでも記念碑的な中編である。
原作は英国で出版され、原文は英語である。出版社はロンドンの「チャップマン・アンド・ホール(en:Chapman and Hall)」で、ハードカバーとペーパーバックの二つの形態で出版され、挿絵画家ジョン・リーチ(John Leech)による彩色挿絵入りである。
目次 |
作品の主人公は、エベネーザ・スクルージという初老の商人で、冷酷無慈悲、エゴイスト、守銭奴で、人間の心の暖かみや愛情などとは、まったく無縁の日々を送っている人物である。ロンドンの下町近くに事務所を構え、薄給で書記のボブ・クラチットを雇用し、血も涙もない、強欲で、金儲け一筋の商売を続け、隣人からも、取引相手の商人たちからも蛇蝎のごとく嫌われている。
明日はクリスマスという夜、事務所を閉めたあと自宅に戻ったスクルージは、かつての共同経営者で、七年前に亡くなったマーレイ老人の亡霊の訪問を受ける。マーレイの亡霊は、金銭欲や物欲に取り付かれた人間がいかに悲惨な運命となるか、自分自身を例としてスクルージにさとし、スクルージが悲惨な結末を回避し、新しい人生へと生き方を変えるため、三人の精霊がこれから彼の前に出現すると伝える。
スクルージを訪ねる三人の精霊は、「過去のクリスマスの霊」、「現在のクリスマスの霊」、そして「未来のクリスマスの霊」である。
過去の精霊は、スクルージが忘れきっていた少年時代に彼を引き戻し、孤独のなかで、しかし夢を持っていた時代を目の当たりに見せる、また青年時代のスクルージの姿も見せ、金銭欲と物欲の塊となる以前のまだ素朴な心を持っていた、過去の姿を示す。
次に出現するのは現在のクリスマスの精霊である。現在の精霊は、スクルージをロンドンの様々な場所に導き、貧しいなか、しかし明るい家庭を築いて、ささやかな愛で結ばれたクラチットの家族の情景を示す。クラチットの末子ティムが、脚が悪く病がちで、長くは生きられないことを示す。
現在の精霊と共に世界中を飛び回って見聞を広めたスクルージは、疲れ切って眠る。そして再度目覚めると、そこには真っ黒な布に身を包み、一本の手だけを前に差し出した、不気味な第三の精霊・未来のクリスマスの精霊がスクルージを待っている。
スクルージは、評判の非常に悪い男が死んだという話を聞くが、未来のクリスマスには自分の姿がない。評判の悪い男のシーツに包まれた無惨な死体や、その男の衣服まではぎとる日雇い女。また、盗品専門に買い取りを行う古物商の老人や、その家で、盗んできた品物を売りに老人と交渉する三人の男女の浅ましい様などを見る。ここでスクルージは、その死んだ男が誰なのかを確認することはできなかった。
また、クラチットの末子ティム少年が、両親の希望も空しく世を去ったことを知る。そして草むし荒れ果てた墓場で、見捨てられた墓石の表に記されていたみずからの名をスクルージは読む。
スクルージは激しい衝撃に襲われる。しかし、夜明けと共に、彼が経験した悪夢のような未来が、まだ変えることができる可能性があることを知る。
この作品は、キリスト教的博愛と美徳を説く、ヴィクトリア朝イギリスの典型的な「道徳訓話」とも言える。しかし、それが退屈で、ある意味欺瞞を含む道徳譚に留まらず、国境や時代を越えて多くの人の心を魅了するのは、一つにディケンズの類い稀なストーリーテリングの才能と描写力によるが、他方で、ディケンズがその人生において、貧困の矛盾と悲惨をみずから深く経験し、これを社会改革思想の域まで高めていたからだとも言える。
ヴィクトリア朝時代にはイギリス帝国の経済発展が成熟期を迎えていたが、同時にそれは激しい所得の格差を生み出していた。1849年ロンドンにやってきたカール・マルクスは、その貧しいイギリス生活の中から『資本論』の基礎となる思想を形成したと言われている。ディケンズがクリスマス・キャロルを出版した1843年もその状況は同じであった。
ディケンズは、貧しいなかから身を起こし、作家として名をなした人物であった。その小説の筆は、とりわけ貧しい庶民の生活の情景を描写するとき、生き生きした生彩と躍動に満ち、人間愛と希望の理想を語った。彼は、自分自身を特権階層の高みに置き、上から見おろす形に道徳を説くのではなく、貧しい人々、抑圧された人々と同じ次元に立って、肉声で人間愛や理想を語ったのだと言える。キリスト教的な人間愛・博愛を通じての社会の改革というディケンズの思想が、作品において、具象化されていたのである。
ディケンズは、この作品の成功にもよるが、この後毎年クリスマスの季節に、クリスマス・ストーリーを書き発表するが、それらのなかでも最初に書かれたこの作品がもっとも著名である。ほかには、『炉辺の蟋蟀』などが知られる。なお守銭奴の意味を持つ英語 scrooge は登場人物スクルージにちなむ。
この作品は、「クリスマス・キャロル」という題名となっている。クリスマス・キャロルはキャロル(祝歌・讃歌)の一種で、キリストの誕生を祝ってうたわれるキャロルである。キリスト教的博愛・アガペーの人間愛と無縁であったスクルージが、精霊との関わりで得た経験によって人間愛に目覚め、愛の象徴としてのクリスマスに絶大な意味を見出したが故に、クリスマスを祝う歌としてのクリスマス・キャロルが作品の題名になっていると考えられる。それは、スクルージが世の人々のため、更に自分自身のために、クリスマスの意味を称揚して祝いうたう歌という意味とも言える。
この中心となる人間愛の主題は、作品のなかにおいても具体的な形で、場面で描写され示唆されている。作品のオープニングにおいて、スクルージの事務所には何人かの人が訪ねてくるが、いずれもが、クリスマスの祝福をスクルージに伝え、キリスト教的な博愛を語っているが、スクルージはこれらの訪問者やその提案・言葉をことごとく拒絶する。
三人の精霊との出会いにおける超自然的な体験の後、スクルージは最初に拒絶した三つのことをすべて受容し、積極的に行動している。甥フレッドの晩餐会に出席し、更に偶々道で出会った昨日の二人の紳士に声をかけ、莫大な慈善の寄付を行うと伝える。そして最後のページにおいて、「クリスマスの祝い方を知っている人がいるとすれば、それはあの人だ」と人々に云われるようになったとディケンズは記している。
ディケンズは人間愛やキリスト教的博愛を通じて社会改革を進むことを願った。ディケンズは文盲の人々にも自分の作品が読めるよう、イギリスで、またアメリカで朗読会を開き、人々の前で自作を朗読して啓蒙の促進に努力した。このことはディケンズの健康に大きな負担となり、そのことが彼の寿命を縮めたともされる。
ディケンズは作家として成功し「豊かな者・ジェントルメンの一人」となった。彼は「かのクリスマス・キャロル」がうたうように、貧しい者に豊かさを分けることを使命とした。スクルージが辿り着いた境地もまた同様で、「クリスマスの祝い方」とは、豊かな者が貧しい者を助け、社会をよりよいものとすることである。そして「クリスマスの祝歌」こそはクリスマス・キャロルである。
その他の各種翻訳については、ディケンズ・フェロウシップ日本支部のサイト内にある詳細な書誌[1]を参照。
![]() 06:34 | クリスマス・カロル 第1楽章 |
| 再生回数:62回評価:なし提供:You Tube | |
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![]() 06:53 | クリスマス・カロル 第2楽章 |
| 再生回数:34回評価:なし提供:You Tube | |
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![]() 06:20 | クリスマス・カロル 第5楽章 |
| 再生回数:30回評価:なし提供:You Tube | |
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![]() 06:39 | クリスマス・カロル 第4楽章 |
| 再生回数:20回評価:なし提供:You Tube | |
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![]() 06:31 | クリスマス・カロル 第3楽章 |
| 再生回数:30回評価:なし提供:You Tube | |
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