グリフォン(仏: griffon, gryphon)、グリフィン(英: griffin, gryphin)、グライフ(独: Greif)、グリプス(羅: gryps)は、鷲(あるいは鷹)の翼と上半身、ライオンの下半身をもつ伝説上の生物。
語源は、ギリシア語のグリュプス(Γρυψ)、曲がった嘴の意味。このことから、しばしばギリシア神話に登場するといわれることがあるが、これは誤りである。しかし、古くから多くの物語に登場しており(ヘロドトスの『歴史』など)、伝説の生物としての歴史は古い。
鷲の部分は金色で、ライオンの部分はキリストの人性を表した白であるともいう。コーカサス山中に住み、鋭い鈎爪で牛や馬をまとめて数頭掴んで飛べたという。紋章学では、グリフォンは黄金を発見し守るという言い伝えから、「知識」を象徴する図像として用いられ、また、鳥の王・獣の王が合体しているので、「王家」の象徴としてももてはやされた。
グリフォンには重要な役目が2つある。1つは天上の神々の車を引くことであるが、「復讐の女神」ネメシスの車を引くグリフォンは、ほかのグリフォンと違い身体も翼も漆黒である。また、彼らは馬を目の敵にしているが、これはどうも神々の車をひくという役目を横取りされかねないと思っているためらしい。2つめの役目は欲に目の眩んだ人間の処罰である。グリフォンの発祥の地は、数多の財宝(グリフォンの習性として、金銀財宝を集めるというものや、財宝のある場所に巣を作るというものがある。)が眠るとされる中東の砂漠地帯であり、富のためなら命を惜しまない強欲な人間を惹きつけてきた。しかし、砂漠の空を巡回するグリフォンにたいていの者は見つかってしまい、その爪と牙の餌食となっている。長い年月の末、グリフォンの目を掠めることに成功した者達の手によって財宝は掘り尽されたが、グリフォンは今も健在であり、行動範囲を広げているという。そのため、あまり欲張ってばかりいると彼らの処罰の対象になりかねない。
また、一方でグリフォンは、「七つの大罪」の一つである「傲慢」を象徴する動物として描かれる事もある。
グリフォンと牝馬の間に生まれた、鷹の上半身に馬の下半身を持つ生物は、ヒッポグリフ (hippogriff) と呼ばれる。