| コンパクトディスク Compact Disc, CD |
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コンパクトディスク
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| メディアの種類 | 光ディスク |
| 記録容量 | 640MB、650MB、700MBなど |
| 読み込み速度 | 1.2Mbps (1411.2kbps、1倍速) 最高72倍速 |
| 読み取り方法 | 780nm赤外線レーザー |
| 策定 | フィリップス、ソニー |
| 主な用途 | 音楽、映像、データ、 ネオジオCD用ゲームソフト PCエンジン用ゲームソフト PC-FX用ゲームソフト メガCD用ゲームソフト セガサターン用ゲームソフト プレイステーション用ゲームソフト等 |
| ディスクの直径 | 12cm、8cm |
| 大きさ | 120×120×1.2mm(12cmCD) 80×80×1.2mm(8cmCD) |
| 上位規格 | スーパーオーディオCD DVDオーディオ DVD |
| 下位規格 | アナログレコード コンパクトカセット |
コンパクトディスク(Compact Disc、CD(シーディー))とはデジタル情報を記録するためのメディアである。光ディスク規格の一つでレコードに代わり音楽を記録するため、ソニーとフィリップスが共同開発した。現在ではコンピュータ用のデータなど、音楽以外のデジタル情報も扱うことができる。音楽CDについてはCD-DAも参照。
目次 |
コンパクトディスクの外見は直径12cmまたは8cm、厚さ1.2mmの円盤状でプラスチックから作られている。プラスチックの材質はポリカーボネートであるが、APO(非晶質ポリオレフィン)やガラスを使用したものもある。読み取りには780nmの赤外線レーザーが用いられ、照射したレーザー光の反射を読み取る。レーザー光を反射させるためコンパクトディスクはアルミニウム蒸着膜(厚さ約80nm、これが鏡のような役割を持ちレーザー光を反射する)と保護層(厚さ約10μm)、(レーベルなどの)印字膜の複数の層を重ねた構造になっている。
ディスクには非常に細かいくぼみが彫られており、このパターンによってデジタル情報を表現している。このくぼみ(読み取り面から見れば出っ張りになる)をピットといい、ピットのない部分をランドという。ランドの部分に当ったレーザー光は反射してそのまま戻ってくるが、ピットがある部分に当ったレーザー光はランドからの反射波と1/2波長の位相差をもつため干渉して打ち消しあい暗くなる。この明暗によりデジタル信号を読み取り、これをアナログ信号に戻して音声として出力する。ピットの幅は0.5μmで長さは0.83μmから0.3μm単位で3.56μmまで9種類、ピットから次のピットまでの距離も同じ9種類である。またピットの列をトラックというがこのトラックは1.6μm幅で、内側から外側に向かって渦巻状に並んでいる。CDの虹色のような光沢は、この規則正しく並んだトラックで回折した光が干渉することによる構造色である。
データをピット列として記録するにはEFM(Eight to Fourteen Modulation)という変調方式が用いられる。また誤り訂正はCIRC(Cross-Interleaved Reed-Solomon Code)によるがコンピュータのデータ保管等、1bitの誤りも許されない用途には追加の誤り検出、訂正が行われている。
音楽用途の場合、デジタルのPCM形式で最大79分58秒、99トラックの音楽が記録できる。また規格上1トラック中には99インデックス(位置決め標識)を設けることができ、CD登場のごく初期においてはインデックスを扱うことのできるプレーヤーやディスクが存在したがその後ほとんど普及することはなかった。アルミニウムのかわりに金を使用したものもある(「ゴールドディスク」と呼ばれる)。
スーパーオーディオCDやDVDオーディオが登場した現在でも音楽供給媒体としてはいまだにCDが主流であり、これらの次世代メディアへの置き換えは進んでいない。CDの本当の敵はそれら次世代(有形)メディアではなく、インターネットによる音楽配信だという意見もある。
上から印刷層、保護層、反射・記録層、樹脂層で記録層の部分は印刷面から10μm(0.01mm)(樹脂層から約1.2mm)の所にある。その為、印刷面からの衝撃に弱く鉛筆やボールペン等、フェルト以外の油性マーカーで記入を行うと記録層にダメージが加わり音飛びなどの症状が出ることもある。最悪の場合読み込めなくなる可能性も考えられる。印刷層側に深い傷が入ったり湿度の高い場所に放置すると、記録層をのぞき反射層までがはがれることがある。ちなみにDVDの記録層は印刷面から0.6mm(樹脂層からも0.6mm)、ブルーレイディスクでは0.1mm(樹脂層から1.1mm)である。レーベルのデザインによるが、近年では反射層と印刷層が穴の部分まで拡大されたものが主流となっている。
「カップリング曲」および「レコード#A面/B面」も参照
レコードでは表をA面・裏をB面と呼んでいたがCDには1面しかないのでポピュラー音楽のCDシングルなどの場合はレコードでのA面曲に相当するものを「タイトル曲」、B面曲に相当するものを「カップリング曲」(c/wと表記されることもある。coupling with の意)などと呼び分けている。
ただし、「タイトル曲」を2曲入れたCDシングルはCDであっても「両A面」という呼び方をすることが多い。
1枚のコンパクトディスクはCD-ROM形式の場合約650 - 700MBの容量を持ち、CD-DA形式では最大収録時間は約74分 - 80分である。
コンパクトディスクは650MBでは約333,000セクタ、700MBでは約360,000セクタからなる。1セクタは2,352バイトであるが1セクタあたりのデータ容量はCD-ROMで2,048バイト、CD-DAで2,352バイトである。CD-ROMはCD-DAより厳密なエラー訂正が必要となるため、2,352バイトのうち304バイトをヘッダやエラー訂正などに割り当てていることからCD-DAより容量が少なくなる。一部では800MBを超える容量のものもあるが、一部の機器では読み取れない場合がある。
なお、この650MBという容量は以下の計算式によって求められる。CD-DA形式では音楽データをサンプリング周波数44.1kHz、ビット深度16bit、チャンネル数2.0chステレオで記録している(1秒分の音楽データを44,100回に分割し、1回あたり16bitを費やして記録している)。このため、1秒分のデータ量は16×44,100×2÷8=176,400バイトである。これが74分分だと176,400×60×74=783,216,000バイトとなり、これは約747MBとなる。全領域に音楽データだけを記録するならこれだけの記録が可能なのだがCD-ROMの場合はエラー訂正用データ等が入るため、全領域を使用できない。従って使用できる容量は783,216,000×2048÷2352=681,984,000バイトとなり、これが約650MBとなる(1kB=1,024バイト、1MB=1,024kB換算)。
信号トラックの幅を狭めれば容量は増やせるが、古い音楽CDプレーヤーにはまれに74分記録されたCD-Rは再生できるのに、80分記録のそれは再生できないという互換性の問題が存在するので、注意が必要である。収録時間最長の音楽CDは「Re:MIKUS」の80分45秒とされる[1]。
最大収録時間(約74分)が決まったいきさつについて、開発元のソニーによれば以下の通りである。
開発の過程でカセットテープの対角線と同じでDINに適合する11.5センチ(約60分)を主張するフィリップスに対し、当時ソニー副社長で声楽家出身の大賀典雄が「オペラ一幕分、あるいはベートーベンの第九が収まる収録時間」(12cm、75分)を主張して調査した結果クラシック音楽の95%が75分あれば1枚に収められることからそれを押し通した[2]。
その他、カラヤンや大指揮者たちの演奏が絡んでいるという話も流布している。
開発当時、指揮者のカラヤンが「ベートーベンの交響曲第九番を収録できるように」と提言した。実際には彼の演奏時間は六十数分である。もちろん指揮者によって演奏時間は変わるが1951年にライブ録音されたまたはその他のオーケストラとのフルトヴェングラー指揮の交響曲第九番は歴史に残る名演奏とされ、演奏時間も長い(およそ74分)ことや同時代のウィーン・フィルとべームやバーンスタインの演奏がそれに匹敵する長さであることからこれらの演奏がコンパクトディスクの規格になったといわれる。
この話では、カラヤンがなぜフルトヴェングラー指揮による演奏のCD化に対して心配しているのか疑問が残るものの、カラヤンが音楽媒体のディジタル化を望んでいたことは事実であり、他方では大賀がフィリップスを説得するためにカラヤンの名を引き合いに出したという見方もある。
また、8cmCD(CD SINGLE)の最大収録時間は約22分程度である。これは、CDビデオのオーディオパートとビデオパートを分けてそれぞれ開発した際に由来している。8cmというサイズはケースに収納したときレコードのシングル盤ケースのちょうど半分のサイズとなるため、店舗でレコード用の棚を使いまわせるだろうと考えたため。
音楽CD(CD-DA形式)の再生時のデータの転送速度は等倍速で1倍速(150kB/s)を基準として最大記録時間は640MBのディスクで約72分、650MBのディスクで約74分、700MBのディスクで約80分、最新の800MBのディスクで約90分となる。この音楽CDの1倍速を基準として、ディスクのデータ転送速度を表すのに「○倍速」という言い方をする。
当初から音声・映像記録媒体として開発し、物理フォーマットは既に決まっていたが音声記録ディスクの論理仕様が先行して策定された。そのため少し遅れてビデオ記録用としてCDVが策定されたが、普及しなかった。後にデータ記録用としてCD-ROM、ビデオ記録用としてビデオCDなどの論理仕様が策定された。これらと対比して音声記録ディスクをCD-DAという。
さらに記録にピットを用いずに、レーザーによる媒体の物理的変化を利用して同等なデジタルデータの書き込みを行う方式が開発された。CD-Rはエンドユーザがデータの追加記録ができる。また記憶領域の再利用(すなわち記録してしまった領域を取り戻し、空き領域とすること)ができないCD-Rに対してデータの消去を可能にし、書き換えができるものをCD-RWという。
CDの技術を踏まえて音質の向上、あるいは著作権管理機能の強化を目指したディスク媒体の開発が引き続き行われている。オーディオ分野で実用化されたものとしてはスーパーオーディオCD(SACD)、DVDオーディオなどが開発されたがどれもCD-DAを代替するまでの普及には至っていない。
CDの寿命としては、蒸着した反射膜の寿命、基板となるポリカーボネートの寿命、そしてCD-Rの場合には色素の寿命の観点がある。全般として直射日光や高温・多湿を嫌う。
現在、スパッタリング法によってアルミニウムの反射膜を形成する方法が主流となっているが、アルミニウムを用いるCDは環境にもよるが20 - 30年が限度と見積られており、現在長期的な保存を可能とした製品の開発が急務となっている。その一方で、メーカー側などでは80年前後保存が可能とする主張もある[3]。なお反射膜に金を用いた場合、100年前後保存が可能と見積られているが、コストの問題など解決しなければならない課題がある。安価なものは印刷・反射層が端からはがれてきたり、水分が反射膜に浸透してアルミニウムが錆びてしまい反射の機能を失うなど、短寿命のものが多い。
CD-Rでは記録面に真夏の昼間の日差しを当て続けると色素が変化し読み込めなくなったり、質の悪い媒体の場合には蛍光灯に含まれる紫外線で変化するものもある。また高温・多湿の環境に置くと、ごく短時間でも印刷・反射層が端からはがれてくる事がある。
現在のディスクに用いられるポリカーボネートは湿気に遇うと加水分解する欠点があり、徐々に白濁していく。これにより情報を読み取るレーザーが通らなくなり、情報を読めなくなる。ディスクの寿命としては前述の反射膜や色素の寿命が良く取りざたされるが、環境によってはポリカーボネートの透明度で寿命が定まることに留意が必要である。
なお、この欠点を積極的に活かし開封後数週間程度で白濁するように製造された媒体もある。これにより、音楽や映像のソフトウェアを再生できる日数を制限する。
温度や湿度変化の影響が比較的少ないガラス製のCDが開発・発売され、保存性の改善が期待されている。2008年には液晶パネル用のポリカーボネートを使用したスーパー・ハイ・マテリアルCD(SHM-CD)とハイ・クオリティCD(HQCD)が開発・発売。さらにブルーレイディスクの技術を応用したブルースペックCDも開発・発売されている。
コンパクトディスクの仕様・規格は対象とする範囲や目的によって複数の規格に分かれており、各規格基準書の表紙の色によってそれぞれが呼び分けられている[4]。
(以下、「規格名 / 対象範囲」)
この記録メディアに「コンパクト」という言葉が使用された理由は、フィリップス社の意向によるところが大きい。CDの開発段階でフィリップス社がソニーに提示した試作品の大きさはコンパクトカセット(開発はフィリップス社)の対角の長さと同じ直径11.5cm(カセット本体が試作品CDにきれいに内接する大きさ)であり、コンパクトカセットとの名称の一貫性が図られていた(ただしその後ソニー側の提案で収録できる時間を延長したため、実際には直径は0.5cm増えて12cmとなった)[7]。
コンパクトディスクが登場した1982年はまだ直径30cmのアナログレコードが広く流通しており、「直径12cmのディスクに30cmのレコードと同程度の時間だけ音楽が記録できる」ことは驚きで「コンパクト」(小型に収めた)というこの名称は適切なものであったといえる。ちなみに当時の映像分野での最先端記録メディア「レーザーディスク」が直径30cm、コンピュータの分野の「フロッピーディスク」は8インチ(1辺が約20cm)または5.25インチ(同13cm)が使用されていた。
その後の技術革新で各種記録メディアの小型化・高密度化なども進んだがスーパーオーディオCD、DVD、DVDオーディオ、次世代DVD(ブルーレイディスク、HD DVD)などの光ディスクはいずれも直径12cmでありこの大きさは今後もこの分野での標準として継続するであろうと思われる。
CDのコピーが容易になったこととコピーされたファイルがネットワークへ大量頒布した問題が顕在化したことに伴い、2000年頃から「コピーコントロールCD(CCCD)」と呼ばれる「コンピュータで読み取ることができない種類のディスク」が登場した。日本では2002年に初導入された。
CCCDは上記のCD規格に沿っていないため、厳密にはコンパクトディスクと称することはできない。そのため、パッケージにはコンパクトディスクのロゴが入っていない。「コンパクトディスクではない」ため、一般のCD再生機器での再生は保証されていない。
CCCDのコピー防止原理はディスクに意図的なエラーを付与して読み取りエラーを起こさせ、コンピュータでの読み取りを阻害するものである。精度が重視されるコンピュータのCDドライブではエラートラックの読み飛ばしが起こり音楽CDとして認識しない場合や正確なデータの読み込みのためにエラー部分の再読み込みを続けることになり、正常な読み取りができなくなる。音声データにエラーを追加するため通常のCDに比べ音質面で劣ると言われ、エラー訂正によりプレーヤー側に負担をかけるとも言われている。また名目上はコピー不能とされつつも実際にはCDドライブやソフトの性能向上によりコピー可能になってしまうなど(フィリップス社がCCCDに不賛同の姿勢をとり、CCCDをコピーできるようなCD-Rドライブを開発したことも関係している)、コピー防止技術としての効果は徐々に薄れていった。
2005年10月に、米ソニー・ミュージックエンタテインメントがCCCDの中にルートキットを混入させたとして大問題になった。詳細はソニーBMG製CD XCP問題を参照。
ただメーカー側はコピー防止技術として一定の効果をあげたとし、市販されているCDへの採用は終息の方向に向かっている。
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