タイムマシン (Time Machine) とは、時間を空間と同じように航行し、未来や過去へ移動するための架空の乗り物や装置のことである。「時間機械」「航時機」などとも呼ばれる。
目次 |
タイムマシンは、タイムトラベルの道具として使われる。主にSFの分野での舞台設定や小道具として利用される機械である。
タイムマシンは、1895年にH・G・ウェルズが発表した『タイム・マシン』に登場したのが最初である。ただし、タイムマシンは使わないがタイムトラベルを扱っていると見なせる物語はウェルズの作品以前にもあり、詳細は「タイムトラベル物語の起源」の記事に書かれている。このウェルズのタイムマシンは、産業革命により様々な移動手段が開発された事や科学万能主義が契機となり、それを時間軸に拡張したものだと考えられる。 ウェルズのタイムマシンは単純に時間を移動する事だけを目的としたもので、空間を移動する機能はついていなかった。
タイムマシンを形態で分けると、以下のようなタイプがある。
タイムマシンの時間移動方法で分けると、以下のようなタイプがある。
亜空間や四次元空間を経由するタイムマシンの場合、目的地が水中や地中など地上である保障はないため事前の状況把握が重要となる。「タイムトンネル」では転送の際には、目的地の状況を過去文献等で確認するなどの事前準備を行っていた。タイムマシンが地球の重力に縛られている保証もないため、地球の自転や公転、銀河系レベルでの移動の影響なども、SF設定上の議論になることも多い。
タイムマシンや時間旅行は、現実の学問としても理論的な実現の可能性が研究されている。その特性的相違から、過去と未来への時間旅行の実現方法や研究はそれぞれが大きく異なる。
未来への時間旅行は現代へ帰還しない、すなわち相対的過去への時間旅行を伴わない片道旅行であるならば、運動している物体の時間の遅れを利用した相対性理論における観測系ごとの相対的時間進行差により理論的には実現が可能とされている。具体的には光速に近い速度で飛行するロケット内部では外部より時間の進みが極めて遅くなるため、内部では1時間の飛行も外部では数年に相当するようなウラシマ効果が発生するが、これを利用することで搭乗者にとっては見かけ上1時間で数年先の未来へ時間旅行が実現するものである。また、ブラックホール近傍のような強い重力下でも時間の遅れが発生するが、これを利用する方法でも同様の効果が得られる。どちらの現象も検証実験がなされており、微少ではあるが理論値どおりの効果が確認されている。
過去への時間旅行の可能性として、数学者クルト・ゲーデルは1949年に全宇宙がゆっくり回転しているなら、宇宙旅行によって過去への時間旅行を可能とするゲーデル解の見解を発表した。ただし我々の宇宙が回転している証拠は見つかっていない。テューレーン大学の数学者フランク・ティプラーは1974年に、超高密度の筒状の物質を超高速で回転させることで、過去と未来へ移動可能なティプラーの円筒(ティプラー・マシン)のアイデアを発表した(後にジョン・グリビンという学者が「直径十km、長さ百km、質量太陽と同じ円筒」を2500回転/sで回転させればタイムマシンになると発表した)。ただしこの方式には円筒が作られるより前の過去へは移動出来ないという制限がある。またカリフォルニア工科大学のキップ・ソーンは1988年に、通過可能なワームホールを考察し、量子の泡から生まれるワームホールを広げて利用する時間旅行の概念を発表した。その他にもプリンストン大学の物理学者リチャード・ゴットによる2本の宇宙ひもを利用する方法、物理学者ヤキル・アハロノフによる巨大風船が及ぼす体積あたりの重力の増減を用いた方法がある。
これらの過去へ遡るアイデアは、基本的には現代で認められている物理学を使って論じられているが、物質に対するエネルギー的な仮定や時空のトポロジーの変形など現代の技術ではすぐには対処できないような仮説の上に成立している。スティーヴン・ホーキングは因果関係に基づく時間順序保護仮説を唱え、タイムマシンについては懐疑的な立場である。彼は、過去へ繋がる閉時曲線が構成されそうになった場合は重力場の量子効果が大きくなり、過去への経路ができるのを阻害するとの仮説を取り「そもそも未来からの時間旅行者がいないのが、現在から過去に向かうタイムマシンが存在できない証拠」として、過去への時間旅行を否定する立場を取っている。ただし、タイムマシンが将来的に完成するかどうかに関しては「私は誰とも賭けをしないだろう」と、その可否に可能性を残す発言をしている。
過去への時間旅行については実現に対する可能性の是非以外にも、ワームホールや宇宙ひもなどを利用した場合にも、その作動原理からタイムマシン建造以前の過去へ遡れるかという機能的制約面についての議論も続いている。実際問題として、現代に未来人がタイムマシンを利用して登場していない事から、未来永劫過去に戻るタイムマシンの開発は不可能であるという理論も成立する。
また、よしんば時間移動が可能になったとしても、地球は自転し、公転し、さらには太陽系や銀河自体が相対的に猛烈なスピードで移動している。航時者搭乗型のタイムマシンの場合は、時間移動の他に過去あるいは未来の正確な位置を予測し、その場所への空間移動能力も備えていないと、時間移動した途端にとんでもない空間に放り出される可能性も指摘されている。
日本では「タイムマシン」に関するとされる特許が現在10以上も登録されており、それらの詳細は特許庁の特許電子図書館などで読むことができる。
カリフォルニア工科大学のキップ・ソーンは、時空の異なる2点を結ぶトンネルであるワームホールを利用するタイムマシンの仮説を発表している。この仮説の原理は、片方の穴を光速に近い速度で移動させると相対性理論により時間の進行が静止している穴よりも遅延する現象を利用するものである。(図1)
日本ではこの原理を利用したタイムマシンの特許とされるものが合計で5つも登録されている。これは特許庁の特許電子図書館などで確認可能。
ソーンの仮説に対しスティーヴン・ホーキングは、このような仕組みを利用しても閉時曲線と量子効果により過去への経路が構成されるのを妨げるため、結果的に過去への時間旅行は不可能と否定する仮説を立てている。これは光を例にとり以下のように説明されている。
ホーキングの否定説に対し、ソーンは量子的ゆらぎは無視できる範囲と反論しているが結論は出ていない。ワームホールを利用するタイムマシンを否定する仮説には、時間の遅れが発生するのは移動する穴の周縁部だけで穴の内部には効果が及ばないとする説や、移動した時点で新しいワームホールができるために時間移動には利用できないとする説などもある。
またこれらの議論以前の問題として、ワームホールの穴は素粒子より小さいと考えられているため、これを通過できるように広げられるのか、それを安定した状態で維持できるのか、移動させるなど自由な制御ができるのかなど多くの難問を抱えていることはソーンも認めており、装置の実現性はかなり低いとする見解が多い。
詳細は英語版の"Ronald Mallett"の項目を参照されたい。
コネチカット大学で行われている、高出力レーザーを用いたタイムマシン実験である。
複数の高出力レーザーをリング状に配置し回転させる事により、一方向性リング・レーザーによる弱い重力場を生じさせる事により、回転している中性子が結果として生じる重力場の周りに引かれると予測される「擬似的なブラックホールの外周」を形成させることにより、中性子が結果として生じる重力場を利用し素粒子をタイムスリップさせる実験である。
現在は、素粒子に情報を乗せて過去へ送る実験の計画もあり注目されている。
リチャード・ゴットは宇宙の初期に作られた可能性のあるひも状のエネルギー体である宇宙ひもを2つ利用するタイムマシンの仮説を発表している。直線状に伸びた宇宙ひもの周囲は、その莫大な質量により空間が極端に歪みくさび状に切り取られたのと同じ効果が発生する。この空間を通過する場合、切り取られた分だけ空間が短くなっているために見かけ上光速を越えた運動が可能になるが、ゴットの仮説では、この性質に加えて宇宙ひもが運動している場合に起こる時間の遅延を利用している。(図2)
但し、宇宙ひもがあるところに行って帰ってくるまでにウラシマ効果で相殺されてしまう可能性がある。また、宇宙ひも自体を近づけようとしてもその莫大な質量を移動させるだけのエネルギーをどうするかといった問題もある。
![]() 06:22 | CHARA タイムマシーン |
再生回数:1,125,258回評価: 提供:You Tube | |
![]() |
![]() 05:53 | 2001/9/23 素粒子タイムマシン |
再生回数:91,931回評価: 提供:You Tube | |
![]() |
![]() 07:58 | タイムマシーン(洋画)01 |
再生回数:24,506回評価: 提供:You Tube | |
![]() |
![]() 04:17 | タイムマシーンにお願い♪ |
再生回数:106,536回評価: 提供:You Tube | |
![]() |
![]() 06:20 | # タイムマシーン - CHARA |
再生回数:64,605回評価: 提供:You Tube | |
![]() |