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ノア (聖書)

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ノアヘブライ語: נוֹחַ Nóaḥ, נֹחַ Nōªḥ‎、ギリシア語: Νώε, ラテン語: Noe, アラビア語: نوح‎ Nūḥ)は、旧約聖書・『創世記』5章~10章に登場するノアの方舟(箱船)で有名な人物。創世記の記述に従うならば、人類の祖先ということになる。キリスト教正教会では「ノイ」と呼ばれ、聖人に列せられている。また、イスラム教においてはノアは、「ヌーフ」と称され、アブラハム(イブラーヒーム)、モーセ(ムーサー)、イエス(イーサー)、ムハンマドと共に五大預言者のうちの一人とされる。聖典「クルアーン(コーラン)」にも「ヌーフ章」という名称で、単独で記述がなされている。

目次

旧約聖書正典にみるノアの物語

ノアの誕生以前

創世記6章1~4節

男(普通名詞アダム)が増えその娘も生まれた。エロヒム(日本では「神」と訳されている)の子たちが娘の魅力に惹かれ、選んだものを自分の妻とした。ヤハウェ(日本では「主」と訳されている)が言った「私のルーアハは長く人の中にはとどまらない。彼は肉にすぎないのだ。彼の歳は120年だろう。」またその頃もその後もネフィリム(単数形”ネフィル”)(慣習では「巨人」と訳されている)が生まれた。彼らは昔の勇士、有名人であった。彼らの邪悪な行いによって地は暴虐で満ちていった。

ノアの物語

『創世記』6章5節~9章19節

旧約聖書正典『創世記』に描かれるノアの物語は以下のようなものである。ノアの父はレメクであった。ヤハウェは地上に増え始めた人々が悪を行っているのを見た。そこで天使アルスヤラルユル(ウリエル)を呼び、大洪水で地上の全てが滅びるが「ヤハウェに従う無垢な人」であったノアとその家族のみは生き延びさせるよう指示するようにいった。アルスヤラルユルはノアに箱舟の建設を命じた。

ノアは500歳で息子セムハムヤペテ(ヤフェト)をもうけた。ノアがヤハウェに箱舟を作るように命じられたのは恐らくこの頃で、箱舟の建造には数10年から100年の歳月がかかったと考えられる。箱舟はゴフェルの木でつくられ、3階建てで内部に小部屋が多く設けられていた。

ノアの箱舟

ノア(当時六百歳)は箱舟を完成させると、自分の妻と息子とその妻たち(計8人)と、すべての動物のつがい(清い動物「家畜」は7つがいずつ)を箱舟に乗せた。大洪水は40日40夜続き、地上に生きていたもの全てを滅ぼしつくした。水は150日の間増え続け、その後箱舟はアララト山の上にとまった。

40日後にノアはを放ったが、とまるところがなく帰ってきた。さらにを放したが、同じように戻ってきた。7日後、もう一度鳩を放すと、鳩はオリーブの葉をくわえて船に戻ってきた。さらに7日たって鳩を放すと、鳩はもう戻ってこなかった。 それによりノアは水がひいたことを知り、家族と動物たちと共に箱舟を出た。そこで祭壇を築いて焼き尽くすいけにえを神にささげた。ヤハウェはこれに対して、二度と全ての生物を滅ぼすことはないと誓い、ノアとその息子たちを祝福し、そのしるしとして空にをかけた。

大洪水後

その後ノアは葡萄を栽培していたが、あるときワインで泥酔して裸で眠ってしまった。ハムは父の裸を見て兄弟たちを呼んだが、セムとヤペテは顔を背けて父の裸を見ずに着物で覆った。ノアはこれを知るとハムの息子カナンを呪い、カナンの子孫がセムとヤペテの子孫の奴隷となると予言した。(ノアがなぜハムではなく息子のカナンを呪ったのかは諸説ある。恐らく選ばれた人であった「ハム」の悪い面を受け継いだ人であったのかもしれない。)

創世記の中で、「ノアの物語」を含む天地創造からバベルの塔にいたる物語は原初史といわれ史実を述べているというよりは世界の事物の意味、由来についてのユダヤ的見解を述べている部分と通常は考えられている(枠組み説による)。 また、鳩がオリーブをくわえている図は平和のシンボルとして描かれることがあるが、このノアの物語に由来している。

旧約聖書偽典にみるノアの物語

旧約聖書偽典には正典にはない要素が盛り込まれている。たとえばノアの物語の背景(人の悪)についての件の詳細は偽典『エノク書』、『ヨベル書』に記述されている。

  • エロヒムの息子(偽典『エノク書』、『ヨベル書』では明白に天使グリゴリのこととされている。)
  • nephylymネフィリム(単数形”ネフィル”)(天から地に降りてきた者のこと。偽典では天使と人間の娘の子)

さらに旧約聖書の偽典の『ヨベル書』には次のような記述がある。 第15ヨベルの第3年周にレメクは天使バラクエルとメトシェラの姉妹の間にできた娘ビテノシと結婚しノアが生まれた。第25ヨベルの第5年周の第1年にノアは天使レケエルとレメクの姉妹の間にできた娘エムザラと結婚した。

また同じく偽典『エチオピア語エノク書』には「彼の身体は雪のように白く、またばらの花のように赤く、頭髪、(ことに)頭のてっぺんの髪は羊毛のように白く、眼は美しく(エチオピア語エノク書106:2)」(日本聖書学研究所編 『聖書外典偽典』第4巻 旧約聖書偽典II、教文館、1975年、288頁。)との記述がある。

関連事項

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