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シアノコバラミン

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シアノコバラミン

IUPAC名 α-(5,6-ジメチルベンジミダゾリル)コバミドシアニド
別名 ビタミンB12
分子式 C63H88O14N14PCo
分子量 1355.4
CAS登録番号 [68-19-9]

シアノコバラミンcyanocobalaminコバラミンcobalamin)は、ヒドロキソコバラミンともにビタミンB12とも呼ばれ、ビタミンの中で水溶性ビタミンに分類される生理活性物質である。化学式 C63H88O14N14PCo分子量 1355.4 g/mol。

B群ビタミンのひとつだが、12は見付かった順番を表す数字ではない。相継いで発見されたB群ビタミンと重複しないように大き目の数字を付けたらしい。 シアノコバラミンは化合物を単離する際に得られる人工産物で、喫煙者などの特殊な場合を除き、体内ではシアノコバラミンは存在していないと考えるのが普通になっている。

ポルフィリン類似のコリン環(図の赤色部位)とヌクレオチド(図の緑色部位)の構造をもつ、コバルト錯体である。アミノ酸脂肪酸の代謝および葉酸の生合成に用いられる。これ自体に補酵素活性は無く、生体内で補酵素型であるメチルコバラミンおよびアデノシルコバラミンに変換される。

また、シアノコバラミンは眼精疲労の治療薬として各市販薬に配合されているほか、医療用として参天製薬より「サンコバ点眼液0.02%」として販売されている。

目次

欠乏症

  • 悪性貧血
  • 亜急性連合性脊髄変性症(ICD-10:E53.8)
    • 脊髄の側索と後索が同時にやられる病気。側索と後索の髄鞘の形成が阻害される。同時に阻害される事から連合性と言う。
  • メチルマロン酸尿症
  • ホモシステイン尿症

欠乏症は、ビタミンの供給、吸収にかかわる蛋白質、このビタミンを利用する酵素の異常、など非常に複雑な要因が絡んで起こる。ビタミンB12の一日の必要量は極めて少なく(2.6mcg(マイクログラム))、また体内の備蓄量はミリグラム単位で存在するため、毎日ビタミンをとらなくてもすぐには欠乏症になることは無い。胃切除などで、ビタミンB12の吸収に必須の蛋白質が分泌されなくなると、体内の備蓄の大半を消費した頃に欠乏症が現れる。また、野菜・果物類にはほとんど含まれていないビタミンのため、極度の菜食主義でも欠乏症になることがある。

葉酸ベタインなどとともに自閉症児へのサプリメンテーションが有効という報告があるが、シアノコバラミンは適切なビタミンB12ではない。補酵素型であるメチルコバラミンを使うのがよい[1]

過多症

ビタミンB12は水溶性なので、過多症の心配はないと考えられている。

多く含む食品

食品100gあたりでは、穀類、芋類、砂糖類、豆類、果実の含有量は0でありほとんど含有されない[2]。例外的に、野菜では「マルチビタミンB12かいわれ」が開発され、6.8mcg含んでいる[3]。 海洋性食品である海苔動物性食品のに30~60mcgと非常に多く含有される[2]。植物性の海苔はビタミンB12として有効であるため、菜食主義者にとって貴重な摂取源となる[4]魚類には、0.5~30mcgほど含まれる[2]。 畜産食品では、肝臓と舌を除くと肉類は0.3~2.5mcgが多く、生卵は0.9mcg、普通牛乳は0.3mcgとなっている[2]

CN基がヌクレオチドに置換される事によって、補酵素型であるコバミドとなる。


1964年ドロシー・ホジキンらは、X線構造解析によってシアノコバラミンの構造決定を果たしノーベル化学賞を受賞した。

類縁体

コバルト上のシアノ基メチル基に置き換えたメチルコバラミン (methylcobalamin) や、5-デオキシアデノシル基に置き換えたアデノシルコバラミン (adenosylcobalamin) などが存在する。ヒドロキシ基に置き換えるとヒドロキソコバラミンになる。

脚注

  1. ^ 宮尾益知監修『アスペルガー症候群 治療の現場から』出版館ブック・クラブ、2009年、81ページ。
  2. ^ 五訂増補日本食品標準成分表(文部科学省)
  3. ^ 国内初のビタミンB12含有野菜「マルチビタミンB12かいわれ」の量産化に成功、出荷を開始 (スプラウト王国、2004年6月16日報道関係資料)
  4. ^ 鈴木英鷹 「完全菜食とビタミンB_12欠乏 : 完全菜食において海苔はビタミンB_12の供給源として有効である」『大阪ソーシャルサービス研究』Vol.4(20031220)、pp19-25

関連項目

外部リンク

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