ヘルメット (helmet) は、頭部を衝撃などから保護するためにかぶる防護帽のこと。
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古来のヘルメットはおもに戦闘に使われる兜のことだった。現代でも軍隊や警察などで敵の攻撃から身を守るために使用されている。現代では強化プラスティックなどで安価・軽量なヘルメットを作ることが可能になり様々な場所で使用されている。落下物や飛翔物、あるいは転落・転倒の危険がある場所では安全上の理由から着用が推奨されている。やはり安全上の理由からスポーツや車両類の運転でもよく使用される。
青銅器時代から兵士の頭部を保護するための革や青銅製のヘルメットが使われていた。「ウルのスタンダード」と呼ばれるモザイク画には革製と思われるあご紐付きのヘルメットを被ったシュメールの兵士たちが描かれている。古代のヘルメットと言えばギリシアやローマの馬毛で飾られた前立付きのヘルメットが有名だが、この種のヘルメットはアッシリアの浮彫にも見ることが出来る。
落下物などから作業者の頭部を保護するために着用する、合成樹脂を主なる原料に製作された帽子のうち、規定の国家検定を通過したものに対していう。通常は、単に保護帽、若しくは安全帽・保安帽とよばれ、英語ではscalp guard(頭皮保護具)と称する。その構造としては、“殻”の部分である「帽体」と「内装体」から成り、内装体はさらに、保護帽を着用者の頭周サイズに合わせるための「ヘッドバンド」、保護帽の頭部への当たりを良くしたり衝撃吸収の役目をもつ「ハンモック」、保護帽の脱落防止の役目をもつ「あご紐(特に、耳の部分にあたるV字の紐を「耳紐」と呼ぶが、通常はセットで扱う)」、そして墜落時保護用(後述)のものには乗車用安全帽に同じく、帽体と内装との間に衝撃吸収ライナー(発泡スチロール製)が入れられる。
加えて、帽体内部には検定試験(後述)に合格した証として「労・検ラベル」が貼付され、型式・検定取得年月・合格番号・製造業者名・製造年月・検定区分 が表示されている。ハンモックに合繊テープを使用している型式の一部においては「環ひも」も存在するが、これは内装組み立ての際、補助的に使われるパーツである。ちなみに、保護帽の規格では環ひもについて「調節できないこと」としているが、これは使用者が勝手に環ひもの内径を変えることによる危険を防止するためのものである。環ひもを緩めると被りは深くなる反面、頭頂部と帽体との距離は近接することになるが、そのような状態で物体が帽体に衝突すると、その衝撃でハンモックが「伸びきる前」に頭部が帽体と接触するという事故が生じて大変危険である。
一方、国家検定上の区分としては、物体の飛来・落下による危険を防止する「飛来・落下物用」、墜落・転落による危険を防止する「墜落時保護用」、電気による危険を防止する「電気用」の三種類に分類されるが、現在の墜落用保護帽は飛来落下物用も兼ねるのが普通である。併せて、近年では 折り畳めることや子ども向けであることを特徴とした製品が国家検定も取得し販売されるなどしており、これまで専ら作業現場で使用されるものでしかなかった保護帽の防災用品としての地位も築きつつある。
なお、保護帽は内装を組み付けた直後の何もデザイン加工されていない状態で使用される事が余り無く、メーカーや加工業者に名入れ(ロゴマーク・社名など)を依頼したり、使用者自身がラベルに記名・貼付した状態で使用することが一般的である。また使用者が事故に遭ったりしたときのために、血液型を書いておくことも多い。名入れはシルクスクリーンによって行われるほか、作業者の階級表示を兼ねた反射ラベルを帽体周囲に貼付したり、玉掛作業員を判別しやすくするための緑十字(帽体上面に120~150mm四方)の表示を行ったり、オプションとして用意されているデザインステッカーを貼付するといった加工も行われ、保護帽の納入後に使用者側で 新規入場者教育修了証・担当業務・保有資格などのラベルを貼付することもある。
下記の作業において、使用者は労働者に保護帽を着用させなければならない。また、労働者は指示された場合に保護帽を着用しなければならない。
行政指導通達による保護帽の着用規定も存在する。
作業に適した保護帽の選定が重要である。
概ね下記の三種類に分類されるが、特殊な形状の製品も存在する。
※ 本来は保護帽に含まれないが、関連が深いため同一項目とした。
物体の飛来落下や墜転落の恐れのない作業場所においても、作業内容によっては頭部をぶつける・切るといった災害が発生する。そのような場面において使用されるものが軽作業帽である。保護帽としての規格には満足しないため、労働安全衛生規則で保護帽の着用を定められた作業では使用することが出来ないが、反面安価であり、構造もより単純なものとなっている。当然、「保護帽の規格」に定められた あご紐 も不要であるが、これについては軽作業帽を扱う全メーカーがオプション扱いで用意している(トーヨー80型は、簡易なゴム紐を標準添付)。使用場所の一例としては、自動車工場の車体組み立て工程、狭所における機械装置の組み立て・調整作業、ヤマト運輸のベース店におけるロールボックスへの荷の積み卸し作業(ボックスの中間棚や、前面の蓋を掛けるためのバーに頭部をぶつける災害が非常に多い)などが挙げられる。なお、交換時期の目安や手入れなど、取扱法については保護帽に準ずるものとする。国内における軽作業帽の製造・販売は平成初期に開始され、布帽子の代替としてや“国家検定品に比較し安価なヘルメット”として、その普及を見せている。
各種の輸送機器に乗車する際、用いられるヘルメットである。乗員が障害物や地面にぶつかる時の運動エネルギーを吸収、また、対貫通防護により頭部の傷害を防ぐためのものであり、一般的には「メット」と略されることもある。フォークリフトなどの場合は作業用のものが用いられている。
日本では自動二輪車や原動機付自転車では公道走行をするときは装着義務があり、屋根付きのオートバイ(ピザの配達などで使われるジャイロキャノピーなど)でも装着義務が適用される。ただし、三輪以上で車室のないオート三輪・バギー・トライク・ミニカーの中で後述の基準に該当しない車種で公道を走行する場合は、2009年時点においては装着を義務付けられていない。ただし、トライクの中で特定の基準に該当する構造、左右輪が46cm未満で車体を傾けて操作する操作感覚が二輪車に近い車種(ピアジオ・MP3やジレラ・FUOCO、トライトン)に関しては、2009年9月1日から二輪の自動車としてみなされるようになったため、ヘルメット装着義務が生じることになった[1]。日本でのヘルメット装着義務は1965年に高速道路でのヘルメット着用努力義務(罰則なし)が規定され、1972年には最高速度規制が40kmを超える道路でのヘルメット着用が義務化(罰則なし)された。1975年から罰則ありの義務化が開始され、政令指定都市区間で51cc以上のオートバイのヘルメット着用が義務化される。1978年には全ての道路で51cc以上のオートバイのヘルメット着用が義務化される。1986年には原動機付自転車を含む全てのオートバイに全ての道路でのヘルメットの着用が義務化された。義務化の背景には1960年~1970年代のオートバイ人口の増加や若年ライダーの事故増加によるもの大きい。
アメリカ合衆国における法規は、各州で異なる。アイオワ州、イリノイ州、ニューハンプシャー州の3州では着用義務がなく、テキサス州、フロリダ州など26州では、若年者・初心者に限っての着用義務がある。ヘルメット着用が完全に義務化されているのは、カリフォルニア州、ニューヨーク州など21州である。1970年時点では40州で着用義務があったが、ロビー活動や業界からの圧力により、現在のような状況になった。
ベトナムでもオートバイ事故の多発を受けて2007年12月15日からヘルメットの着用義務が開始された。
日本において最初に「乗車用ヘルメット」と呼称されたものは、1952年(昭和27年)に公営競技のオートレース向けに供給された二輪車競技用のヘルメットとされる[2]。
形状による分類は、次の通りである。
フルフェイス形やジェット形ではベンチレーションシステムと呼ばれる、通気口が設けられているものがあり、そういったタイプでは見た目に反して走行中は涼しく快適になっている。 ハーフ形は一見涼しそうに見えるが、ベンチレーションシステムが無く、通気性がないために夏場は中が蒸れ、冬は露出部の多さで顔が凍えるように寒くなる。そういった点ではジェット形やフルフェイス形よりも不快である。
オフロード専用に作られたフルフェイス形はモトクロスをはじめとしたレース用として作られているため視界は悪い。最近はフルフェイス形でありながらフェイスガード部分をシールドごと開閉出来たり、帽体との分割・合体が自在な構造のものもあり、フリップアップ形(システム形)と呼ばれている。
日本において通用する規格として、JIS・SNELLなどがあり、規格ごとに細かな検査内容は異なるが、SNELL M2010規格の試験が一番厳格とされている[3]。また、サーキットにおいての競技使用を認める規格を日本モーターサイクルスポーツ協会 (MFJ) が定めている。
日本の乗車用ヘルメットは消費生活用製品安全法により特定製品とされ、事業者が該当する検査を行い、国で定めた技術上の基準に適合した旨の表示であるPSCマーク(PSマーク)が無いと「乗車用ヘルメット」として販売及び陳列ができない[4][5]。製造事業者および輸入事業者は、対象製品を自己確認(自社または適切な検査機関における検査)することが義務付けられており、その結果が技術基準に適合していれば当該検査記録の作成して保管することなど一定事項を満たした届け出をすればPSCマークが表示できる条件となり、日本国内で「乗車用ヘルメット」として販売及び陳列が可能となる[4][5]。対象製品の検査の実施や当該検査記録の作成は製品安全協会でも行っており、その際にSGマーク制度の表示申請があれば、SGマーク対象製品となる[5]。
日本におけるオートバイに使用する乗車用ヘルメットの法的基準は、道路交通法により以下の様に定められている。
この様に道交法においてはオートバイの排気量に関わらず一律の基準が定められているのみであり、125cc以下限定のヘルメットを大型二輪車で使用出来るか否かはあいまいである。
ただし、法とは別に規格は種別が分かれており(前述)、125cc以下限定のヘルメットは高速道路での走行を前提としない保護能力の低い規格であるため、事故発生時の危険性が高い[7]。
シールド(風防・バイザー)はSG認定基準を満たしたものであれば、クリアー・スモーク・ミラータイプ、及びそれらが組み合わされたもの、いずれも使用可能。
公道走行時の乗車用として認められていないヘルメット、安全ヘルメットや乗車用に類似した外観や構造を有する装飾用ヘルメット・ファッションヘルメットなどは、罰則が適用される可能性があるほか、保護性能が満たされているか不明であり危険性が非常に高く、また基準外の使用法となることから、様々な面で十分な保護が受けられない可能性がある[2]。
オートバイのヘルメットの安全性におけるテスト方法については各メーカーや規格によって共通部分と独自部分があり、以下は代表的なテストである。
自動車のモータースポーツにおいても、事故や火災から頭部を守るためにヘルメットの着用が義務づけられており、日本もで公式競技やそれに準ずる競技、その他主催者が指定するイベントでサーキットなどを走行するには、日本自動車連盟 (JAF) の競技規格ヘルメットの装着が必要になる。これ以外の目的でサーキットなどを走行する場合でも、低速の体験走行やパレードのような危険が予想されない場合を除き、オートバイ用を含めた何らかの規格に適合するヘルメットの装着が必要である。
F1など乗員の頭部が外部に出ている場合はオートバイ用のフルフェイスヘルメットに似た形状である(二輪用に比べ上下方向の視界の広さが必要ないため、窓の部分が細長くなっている)。通常の車両の場合は顔が直接外気に晒されることがないため、ジェット形が使用される場合もあるが、この場合、火災から顔面を守るために、耐火繊維製のフェイスマスクを併用することが多い。ラリーなど、他者との会話が必要な競技では、インカム(ヘッドセット)が組み込まれているヘルメットが使われる。
オートバイ用のヘルメットと異なり、自動車競技用ヘルメットは耐火性能も重視されるため、材質が工夫されるほか、開口部は小さく、火炎の侵入を防止するための鼻当てが備えられる(逆にオートバイ用では、自動車競技用ほど耐火性能は重視されない)。また、オートバイ用は歩行者などへの衝突を考慮して外面に金属部品を用いないが、自動車競技用ではこの問題は無いため金属部品が使用される。そもそも規格自体が異なるため、自動車用ヘルメットをオートバイに用いた場合は法的な保護を受けられない可能性もある。
警察官の所属部署(交通機動隊・高速道路交通警察隊、警察署の事故処理車など、自動車警ら隊では被らない)によってはパトカー乗車中にもヘルメットをかぶっている。
詳細は「自転車用ヘルメット」、「サイクルウェア」をそれぞれ参照
オーストラリア、カナダ、フィンランド、アイスランド、イスラエル、スウェーデン、ニュージーランドと、アメリカの37の州で自転車乗車時のヘルメット着用が義務化されている。アメリカの場合、オートバイよりも自転車の方が着用義務が厳しい。
日本では2008年6月の道路交通法改正で13歳未満の児童、幼児のヘルメット着用が保護者の努力義務となった以上の着用義務はないが、主にサイクルスポーツでヘルメットが使われている。安全性の規格としてSG規格がある他、ロードレースに出場するにはJCF(日本自転車競技連盟)認定のヘルメットを着用する必要がある。
一般的なものは発泡スチロール成形のインナーシェルに薄いプラスチックのアウターシェルを被せており、転倒の際にはこれらを破損させる事で頭部への衝撃を緩和する。全体に通気用の穴が開けられているが、この構造は耐貫通性の基準を満たしていないためオートバイ用ヘルメットとしては認められない。
2007年に献体による自転車用ヘルメットの側面衝撃実験を行ったところ、側頭部を覆っていない八品目中七品で側頭部への接触(うち一つで骨折)が確認された[9]。
マウンテンバイクでも同様のヘルメットを使う事は多いが、マウンテンバイク向けとして保護面積を増やしたものも使われている。また、ダートジャンプ等の危険度が高い種目ではABS樹脂のシェルを持つスケートボード用と同様のものが使われ、本格的なダウンヒルではFRPのシェルで頭部を完全に保護するフルフェイス形が使われる。
一部の地域、学校では、中学生や高校生の自転車通学の際にヘルメット着用を義務付けている。さらに東海地震に係る地震防災対策強化地域などでは徒歩通学の小学生にも登下校時にヘルメットを着用させている。構造的には保安帽と大差ないものと、自転車用・乗車用ヘルメットの基準を満たしているものもある。多くは前面に校章を表示する。
ヘルメットは製造後時間が経つにつれ、緩衝材や外殻が劣化してくる。見た目での劣化状況は分かり辛いが、新品購入時よりも緩くなれば寿命の目安とされる[10]。日本のヘルメットメーカー二社は北米市場で購入後五年、製造後七年の品質保証を付けて販売しているが[11]、日本市場ではSGマークの表示有効期間[12]が乗車用ヘルメットでは使用開始後(購入後)三年となるため、期限内での交換を推奨している[13]。
また、ヘルメットは衝撃に対して潰れることで頭部を保護しているため、一度でも強く衝撃を受けたものは外見上大きな損傷が見られなくても保護能力を失っており、交換が必要になる。
登山(クライミング)、アメリカンフットボール、アイスホッケー、スキー、ブレイクダンス、ローラースケート、スケートボード、乗馬、パラグライダー、ハンググライダー、水上オートバイ、モーターボート、ホバークラフト、スノーモービル、全地形対応車などをはじめとしたスポーツ用のヘルメットがある。
江戸時代以前の武士がかぶっていた兜や、他にも剣道やなぎなたに用いられる面も広い意味でヘルメットだといえる。刀や矢で傷付けられることから頭部を保護する目的と、装飾をもって威容をあらわす目的がある。
野球においては打席に立つ打者は頭部保護の目的に装着する。投手が投げるボールを打者が頭部に受けた際に素材の硬さや形状及び内装の緩衝材、さらにヘルメット自体がはじき飛ばされることによりダメージが軽減される。
安全ヘルメットなどにあるあご紐は、衝撃をまともに受けて逆に危険になるためつけられておらず(このためベースへのダッシュによって脱げる事も)、前方に鍔、耳に当たる部分に耳あて(フラップ)がある。この耳あてはプロ野球においては左打者用では右耳に、右打者用には左耳についており耳の保護を行う。スイッチヒッターでは両耳付きヘルメットを使う選手もいる。(主な選手は西岡剛(千葉ロッテマリーンズ)、早坂圭介(千葉ロッテ)、早川大輔(横浜ベイスターズ)、杉谷拳士(北海道日本ハムファイターズ)、シェーン・ビクトリーノ(フィラデルフィア・フィリーズ))。なお高校生以下は事故防止の為、両耳付きの使用を義務付けている場合がほとんどである。頭部正面側にチームロゴ、頭部背面側には背番号が入れられることが多い。また、秋信守は左打者だが、両耳付きのヘルメットを着用している。頭部には通気孔。この穴は従来は単なる丸穴だったが、近年は効率的に外気を取り入れられるようにデザインされた穴が空けられている例が多い。
日本のプロ野球では、1984年(昭和59年)以降に在籍した選手、および1983年(昭和58年)に在籍し耳あて付きヘルメットを着用した選手は耳あて付きヘルメットが義務、1983年に在籍し耳あて付きヘルメットを着用しなかった選手は選択可能となっていた。この基準は1996年(平成8年)シーズンから適用され、それ以前は1984年以降に入団した選手も耳あての無いヘルメットを着用することができ、和田豊や大豊泰昭はこの時に耳あて付きのヘルメットに変更している[14]。この基準制定以降、落合博満(巨人→日本ハム)や平野謙(ロッテ)、金森栄治(ヤクルト)、田村藤夫(ロッテ→ダイエー)ら14人の選手が耳あての無いヘルメットを着用していたが、2000年(平成12年)を最後に引退した愛甲猛(中日)が最後の着用選手となった。また、14人のうちの一人であった安部理は1996年時点では耳あてのないヘルメットを着用していたが、1997年(平成9年)に西武から近鉄に移籍した際に耳あてのあるヘルメットに変更している。
走者に関しても、打者用のヘルメットをかぶってプレイする。アマチュア野球ではこれは義務づけられており、プロ野球は義務ではないものの同様にヘルメットを脱ぐことはない。守備についている野手は打球や送球の行方を見ながらプレーするため危険は少ないが、走者はボールを見ずに走塁せねばならず、背後から送球が来ることもしばしばであり、危険が伴うことが理由である。
捕手は、守備につく際にもヘルメットを着用する。通常は鍔も耳あてもないお椀のような捕手専用ヘルメットが多く使用されている。アメフトのヘルメットのような顔全体を覆うヘルメットやアイスホッケーのGKのマスクを改良した物、二輪用の如くにマスクがヘルメットと一体でありシールド風に押し上げて除ける物も存在し、メジャーリーグでは普及している。日本球界では阿部慎之助が現在着用しており(導入しているのは読売ジャイアンツのみ)、村田真一や相川亮二が過去に着用したことがある。また球審も着用することがある。
守備機会でヘルメットを被る選手は捕手以外には考えられないが、過去にレロン・リー(ロッテ)、ジョン・シピン(大洋時代)、駒田徳広(横浜時代)といった選手は他の守備(シピンは二塁手、他は一塁手)のときも打撃用ヘルメットを着用。
また2007年にマイナーリーグのベースコーチだったマイク・クールボーが試合中に打球を頭に受け死亡した事故が起きたことから、翌2008年からアメリカにおいてはメジャーリーグも含めてベースコーチにもヘルメット着用が義務付けられた。日本ではアマチュア野球が2009年に、プロ野球では2010年からそれぞれヘルメット着用が義務化された。また、2009年に行われた2009 ワールド・ベースボール・クラシックでもベースコーチのヘルメット着用が義務化された。高校野球では2001年より打撃投手のヘルメット(ヘッドギア)着用が義務化された。 選手以外ではボールパーソンもヘルメットを着用する。
歩兵などが主に戦闘で使用する軍用ヘルメットは、砲弾・爆弾などの破片や銃弾からの頭部保護も考慮されている。第一次世界大戦前までは威力の高い小銃弾に対する防御は困難であるためあまり使用されなかったが、第一次大戦中に榴弾や手榴弾の破片から兵士の頭部を保護する必要性から各国軍で採用されだした。以降、ベトナム戦争の頃までは材料として主に鋼鉄が使われていたが、近年はケブラーなどの繊維を数十枚重ね、フェノール樹脂を含浸させて成形したものが主流である。繊維を使った現代の軍用ヘルメットは鋼鉄製のものと比べると軽量だが防弾性能自体はあまり向上しておらず、小銃弾の貫通を防ぐことは難しい。
第一次大戦当時は各国ごとに形状にバリエーションが見られたが、第二次世界大戦後は冷戦により、東西両陣営国の軍隊がそれぞれアメリカ軍・ソビエト連邦軍の軍制を取り入れ装備供与などを受けるようになると、西側陣営はアメリカ軍の、東側陣営はソ連軍の軍装の強い影響を受けヘルメットも統一されていく。
アメリカ陸軍は当初イギリス陸軍と同じ浅鉢形(平皿型)であったが、1942年に独自デザインのM1 ヘルメット(M1 Helmet)に変更する。このデザインは第二次大戦後に西側諸国の主流とった(例:陸上自衛隊66式鉄帽)。しかし、20世紀末には耳まで保護する旧ドイツ軍様式(シュタールヘルム)がより優れているとして、以降同デザインを使用するようになった(PASGTヘルメット、俗称「フリッツヘルメット[15]」)。アメリカ軍のこの制式採用と同時期に冷戦は終結し、アメリカ軍の影響がより強まったことで、この「フリッツヘルメット」は各国軍(例: 陸上自衛隊88式鉄帽)や特殊部隊に広まり、共産圏である中国人民解放軍でも採用された[16]。旧ソ連時代は東側諸国に影響を与えていたロシア連邦軍でも21世紀に入ってフリッツヘルメット(耳を覆う部分がアメリカ軍のものより若干耳から離れている)[17]が、また旧ソ連構成国のカザフスタン軍[18]や、アメリカとは敵対関係にあるミャンマー軍でもフリッツヘルメットが採用されている[19]。このように、現代の主要国軍の主要装備ヘルメットはほとんどがフリッツヘルメットに移行、ないし移行中である(韓国軍はM1ヘルメットを未だ使用している[20]が、フリッツヘルメットへの置き換えが進んでいる)。
第二次大戦の頃は木の枝や草を挿して擬装するためのネットを使っていたが、その後迷彩戦闘服が普及すると、帽体の上から迷彩服と同じ柄の迷彩カバーをかぶせることが多くなった。迷彩カバーにも木の枝葉を挿す為のボタンホール状の穴を有すものがある。なお、記録映像や写真などで主にアメリカ軍の兵士がヘルメットの顎紐をしていない場合があるが、これは銃弾が当たった衝撃や、砲弾や爆弾の着弾により起こった爆風の風圧により、掛けている顎紐に首を引っ張られて負傷するのを防ぐためである(紐を掛けていなければヘルメットが飛ぶだけで済む)。
旧日本軍(陸軍・海軍)のヘルメット、九〇式鉄帽の帽体はクロムモリブデン鋼を用いた当時としては硬質で比較的高性能なものであった。これは当初、兵器に分類して「鉄兜(てつかぶと)」と称していたが、その後被服の分類に移された際「鉄帽(てつぼう)」に改称された。その名残で自衛隊では材質が鋼鉄からケブラーFRPに変わった現在でも、制式名称として「鉄帽(88式鉄帽)」と称している。
パラシュート降下を行う空挺部隊では、降下の際パラコードが引っかかって不開傘事故を起こすことを防ぐため周縁のつばの無いものを使う。他に降下時にフルフェイスのヘルメットを着用する例も見られる。 いずれにしてもヘルメットは重く、敏捷な動きを制限したり屋内などでの近接戦闘では邪魔になったりするので、野戦に従事しない特殊部隊では正規戦用のヘルメットを使わないことがある。そのような場合ではABS樹脂製(防弾能力は無い)などの軽量なヘルメットが使用されている(登山用ヘルメットを流用する部隊もある)。
軍用機乗員もヘルメットを着装する。こちらは野戦用と違い、基本的には操縦室など機内で頭部を周囲にぶつけたときに保護する目的である。第二次大戦時までは革製の頭巾が主流だったが、戦後はFRPなどプラスティック製のヘルメットを着用するようになった。 また、多くは強い日光や紫外線から目を保護する為の濃色シールドが内蔵されている(レバーを使って昇降させる)ほか、無線電話用の支持アーム付きマイクや酸素マスクが付けられる作りになっている。特に戦闘機のパイロット用は加速度 (G) により増大するヘルメットの重量が首に負担を掛けるので軽量化が図られる一方で、パイロットの視界に直接情報を投影するヘッドマウントディスプレイ (HMD) を装備した物も登場している。
戦車や装甲車乗員も車内での頭部保護用としてヘルメットを着装する。純粋な衝撃吸収用は少数派で多くの場合は車外戦闘も考慮してある。ロシア(ソビエト連邦)から技術供与を受けた国々やドイツ連邦軍では独特の緩衝パッド付きヘルメットを使用する。
軍用と用途が似ているが、耐弾性を備えるものは重いためもっぱら特殊部隊などが使用する。暴徒鎮圧用の物もよく見られ機動隊等が装備する。顔面を保護するバイザーなどが取り付けられていることが多い。また一部の国の警察では警帽としてヘルメットを採用している。また付随して頸部への打撃を分散するプロテクターが付いている場合が多い。 白バイ隊員やパトカー要員がかぶる物、また交番勤務者が黒バイ乗車の際かぶる物は、警察庁仕様ではあるがいわゆる「オートバイ用ヘルメット」である。
日本の新左翼の参加するデモや集会では、色とりどりの工事用ヘルメットがみられた。これらはセクトに応じて色分けされ、太字でセクトの略称が記載されており、機動隊や別セクトとの武装闘争時に警棒や角材から頭を保護したり、所属セクトを明らかにしたりするために用いられた[21]。 その昔、中ピ連が妻に訴えられた夫の職場や、女性を蔑視しているとみなされた団体の本部などに集団で押しかけて吊るし上げを行うとき♀印のついたピンク色のヘルメットを着用した。