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労役場

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概要

労役場(ろうえきじょう)とは、法務大臣が指定する刑事施設に附置する場所(刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第287条第1項)をいう。労役場留置とは、罰金又は科料の判決が確定し、罰金・科料の金額を完納できない者に対して、裁判で定められた1日当たりの金額が罰金の総額に達するまでの日数分、労役場に留置して所定の作業(封筒貼りなどの軽作業)を行わせることをいう。労役場留置の期間は、罰金では1日以上2年以下(罰金を併科した場合は3年以下)、科料では1日以上30日以下(科料を併科した場合は60日以下)である。最高裁判例によれば、労役場留置は「換刑処分による特別の執行方法である」としている[1]

労役場留置の言渡し

刑法18条4項は、

罰金又は科料の言渡しをするときは、その言渡しとともに、罰金又は科料を完納することができない場合における留置の期間を定めて言い渡さなければならない。

と規定している。具体的には、罰金又は科料判決の主文において、

「被告人を罰金●●万円に処する。これを完納することができないときは、金▲▲円を一日に換算した期間(端数があるときは、これを一日に換算する)被告人を労役場に留置する。」

のように言い渡される。

ただし、少年法54条の規定により、少年(20歳未満の者)に対しては労役場留置の言渡しをしない。法人に対する罰金についても同様である(法人が罰金を納めないからといって、代表者や経営陣が労役場留置になることはない)。

労役場留置一日あたりの金額は裁判官の裁量によって決めるものとされている。実際は、一日あたり5,000円で換算される場合が多い。しかし、高額な(365万円を超える)罰金になると、一日5,000円では上限の2年でも払いきれないので、2年以内に収まるよう一日あたりの金額を大きくして判決を言い渡す。例えば、罰金1,000万円なら労役場留置一日20,000円で換算するなどである。脱税などの経済犯罪になると、さらに高額な億単位の罰金が科せられることがあり、罰金5億円で労役場留置一日100万円に換算した判決もある。

そうすると、労役場で同じ軽作業をして、片や一日5,000円、片や一日100万円というのは憲法14条の法の下の平等に反するとの指摘もあるが、政府は問題ないと答弁している[2]。ちなみに、2005年には約71万人が第一審で罰金判決を受けているが、そのうち100万円を超える罰金判決を受けたのは323人である[3]

労役場留置の執行

労役場留置を執行するには、身柄拘束のための手続や刑事施設の受け入れ準備が必要となり、検察庁側に手間や費用が掛かる。そのため、基本的に検察庁は労役場留置を避け、可能な限り現金で徴収しようとする。建前では罰金は「本人が一括納付」すべきものとされているが、「分割納付」に応じたり、「親族等による立て替え」を相談させることも行われる。しかし、罰金の支払督促を無視している悪質な未納者を、見せしめとして一斉拘束して労役場留置することもある。

もし、労役場留置となっても、罰金の一部を支払えばその金額に相当する日数は留置日数から差し引かれるし、残額を完納すれば釈放される。土日祝日等は作業はないが、労役場留置の日数には算入される。しかし、実際に労役場留置を経験した人には、刑事施設で何もすることがなく1日を過ごす方が苦痛だとの声もある[4][5]

また、行政官庁の処分により、いつでも仮出場を許すことができる。

労役場に留置されている者については、その性質に反しない限り、懲役受刑者に関する規定が準用される(同法第288条)。刑事施設の規律及び秩序の維持のため、同法第34条による識別のための身体検査及び同法75条による身体等の検査や、刑事施設の衛生保持の観点からの調髪を行わせることとしている(刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則第26条)。

2007年中に労役場に入所した者は7,126人であり、このうち2,205人は、既に刑事施設に収容されている者(懲役と罰金を併科され、懲役の執行が終わった者など)が新たに労役場留置を執行されたものであった[6]

近年は、罰金刑の言渡しの件数は減少しているにもかかわらず、労役場留置を執行される件数は逆に急増している。法務省のまとめでは、罰金刑の確定人員は1997年の1,030,612人から、2007年には533,950人と5割近く減少している。しかし、労役場留置の執行は、1997年の2,661人(確定人員の0.26%)から、2007年には7,126人(同1.33%)へ、件数で2.7倍、比率で5倍に増えている。この原因として、痴漢盗撮や悪質な交通違反(飲酒運転ひき逃げ等)に対する罰金額の引き上げや、窃盗に対する罰金刑の新設、不況による支払困難者の増加があると指摘されている。

脚注

関連項目

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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