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団塊ジュニア

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団塊ジュニア(だんかいジュニア)

団塊ジュニアの定義は2つある。

  1. 日本において、1971年から1974年までのベビーブームに生まれた世代1970年生まれが含まれる場合もある。第二次ベビーブーム世代とも呼ばれる。→ここでは主にこちらの定義で述べている。
  2. 日本において、団塊の世代の子供世代。→真性団塊ジュニアで述べる。

目次

概説

団塊ジュニアは毎年200万人以上生まれた世代であり[1]、世代人口は団塊の世代(第一次ベビーブーム世代。1947年1949年生まれ)に次いで多い。2006年時点の総務省の「人口推計」によると、1970年~1974年生まれの世代人口は960万人に上る。

イチゴ世代とも呼ばれるが、この世代が1980年代後半に15歳を迎えた時期に使われた語である。

この「団塊ジュニア」という言葉は、内閣府の国民生活白書でも使われている[2]

「団塊ジュニア」という名称であるが、実際には、親は真珠湾攻撃から戦後ベビーブームの前年までに生まれた焼け跡世代(「戦中生まれ」世代とも。1942年1946年生まれ)が多く、母の50%以上が戦中生まれ、父の70%が戦中生まれか真珠湾攻撃以前の生まれである[3]

最も広義では、1970年代生まれの世代を「団塊ジュニア」と呼ぶ例もある[4][5][6]。これは、第二次ベビーブームに当たる1970年代前半生まれと、団塊世代の子供世代に当たる1970年代後半生まれを一括している。

語源

1970年代前半生まれを指して「団塊ジュニア」「イチゴ世代」と呼んだ者は、文化放送の辻中俊樹である。「団塊ジュニア」という語は、辻中俊樹が1988年に著した著書『団塊ジュニア イチゴ世代白書』(誠文堂新光社)にて、初めて登場した。

真性団塊ジュニア

三浦展は、「両親ともに団塊世代か、お母さんはもっと若いという子供が、出生総数に占める割合が高い世代こそが、真の団塊ジュニア世代だ」として、1975年から1979年までに生まれた世代を「真性団塊ジュニア」と呼び、1970年から1974年までに生まれた世代を「仮性団塊ジュニア」「偽団塊ジュニア」と呼んでいる。1970年代後半は、団塊世代を父に持つ子供が多く生まれた時期である。ただし、「仮性団塊ジュニア」という語は一般的ではなく、通常「団塊ジュニア」というと第二次ベビーブームに当たる1970年代前半に生まれた世代を指す例が多い。また、真性団塊ジュニアもあまり認知されているとはいえず、1970年代後半生まれは通常、ポスト団塊ジュニアに含まれることが多い。

三浦展によると、1971年から1974年生まれのニセ団塊ジュニアは人数は多くても、新しい時代を作る世代ではないと述べており、マーケティング界では1975年から1979年生まれの真性団塊ジュニアに注目した方がよいと述べている[7]

成長過程

学生時代

団塊ジュニアが小学校に入った時期は、戦後1世代(30年)を過ぎて「安定成長」と呼ばれた時期であり、省エネムードの中で小学校時代を過ごした。小学生終盤から高校時代にかけてはバブル景気の最中であり、兄姉世代であるバブル世代や、弟妹世代である真性団塊ジュニアと共に、1980年代の若者文化の中で育った。

団塊ジュニア世代は人口が多く、子供の頃より、受験戦争と呼ばれるほどの入学試験などの競争を強いられ、特に大学入試に至っては「入りたい大学より入れる大学」[8]、「現役は偶然、一浪は当然、二浪は平然」「二浪で駄目なら専門学校」「国易私難」という言葉が飛び交った。

就職期

成人する頃には、総量規制によるバブル崩壊と、ソ連崩壊による社会主義の没落に遭遇した。この為、大学卒と専門学校や短大の卒業者の一部は、就職氷河期に遭遇し、「貧乏くじ世代」「不運の世代」とも呼ばれている。一方で、専門学校や短大の卒業者の一部と高卒者は、バブル景気の恩恵を受けた[9]

20歳代

就職活動に失敗し、フリーター派遣労働者といった不安定労働者(プレカリアート)にならざるを得なかった者も多いが、1993年まではまだ雇用吸収力はそれなりに高かった。1997年までは緩やかな景気回復期にあり、不況が12年以上も続くとは予想されていなかったので、団塊ジュニアは大卒も含めてどうにか就職できた人も多かった。しかし、大卒でもどうにか正社員になれたとはいえ、待遇や労働条件の劣悪な中小零細企業(いわゆるブラック企業)にしか就職できなかった人も多く、待遇や労働条件の悪さについていけずに転職を繰り返すうち、非正規雇用に追いやられた人も多い。また、旧帝国大学や有名私立大学を卒業した人でさえ、無名の中小企業にしか就職できなかった人も少なくなかった。超就職氷河期とも言われる本格的な就職氷河期は、1997年以後、真性団塊ジュニア以後の世代が該当する。

日本では新卒者や同業界からの転職者以外の採用に消極的な会社が多いため、新卒採用に失敗したり、労働環境が劣悪で退職に追い込まれたり、人員削減に遭遇して定職に就けないでいる団塊ジュニアの将来が心配されている[10]。高齢者となった団塊ジュニアの親(戦中生まれ世代)の扶養や介護の負担が今後増大すると予想されるからである。プレカリアートは、正社員同様にフルタイムで働いていても、正社員の収入に及ばず、中には生活保護水準をも下回るワーキングプアの状態にある者もいる。不安定な身分という理由からパラサイトシングルを長く続ける人も多い。正社員となってそれなりの収入を得て、結婚して子を得た者でも共働きが当たり前となり、夫婦ともに過重労働の状態にある事から、2人以上の子供を持つ事すら叶わない者が多い。#家族像も参照

子育て期

不況下を生き抜いてそれなりの成功を収めた団塊ジュニアは、団塊世代に並ぶ有望な消費者層として注目された。子育ての時期に入った団塊ジュニアが首都圏や愛知県でマンションブームを起こしたものの、バブル世代以前のような消費の牽引役にはなり切れていない。正社員であっても賃金が削減され、少数精鋭でサービス残業が増えた点と、可処分所得が低下した点も原因である。新車需要に至っては右肩下がりを続け、2008年上半期の時点で1974年の水準まで落ちた。売れ筋も軽自動車中心である。小売業の売上げもスーパー・コンビニともに頭打ちであり、将来への不安から消費には消極的な、財布の紐の固い世代である。購買商品も、「無印良品」のようなロングセラーブランドが多い[11]

また、不況などの影響で結婚しなかったり、結婚しても子どもを作るのを躊躇したりして、子どもをあまり産まない人が多かったが、2006年~2008年頃の景気回復期に駆け込み出産をした人も多い。#消えた第三次ベビーブームも参照

文化的側面

団塊ジュニア世代は自室を所有し、家庭のシングル化の中で育った。団塊ジュニア世代が15歳を迎えた1980年代後半には、テレビラジカセミニコンポ電話など情報機器の占有も珍しいものではなくなり、10代の内から多くの情報に触れることが容易になった。ファストフードコンビニなども普及し、家族と一緒に暮らしていても1人で食事を摂る若者が増えていった。

オタク第二世代1970年前後生まれ)の後半に重なり、アニメ漫画コンピューターゲームといった1980年代若者文化を担った。小学校入学の時期に当たる1980年頃にはガンプラの大ブームが起こり、小学校時代にはキン消しが流行し、中学時代に当たる1980年代中盤にはファミコン夕やけニャンニャンの大ブームが起こった。1980年代における週刊少年ジャンプとファミコンの記録的な売り上げは、この団塊ジュニアが起こした面も大きい。

団塊ジュニアの小学生から中学生時代にあたる1980年代はワープロゲーム機が普及した時期で、MSXなどのホビーパソコンを買い与えられたり、PC-9801など家庭で所有するパーソナルコンピュータに馴染んだ者もいる。携帯電話インターネットの普及は1990年代後半で団塊ジュニア世代の成人後である。

家族像

「夫が働き、妻が家庭を守り、子供が二人いる」という標準世帯(家族の55年体制)が定着していた頃に生まれたため、この家族像に憧れている。しかし、社会が低経済成長時代へと変化したため、標準世帯を実現することには困難を伴う状況となっている。現実は正社員のみの独身世帯、夫正社員・専業主婦世帯、夫正社員・妻パート世帯、夫・妻ともに正社員世帯、夫・妻とも非正規社員世帯、妻正社員・夫非正規社員、非正社員のみの独身世帯、親へのパラサイトとしての扶養家族の一員と家族格差及び世帯収入格差となって現れた。この格差は非常に深刻であり、貧困の拡大再生産に繋がっていく懸念が強まっている。「家族格差」はそのまま惨酷な形となって「収入格差」として現れた。

「高校・短大、専門学校、高専・大学・大学院を出て正社員として働き、奥さんを迎える」というモデルが崩れ、非正社員ではそもそも結婚がしづらくなった状況の中で、それでも結婚した場合、自分たちの親からは生活水準を落として、標準世帯に準ずる家族像を築くのではないかという指摘がある。しかし、それは非婚率の増加と独身パラサイトの増加によって否定されつつある。収入が少なく、いつ収入が途絶えるかもわからない非正規社員にとっては「できちゃった結婚」を除けば結婚は大変リスクの高い行為であり、「生活水準を落とせばいい」というレベルを超えるほど下位層の貧困が進んでいる。だからこそ親元のパラサイトで生活防衛している人が多いのである。

消えた第三次ベビーブーム

現在、団塊ジュニアは「社会の再生産」に失敗しつつある世代になっている。35歳~39歳人口に占める未婚率は2005年で男30.0%、女18.4%に達した。出生数は横這いで、120万程度で推移している。出生率は1.3程度である。

本来なら、2001年頃に「第三次ベビーブーム」が起こるはずであったが、20代を完全に「失われた10年」に巻き込まれた為、結婚しない者や結婚を躊躇する者、結婚しても子供を産まない者が増えて、ベビーブームが起こるどころか2000年から2005年まで出生数が減少してしまうという事態にまで発展した。[12]

中でも、この世代の人口が集中している首都圏ほど未婚率が高く、出生率も低い。2003年には団塊ジュニアが出産ピークに達したことにより出生率は僅に上昇したが、2004年には出生率は再び減少に転じた。2005年には死亡者数が出生者数を上回り、日本の総人口の減少が始まった。2006年には首都圏を中心に団塊ジュニアの出産が一時的に増加したので、出生率も再び上昇したが、翌年以降は三度減少に転じている。(「少子社会日本」岩波書店(岩波新書) 2007 pp20-21)

第三次ベビーブームは起こらなかったが、2006年から2008年にかけて、合計特殊出生率は若干回復した。厚生労働省は、景気回復や団塊ジュニアの駆け込み出産などをその理由としている[13]

脚注

  1. ^ カルチャースタディーズ「団塊ジュニアは第2次ベビーブームと同じではない」
  2. ^ /zenbun/seikatsu/wp-pl98/wp-pl98-01401.html 内閣府 平成10年 国民生活白書「中年」その不安と希望
  3. ^ 第一生命経済研究所「ジェネレーションYを解く鍵」
  4. ^ 香山リカ著『貧乏クジ世代』は、1970年代生まれを一括して「団塊ジュニア」と呼んでいる。
  5. ^ B-style「市場を読み解く居酒屋 団塊ジュニア編」
  6. ^ 日経消費マイニング 2005年8月10日号
  7. ^ 三浦展 ●世代は15年周期で見る
  8. ^ 特にこの世代以降、「学歴不問」を打ち出す企業が目に見えて増えたことも、この現象に一役買ったともいえる。
  9. ^ バブル景気の終期を通説の1991年2月とした場合に、1970年生まれは20歳もしくは21歳であった。
  10. ^ 兄姉世代であるバブル世代にも、新卒時には幸運に就職しながら、1997年のアジア通貨危機以後の人員削減で解雇され、派遣労働に追いやられている者は少なくない(団塊ジュニアの高卒者も同様)。
  11. ^ アパレルウーマン 2000年7月20日号「◎無印は団塊ジュニアと心中」
  12. ^ 厚生労働省 平成20年人口動態統計の年間推計 第1表人口動態総覧の年次推移、図1出生数及び合計特殊出生率の年次推移より。
  13. ^ 図録合計特殊出生率の推移(日本と諸外国)

参考文献

書籍

  • 山田昌弘 『パラサイト社会のゆくえ』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2004年10月6日。ISBN 9784480061959
  • 山田昌弘 「少子社会日本」岩波書店(岩波新書) 2007
  • 山田昌弘 『希望格差社会--「負け組」の絶望感が日本を引き裂く』 筑摩書房、2007年3月。ISBN 9784480423085
  • 山田昌弘 『パラサイト・シングルの時代』 筑摩書房〈ちくま新書〉、1999年10月。ISBN 9784480058188
  • 宮本みち子 「若者が『社会的弱者』に転落する」 洋泉社〈新書y〉、2002年11月。ISBN 9784896916782
  • 丸山俊 『フリーター亡国論』 ダイヤモンド社、2004年7月30日。ISBN 9784478231340
  • 小杉玲子 『フリーターとニート』 勁草書房、2005年4月。ISBN 978-4326653041
  • 小林美希 『ルポ"正社員"の若者たち--就職氷河期世代を追う』 岩波書店、2008年6月。ISBN 9784000236775
  • 森岡孝二「働きすぎの時代」岩波書店(岩波新書) 2005
  • 橘木俊詔「家計から見た日本経済」岩波書店(岩波新書) 2004

白書類

  • 「平成十四年 就業構造基本調査」総務省 2002
  • 「平成十五年 家計調査報告(貯蓄・負債篇)」2004
  • 「平成十六年版 労働統計要覧」 厚生労働省 2004

学術論文

  • 「日本の長時間労働・不払い労働時間の実態と実証分析」労働政策研究報告書二十二号 労働政策研究・研修機構(JIL-PT)

関連項目

リンク

先代:
新人類
1961年-1970年
バブル世代
1965年-1969年
日本の世代
団塊ジュニア
(氷河期世代)
1971年-1974年
次代:
ポスト団塊ジュニア
1975年-1982年
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Text is available under GNU Free Documentation License.
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