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園芸

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園芸(えんげい)

  1. 園芸(えんげい) は植物を育てること。または植物を育てる技術。一般的には植物を育て楽しむこと。
  2. 園芸(えんげい) は、本来「園藝」と書き、生きた植物を絶対的素材とする芸術(美的文化)の一つである。概説3で後述する。
  3. 園芸(えんげい) は英語 horticulture の訳語として農業の一分野である。概説2で後述する。
  4. 園芸(えんげい) は英語 gardeningの訳語として造園のことである。→造園を参照。

目次

概説

語源

「園芸」とは、本来「園藝」と書き、「藝」は「植える」こと、つまり園藝は「(植物を)園に植える」という意味であり、「農業」とは別のもので、古くは中国代の文献にあらわれる言葉である。どの分野に関わるかによって園芸の定義、範疇は一定していない。また「藝」の字は本来「植える」という意味だが、その簡略字「芸」が当用漢字となり別字「芸(ウン・水草の一種)」とまったく同じになってしまったので、一部に誤解も生じている。

産業としての園芸

園芸(えんげい、horticulture)とは、園芸学的には農業の一分野であり、果樹の生産(果樹園芸、かじゅえんげい)、野菜(青物とも言う)の生産(蔬菜園芸、そさいえんげい)、花卉の生産(花卉園芸、かきえんげい)などをすることである。都市の近郊などでは鮮度が求められる蔬菜園芸が盛んである。また、ビニールハウスなどを用いて生産時期を調整できるなど、生産技術を発揮できる農業であるともいえる。

文化としての園芸

園芸とは、文化的視点から見ると、植物を絶対的な素材とした美的文化、芸術である。

  1. 文化的に見ると、園芸には農業の範疇に入らない要素も少なくない(例えばあくまでも「美」が追求されてきた鑑賞園芸、つまり古典園芸植物、盆栽フローリストフラワー、その他マニア的、趣味的な園芸)。そこで特にこのような鑑賞園芸(これが日本でいう本来的な「園芸」である)のみを「園芸」と呼んで農業、造園から独立した美的文化、あるいは芸術のひとつとし、果樹園芸、蔬菜園芸などの「生産園芸」はあくまでも農業の範疇を出ずそこに帰するものとして区別すべきと考える人も多い。つまりここでいう園芸とは「食用、実用以外の鑑賞を目的として植物を栽培する文化」ということになる。
  2. このような園芸を、農業の一分野として園芸をとらえる考えからは「家庭園芸」「趣味園芸」などとして括られることが多い。確かにそういった側面も強くあるが、それだけでは説明のつかない部分も少なくない。音楽等の芸術も、趣味や家庭との連続的なつながりを持っている。
  3. そもそも欧米において園芸と造園術は未分化の部分があり、日本の「園芸」を考えた場合、英語の "gardening" にそのまま当てはまらない部分も多い。例えば造園において植物は重要ではあっても必ずしも絶対的な構成要素ではなく、寺の石庭のように植物をまったく使用しない庭園もあり得る。しかし植物を使用しない園芸はあり得ない。
  4. 歴史的に見ると、古代においては園芸は農業となんら変わるものではなかった。つまりもともと食糧実用として栽培されていた植物を、次第に視覚嗅覚の充足のため、つまり実用と食欲以外の人間の精神的欲求を満たすために栽培するようになったことが園芸の始まりであろう。やがて都市が発達するとともに、建築と合わせて庭園が生まれ、園芸はそこに取り込まれ、長い間庭園術の支配下に置かれた。しかし、「育種」によって園芸植物に品種が多くなり、庭園よりもより個々の植物に視点が集中したり、植木鉢の登場によって園芸植物を庭園から切り離すことが可能になると、園芸は次第に農業の範疇や庭園術の束縛から離れて、一つの文化として成り立つようになる。日本においてはそれが特に顕著に見られ、江戸時代になると園藝が非常に発達するが、当時は「樹藝」あるいは「農藝」という語が普通であり、すでに農業の一分野というよりも芸道、または娯楽のひとつとしてとらえられていた。日本最古の園芸書である「花壇綱目」(水野勝元著・1681年 {天和元年} 刊)にも、園芸を武道詩歌音楽などの諸芸道と同等の存在として列する著述がみられる。その後キクツツジサクラソウアサガオハナショウブツバキ、マツバラン、オモト、長生蘭富貴蘭などの育種や盆栽の技術が進み、これらを美術品のように扱うのが当たり前になり、更なる美が追求されると共に園芸はますます芸道化され、新品種が高額で取引されたり、同好者たちの間で家元制的な組織も生まれた。このような例は日本のみならず英国のフローリスツ・フラワーにも見られる。また、中国ではの頃からシュンランの栽培にあたって文人思想が反映されるなど、園芸においては植物の栽培、育種に人間の精神性が要求されたり、時代ごとの思潮や美意識が反映されて来た。
  5. 明治以降、欧米から近代農業の一分野としての「生産園芸」が流入すると共に、Horticulture、Gardeningの訳語として「園藝」が定着したものの、その範疇が日本の実情に必ずしも整合、合致せず、以後定義に混乱が生じている。特に園芸が農業の一分野という考えには反論、異論も多い。例えば、明治から大正にかけて活躍した園芸家、辻村常助は「園藝の意義と其範圍」で、「園芸=芸術」論を展開している。


  • 花卉(かき)- 手間をかけて栽培される、観賞用の花や草木。

園芸の種類

文化としての鑑賞園芸と、産業としての生産園芸に分けられる。

鑑賞園芸

美的文化としての鑑賞園芸とは、植物を育種、栽培し、生きた植物の花の色や形、芳香をはじめ、葉や実、そして全体の姿、また植木鉢との調和や集団の姿、あるいは多数の植物の組み合わせを鑑賞し、美を見いだす行為、あるいは育種や栽培を通じて美を表現する行為である。いけばなフラワーデザインに似ている部分もあるが、単に空間的、瞬間的なものだけでなく、栽培を通じて植物の生長という時間的な変化そのものをも鑑賞の対象とする。その意味ではむしろ舞踊に似た美的文化と言える。また単に趣味、娯楽としても広く行なわれる文化の一つである。
鑑賞園芸は、本来植物が持っている美に加え、次の三つの人為的な創造行為で成り立っている。
  1. 育種 (品種改良)
  2. 仕立て (美的な栽培)
  3. コーディネイト (総合的なデザイン)
ジャンルによってこれらが関係する割合は異なるが、さらに天候など自然の関与が加わり、美の表現が完成される。必ずしも造園術の関与は必要としない。
以下は鑑賞園芸のジャンルである(栽培育種の歴史の長いもの、数多くの品種があるもの、多くの愛好家や愛好団体が存在するもの。重複あり)。

古典園芸植物

日本および中国において古くから栽培されてきた園芸植物。代にはすでにさかんにボタンが育種され、宋代にはランがもてはやされた。日本では特に江戸時代、爆発的な発展を見せた。世界的に見ても高度な育種が行なわれ、ツツジやカエデ、サクラ、ハナショウブなど現在世界的に愛好されている植物も多く、またマツバランなど日本独自の美意識が高く反映されたものが多く、世界園芸史上においても貴重な存在である。
 など

フローリスツ・フラワー

英国、ベルギーで16世紀から育種されてきた十数種の古典的園芸植物
 など

山野草園芸

 など

宿根草

 など

球根植物

 など

多肉植物

  • リトープス
  • コノフィツム
 など

サボテン

野生ラン

 など

食虫植物

花木

 など

シダ

水生植物水草

 など

熱帯植物

洋ラン

など

室内植物

 など

観葉植物

盆栽

英国風庭園

水草アクアリウム

ヒーリング効果抜群のインテリアとして、今、人気急上昇中の「アクアリウム」。 アクアリウムとは、生物の飼育をしたり、水草をレイアウトして楽しむ観賞用の水槽のこと。海水を入れて海の生物を育てるものを「マリンアクアリウム」、自然界の生態系を水槽内で再現するものを「ネイチャーアクアリウム」という。

生産園芸

産業、農業の一部としての園芸

果樹園芸

果樹園芸で生産される主な園芸作物

蔬菜園芸

蔬菜園芸で生産される主な作物

花卉園芸

花卉園芸で生産される主な作物

関連項目

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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古典園芸植物
古典園芸植物(こてんえんげいしょくぶつ)は、江戸時代に日本で育種、改良され、独自の発展を遂げた園芸植物、また明治時代以降でもその美的基準において栽培、育種されている植物の総称である。一部中国に鑑賞の起源を持つものもある。研究者や愛好家によりその範疇は多少異なり、特に草本類及び小灌木を指し、江戸時代から発展した植物でもサクラカエデなどの灌木類は含めないことが多い。ただしここではもっとも広義的な範疇として、前述の定義に基づく解説を行なう。マツモトセンノウやトコナツのように、かつて多くの品種があったが失われてしまったものもあれば、キクハナショウブのように、普通の園芸植物として現在世界的に普及しつつあるものもある。「古典草花」、「古典植物」とも呼ぶ。
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富山昌克(とみやま まさかつ、1964年7月26日生 )は園芸研究家(園芸家)、園芸コンサルタント、バイオテクノロジスト、園芸著作家、元英会話講師、玄制流空手道・修雲会空手道の二流派黒帯を持つ園芸研究家。大阪府藤井寺市出身。園芸番組では、『トミー(Tommy)』と呼ばれる。 千葉大学園芸学部卒後、ハワイ大学熱帯植物生理学研究室・交換研究生として渡米。現在メリクロンアーツ(バイテク研究所)&富山昌克オフィス&富山蘭園・奈良農場、代表。 植物バイオテクノロジーを用いた花の品種改良や園芸機材・用品の開発、TV園芸番組への出演、専門学校での園芸教育、ガーデニングの普及活動や講演などで活躍中。 世界各地のラン自生地を巡り研究を続ける。園芸研究家、著書多数。 NHK「趣味の園芸」、サンTV「手づくり花づくり」、...
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