執行停止(しっこうていし)とは、強制執行手続または行政処分の効力などを一時的に停止させること。
処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止をいう。
行政法
概要
- 執行不停止が、行政の円滑な運営上原則であるが、私人の権利利益を終局判決が出る前に保全するための例外的な制度である。
- 要件
- 積極的要件
- 本案の審理が、適法に係属していること。
- 対象となる処分が完了していないこと。
- 回復困難な損害を避けるため緊急の必要があること。
- 消極的要件
- 公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれのないこと。
- 本案について理由がないとみえないこと。
- 内容
- 効力の停止
- 執行の停止
- 手続の停止
- 効果
- 第三者効
- 個別法による修正
- 国税通則法 第105条(不服申立てと国税の徴収との関係)
行政不服審査法
この節はで、行政不服審査法は条数のみ記載する。
- 執行不停止の原則(34条1項)
- 執行不停止の例外
- 処分庁の上級行政庁である審査庁は、必要があると認めるときは、審査請求人の申立てにより又は職権で、執行停止その他の措置をすることができる(34条2項)。
- 処分庁の上級行政庁以外の審査庁は、必要があると認めるときは、審査請求人の申立てにより、処分庁の意見を聴取したうえ、執行停止をすることができる。ただし、執行停止以外の措置をすることはできない(34条3項)。
- 審査請求人の申立てがあつた場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があると認めるときは、審査庁は、執行停止をしなければならない。ただし、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき、処分の執行若しくは手続の続行ができなくなるおそれがあるとき、又は本案について理由がないとみえるときは、この限りでない(4項)。
- 執行不停止の取消し(35条)
行政事件訴訟法
この節はで、行政事件訴訟法は条数のみ記載する。
- 執行不停止の原則(25条1項)
- 執行不停止の例外(25条2項)
- 処分の取消しの訴えの提起があつた場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止をすることができる。
- 処分の効力の停止
- 処分によって生じる効力を、将来に向かって処分が無かったに等しい状態に一時停止させること。
- 処分の執行、手続の続行の停止で目的を達成できる場合はできない。
- 処分の執行の停止
- 処分の内容を実現するために行われる行政権による実力行使を停止させること。
- 手続の続行の停止
- 処分の効力を維持しながら、処分の存在を前提に行われる後続処分を停止させること。
- 事情変更による取消
- 決定が確定した後に、その理由が消滅し、その他事情が変更したときは、裁判所は、相手方の申立てにより、決定をもつて、執行停止の決定を取り消すことができる(26条1項)。
- 内閣総理大臣の異議(27条)
- 異議には、理由を附さなければならず(2項)、その理由には、処分の効力を存続し、処分を執行し、または手続を続行しなければ、公共の福祉に重大な影響を及ぼすおそれのある事情を示すものとする(3項)。
- 異議があつたときは、裁判所は、執行停止をすることができず、また、すでに執行停止の決定をしているときは、これを取り消さなければならない(4項)。
- 異議を述べたときは、次の常会において国会にこれを報告しなければならない(6項)。
- 執行停止等の管轄裁判所(28条)
- 無効等確認の訴えへの準用(38条)
- 第25条から第28条まで準用される。
民事訴訟法
強制執行停止決定を参照。
関連項目
- 強制執行
- 仮の義務付け・仮の差止め(行政事件訴訟法第37条の5)
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