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奥州市(おうしゅうし)は、東北地方の中部、岩手県の南西部に位置する市。盛岡市に次ぐ県下第二の都市である。
地理・地勢
本市は、西側を奥羽山脈、東側を北上山地で挟まれる北上盆地の南部に位置する。主な可住地は、西流する胆沢川によって形成された広さ2万haで日本最大級の胆沢扇状地[1][2]、その扇端の東側を南北に流れる北上川が形成した河岸段丘、および、その他の小河川沿い平地や高原地域となっている。
奥州市最高峰の焼石岳を主峰とする西部地域の焼石連峰は、ブナの原生林が多く残されている。また、北上川東側には、北上山地につながる田園地帯が広がり、東端部には、種山高原、阿原山高原が連なっており、地域全域が緑のあふれる豊かな自然に恵まれている。
旧奥州街道および東北本線は、扇端沿いで河岸段丘上の水沢区の中心地域を南北に通っているが、段丘崖下の段丘面を通る国道4号沿いには新しい市街地が形成され、大規模なロードサイド店舗の進出が見られる。東北新幹線・水沢江刺駅は、その対岸(北上川東岸)に位置している。
交通の利便性の良さを背景に、県内でも屈指の商業集積が進み、工業団地等が整備され、伝統産業や基幹産業の事業展開が図られている。
自然地理
- 山岳丘陵
- 焼石岳(1547.9m),種山ヶ原(870m),束稲山(595m)
- 河川水路
- 北上川、胆沢川、乙女川、人首川、衣川
- 湖水池沼
- 金明水、銀明水、中沼
人口
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| 奥州市と全国の年齢別人口分布 |
奥州市の年齢・男女別人口分布 |
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■紫色 ― 奥州市
■緑色 ― 日本全国
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■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性
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| 総務省統計局 / 国勢調査(2005年) |
歴史
地名の由来
- 明治以前の日本の地区区分である「国」のひとつの呼称。
沿革
- 約4万年~3万3000年前には、斜軸尖頭器を出土した柳沢舘遺跡(水沢区)などが存在し、旧石器時代から人が住んでいたと考えられる。
- 縄文時代には、豊かな狩猟・漁労生活を実現した地だった。縄文時代の遺跡として大清水上遺跡などがある。続日本紀によると、「水陸万傾の地」と記されており、平和で豊かな土地であった。東北地方が大和王権に服属せず独立を保っていた地方王国(日高見国)の時代から、仙台平野南部に次ぐ東北地方住民の中心地であった。当時、東北地方の人々は、大和王権から蝦夷と呼ばれ恐れられていた。
- 5世紀前後、仙台平野を中心とする東北地方南部が大和王権に服属すると、大和王権は胆沢盆地を中心とする東北地方中南部の蝦夷と鋭く対立した。
- 780年、俘囚長、伊治呰麻呂が東北地方の長官らを殺害して反乱を起こすと、蝦夷と朝廷の間にいわゆる「三十八年戦争」が始まった。このときも、胆沢・江刺は蝦夷側の根拠地であった。789年、蝦夷の軍事指導者アテルイ率いる蝦夷軍は、徹底抗戦し朝廷軍を撃退した(巣伏の戦い)。しかし、802年(延暦21年)、征夷大将軍、坂上田村麻呂に降伏し、「三十八年戦争」は桓武天皇の勝利で幕を閉じた。
- 戦後、朝廷は国府多賀城から鎮守府を胆沢城へ移した。
- 平安時代後期、衣川を拠点とする豪族であった安倍氏が俘囚長として奥六郡を支配し、近辺では国司よりもはるかに強力な勢力を持つに至った。しかし前九年の役で、出羽の俘囚長、清原氏の援軍を得た源頼義・義家親子により滅ぼされた。
- 平安時代末期、前九年の役および後三年の役を経て、清原清衡(藤原清衡)が実父の姓に復して藤原氏を名乗り、根拠地を江刺郡豊田館から磐井郡平泉に移して、人口規模で京都に次ぐ国内第二の都市平泉を中心とした独自の政権を打ち立て、浄土思想を基盤とする黄金文化が花開いた。平泉の街は衣川区域にも広がっていた。安倍氏の血を引く奥州藤原氏は、約100年間に渡って東北全域を支配した。しかし、四代目当主、藤原泰衡のとき、源義経を匿ったことを口実に源頼朝の侵略を受けて滅亡した。
- 鎌倉時代から室町時代にかけて、葛西氏が当地を治めた。築城年代・築城者は不明だが、現地の伝承では、葛西氏家臣の蜂谷氏・佐々木氏・柏山氏などが水沢城を築城している。水沢城は、葛西氏の胆沢平野支配の拠点の一つであったと考えられている。
- 戦国時代末期になると、葛西氏は戦国大名、伊達氏と同盟し、伊達氏から当主を受け入れるなど、伊達氏と密接な関係を築いた。
- 伊達政宗の頃になると、葛西領は「伊達の馬打ち」と呼ばれる伊達氏の準領土となった。伊達氏は葛西氏の軍事指揮権を掌握したが、徴税権は葛西氏が握った。
- 伊達政宗が豊臣秀吉に屈服し、秀吉が奥州仕置によって葛西氏を滅亡させると、秀吉は葛西領を家臣、木村吉清に与えた。これに不満を抱いた伊達政宗は、旧葛西領、および旧大崎領で「葛西大崎一揆」を起こさせた。しかし、政宗の陰謀は秀吉に露見する。秀吉から一揆鎮圧の命令を受けた政宗は、木村吉清を一揆勢から救出し、自ら一揆を鎮圧した。
- 戦後、秀吉は政宗から伊達郡などの先祖ゆかりの地や政宗が征服した会津地方を奪い取り、政宗に旧葛西領と旧大崎領を与えた。こうして奥州市一帯は、伊達政宗を藩祖とする仙台藩の一部となった。
- 伊達政宗は、平泉を含む岩手県南半までを支配した。当初、水沢には代官が置かれていたものの、後に伊達政宗の従兄弟にあたる留守宗利が入ると、以後は留守宗利を祖とする「水沢伊達氏」の支配が幕末まで230余年間続いた。なお、留守宗利は父、留守政景(政宗の叔父)の代から「伊達氏」を名乗っている。奥州街道が南北を貫き城下町・宿場町として栄えた。
- 慶長17年から元和9年には、キリシタン大名である後藤寿庵が私財を投じて胆沢川の水を引く用水堰の開削に尽力し、胆沢平野の開墾に大きな功績を残した。しかし、熱心なキリスト教信者だった寿庵は、年々厳しさを増す切支丹弾圧から逃れるため、堰の完成を待たずして逃亡を図った。
- 寛永8年、寿安の意志を受け継いだ、関村(現・前沢区)の千田左馬と、目呂木村(現・前沢区)の遠藤大学の指導の元、およそ17キロメートル分の工事が進められ、寿安堰が完成した。千田と遠藤は、弟子として働き寿庵から用水土木技術を学んでいた。
- 1872年、廃藩置県により、胆沢県、江刺県設置。その後、県合併により同年11月に一関県、同年12月には水沢県となる。
- なお、奥州市が属していた旧仙台藩領が「仙台県」とならずに「宮城県」となったのは、仙台藩の雄藩のイメージを明治新政府が抹殺したためだといわれる。
- これらの歴史を背景に、近代には高野長英、後藤新平、斎藤実、など多くの偉人を輩出している。
自治体としての奥州市の歴史
都市情報
市章は、「奥のOと州のS」の外郭に、中心に「米」を納めて「奥」の字を簡略化したもの。
奥州市民憲章
わたしたちは、歴史・伝統・自然に恵まれたこのまちの市民であることを誇りとし、さらに良いまちをめざして市民憲章を定めます。
- ふるさとを愛し いきいきと働くことができるまちをつくります
- すすんで学び 文化のかおり高いまちをつくります
- みんなが手をつなぎ 健康で明るいまちをつくります
市歌
- 奥州市民のうた
- 作詞者:千田貴子
- 作曲者:さとう宗幸
- 編曲者:只野展也
行政
奥州市の機関
岩手県や国の機関
事務所
市町合併
奥州市では、市長マニフェストに掲げる「広域市町村合併の推進」に基づき、隣接する金ケ崎町・平泉町との市町合併を検討している。2007年には「奥州市広域市町村合併研究会」を組織している。
金ケ崎町は胆江広域圏の一員であり、奥州金ケ崎行政事務組合におけるゴミ処理事業などを共同で行っている。平泉町は歴史的に密接な関係があり、旧・衣川村と合併を検討した経緯もある。
詳細は奥州市公式サイト 「広域市町村合併の推進」資料についてを参照。
指定金融機関
指定金融機関は、岩手ふるさと農業協同組合(JA岩手ふるさと)である。
JA岩手ふるさとは、市役所内に奥州市役所本庁内支店を設置、水沢を除く各総合支所にJA岩手ふるさと公金課が派出所を設置している。なお、江刺区は岩手江刺農業協同組合(JA江刺)の事業エリアであるため、JA岩手ふるさとの支店・出張所を設置しておらず、江刺総合支所に派出所が設置されているのみであるため、指定代理金融機関が別途設定されている。
立法
衆議院議員
奥州市は、花巻市、北上市、和賀郡、胆沢郡とともに岩手県第4区となっている。
岩手県議会議員
- 及川 幸子(民主党・3期目)
- 渡辺 幸貫(民主党・岩手県議会議長・4期目)
- 亀卦川 富夫(岩手政和会・2期目)
- 郷右近 浩(民主党・1期目)
- 新居田 弘文(民主党・2期目)
奥州市・金ケ崎町で1つの選挙区(奥州選挙区)を有し、定数は5人である。
奥州市議会
構成
| 会派名 |
計 |
| 奥州創政会 |
19 |
| 政凜会 |
8 |
| 日本共産党 |
5 |
| 市民クラブ |
5 |
| 無会派 |
3 |
| 計 |
40 |
姉妹都市・友好都市
海外
国内
地域自治区
奥州市全域地域自治区で構成されている。しかし、いわゆる政令指定都市ではない。これは兵庫県姫路市や、山口県周南市(旧徳山市一部)も同様
経済
伝統産業
本社を置く主要企業
主な事業所
トヨタグループの関東自動車工業岩手工場(胆沢郡金ケ崎町)の増産に伴い、関連する自動車産業が活性化する兆しが見えている。
商業施設
郵便
- 水沢郵便局(水沢区) - 郵便事業水沢支店を併設
- 羽田郵便局(水沢区) - 同支店羽田集配センターを併設
- 江刺郵便局(江刺区) - 同支店江刺集配センターを併設
- 野手崎郵便局(江刺区) - 同支店野手崎集配センターを併設
- 米里郵便局(江刺区) - 同支店米里集配センターを併設
- 伊手郵便局(江刺区) - 同支店伊手集配センターを併設
- 前沢郵便局(前沢区) - 同支店前沢集配センターを併設
- 胆沢郵便局(胆沢区) - 同支店胆沢集配センターを併設
- 衣川郵便局(衣川区) - 同支店衣川集配センターを併設
マスメディア
新聞社
放送局
※岩手めんこいテレビ(開局当初に旧水沢市に本社・演奏所を構えていたが、のちに盛岡市に移転した)
コミュニティ放送
情報誌
学校
専門学校
高等学校
中学校
- 奥州市立小山中学校
- 奥州市立南都田中学校
- 奥州市立若柳中学校
- 奥州市立衣川中学校
小学校
- 奥州市立水沢小学校
- 奥州市立水沢南小学校
- 奥州市立常盤小学校
- 奥州市立佐倉河小学校
- 奥州市立真城小学校
- 奥州市立姉体小学校
- 奥州市立羽田小学校
- 奥州市立黒石小学校
- 奥州市立岩谷堂小学校
- 奥州市立江刺愛宕小学校(えさしおだき)
- 奥州市立田原小学校
- 奥州市立大田代小学校
- 奥州市立藤里小学校
- 奥州市立伊手小学校
- 奥州市立人首小学校
- 奥州市立木細工小学校
- 奥州市立玉里小学校
- 奥州市立梁川小学校
- 奥州市立広瀬小学校
- 奥州市立稲瀬小学校
- 奥州市立前沢小学校
- 奥州市立白鳥小学校
- 奥州市立上野原小学校
- 奥州市立白山小学校
- 奥州市立古城小学校
- 奥州市立母体小学校
- 奥州市立赤生津小学校
- 奥州市立南都田小学校
- 奥州市立若柳小学校
- 奥州市立胆沢愛宕小学校(いさわあたご)
- 奥州市立胆沢第一小学校
- 奥州市立衣川小学校
- 奥州市立衣里小学校
特別支援学校
学校教育以外の施設
交通
鉄道路線
中心駅は水沢駅である。
道路
高速自動車国道
一般国道
県道
主要地方道
一般県道
バス
観光
史跡
重要文化財
- 正法寺(本堂、庫裏、惣門が重要文化財)
- 黒石寺(木造薬師如来坐像、木造僧形坐像、木造四天王立像が重要文化財)
- 日高神社(本殿が重要文化財)
- 留守家文書
- 高野長英関係資料
- 旧後藤家住宅
- 愛宕神社(木造兜跋毘沙門天立像が重要文化財)
重要有形民俗文化財
重要無形民俗文化財
観光地
- えさし藤原の郷…NHK大河ドラマのロケ地(最近では『龍馬伝』)として、よく使われる。
- 雲際寺(義経夫妻の位牌が安置されていたが、同寺の火災により焼失した)
- 館山史跡公園(藤原経清、清衡公の木造を安置した二清院がある)
- 束稲山
- 羽黒山(阿弖流爲・母礼慰霊碑)
- 水沢の侍町
- 水沢競馬場
- 栗駒国定公園焼石連峰
- 種山ヶ原
- 阿原山高原
- 駒形神社
- 重染寺五輪塔(源義経と忠臣鈴木三郎重家の菩提を弔おうと、重家の息子、小太郎重染が建てた重染寺にある供養塔)
- 巣伏公園
- 水沢公園
- お物見公園
- 磐神社
- 蔵町モール
- 経塚山
- 胆沢の散居集落(日本三大散居集落の一つ)
- 胆沢ダム
- 石淵ダム
- 徳水園
- 衣の滝
- とうほくニュージーランド村
- 日本一の星空(衣川)
- ひめかゆスキー場
- 国見平スキー場
- 越路スキー場
博物館施設
- 国立天文台水沢VERA観測所
- 高野長英記念館
- 後藤新平記念館
- 斎藤実記念館
- 菊田一夫記念館
- 後藤伯記念公民館
- 後藤新平旧宅
- 明治記念館
- 牛の博物館
- 奥州市武家住宅資料館
- 奥州市消防記念館
- 奥州市埋蔵文化財調査センター
- 奥州市伝統産業会館
- めんこい美術館(旧・岩手めんこいテレビ本社)
- 太平洋戦史館
- えさし郷土文化館
- 胆沢郷土資料館
- 胆沢ダム学習館
- 衣川歴史ふれあい館
祭り
- 熊野神社蘇民祭(1月)
- 黒石寺蘇民祭(2月)裸祭りとして有名だが、2006年以降は全裸が禁止となり、全裸の蘇民祭はついえた。
- 2008年に蘇民祭のポスターがセクハラに当たるとして、JR東日本はそのポスターを掲示することを拒否したニュースで注目を浴びる。
- 全日本農はだてのつどい(2月)
- 奥州水沢くくり雛まつり(3月)
- 日高火防祭り(4月)
- 羽田火防祭(4月)
- 奥州前沢春まつり(4月)
- 前沢桜まつり(お物見公園桜まつり)(4月)
- 江刺桜まつり(4月)
- 水沢公園花まつり(4月)
- 水の郷さくらまつり(4月)
- 子供騎馬武者行列(5月)
- 江刺甚句まつり(5月)
- 前沢牛まつり(6月)
- 種山高原山開き(6月)
- 奥州市南部鉄器まつり(7月)
- 水沢夏祭り(8月)
- むらまつり(8月)
- 奥州ころもがわ祭り(8月)
- みちのく盂蘭盆まつり(8月)
- アテルイ歴史の里まつり(9月)
- 奥州YOSAKOI in みずさわ(9月)
- 清衡公遷都行列(10月)
- 江刺産業まつり(10月)
- 奥州水沢グルメまつり(10月)
- 奥州前沢マラソン(11月)
名物・特産物
- 前沢牛
- いわて奥州牛
- 江刺牛
- 江刺金札米
- 江刺りんご
- 岩谷堂羊羹
- 亀の子煎餅
- 卵めん
- 金婚漬
- 胆沢ピーマン
- どぶろく(どぶろく特区)
スポーツチーム
奥州市を舞台とした作品
- テレビドラマ
奥州市出身の有名人
歴史上の人物
政治・経済・軍事
学術・文化・芸術
芸能・マスコミ
スポーツ
その他
奥州市にゆかりのある人物
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