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被疑者(ひぎしゃ)とは、捜査機関によって犯罪を犯したとの嫌疑を受けて捜査の対象となっているが、まだ公訴を提起されていない者のことをいう、司法手続及び法令用語である。
一般に用いられる容疑者(ようぎしゃ)は「被疑者」のいい換えであり、司法手続及び法令用語としては「被疑者」が用いられる[1]。
なお、出入国管理及び難民認定法においては、入国警備官において同法24条各号の一に該当すると思料する外国人を「容疑者」と呼ぶ。
また、被収容者の懲罰に関する訓令(法務省矯成訓第3351号)では、反則行為をした疑いがある被収容者等(被収容者(刑事施設に収容されている者)、労役場留置者及び監置場留置者をいう)を反則容疑者としている。
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ある者が、捜査機関によってある犯罪を犯したと疑われ捜査の対象となったが、起訴されていない者を被疑者という。起訴された後は被告人と呼ばれる。
なお、一般的には被疑者は「逮捕された者」という観念があるが、法令用語としての被疑者は、逮捕・勾留による身体的拘束を受けているか否かを問わない。犯罪の嫌疑を受けて捜査の対象となっているのであれば、逮捕される前の者や逮捕されなかった者[2]も被疑者である。
被疑者は捜査機関から犯罪を犯したとの嫌疑を受けているものの、被疑者には法的には無罪であるという推定が働いている。これを無罪推定の原則もしくは推定無罪という。
しかし、現実の社会においては、被疑者とされた者は有罪であるとの誤った観念がまかりとおっており、これに基づく問題が後を絶たない。特に、誤認逮捕がなされた場合には、被疑者とされた者は一貫して法的に無罪であったにも関わらず、マスコミによる名誉毀損報道や社会の誤った認識のために職を失う例、転居を余儀なくされる例、また、一家が離散するなどの例が多発している。
有名な例では、ロス疑惑や松本サリン事件と、その後のマスコミ報道に対する民事訴訟裁判があり、また、身近な例では電車内における痴漢の誤認逮捕がある。
マスコミによる被疑者の扱いについては推定無罪を参照
被疑者は被疑者特有の権利を有する他、合理的に制限された範囲で基本的人権を有する。
一般的には容疑者(ようぎしゃ)という用語は日本のマスメディア(マスコミ)により「被疑者」の意で使用されている。マスメディアでは逮捕又は指名手配などで身柄拘束されるか又はされることがほぼ確実な状態のとき「容疑者」と呼び、公訴が提起(起訴)されると「被告」と呼ぶようになる。ちなみにこれも、法律用語としては「被告人」が正しい(「被告」は民事事件)。これには理由があり、多くの人に情報を伝える際、「被疑者」という言葉は「被害者」という正反対の意味の言葉と見間違えやすく、発音も似通っているため、被疑者ではなく容疑者という言葉を用いている。
1989年頃より、一部の週刊誌・タブロイド紙を除いたほとんどの放送・新聞などのマスメディアは「容疑者」という呼称を用いるようになった。読売・毎日・朝日の各紙は、紙面に「おことわり」の項を設けて、容疑者という呼称をこれから使用することを述べている。それによると、以前は「実名呼び捨て」であったが、被疑者は無罪を推定されている立場であり、基本的人権の観点から呼び捨ては適正でないことを挙げている。
最近では、容疑者という言葉が独り歩きし、「容疑者」という肩書きをつけマスメディアが連呼することによって犯罪者というイメージをむやみに増幅させる傾向がある。それを自ら防ぐためか、世間に大きな影響を与える芸能人、文化人、スポーツ関係者等の人間が逮捕や書類送検された際、(罪の頻度等によっては)あえて「容疑者」という肩書きを付けずに、当人の職業の肩書き等で苦肉の策としか思えないような呼称を付ける場合がある(例えば、2001年にSMAPの稲垣吾郎が公務執行妨害で逮捕された際、2004年に、「稲垣メンバー」と報道されたことが話題を呼んだ。一方、NHKなどでは要職・役職に就いているまたは過去に就いていた人物が被疑者の場合、最初に容疑者と呼んだ後は役職名で呼んでいる(例:「会社社長の○○容疑者を逮捕しました。○○社長は容疑を…」)。
なお、学校で使われる公民科の教科書では、「~である人物を容疑者(または被疑者)と呼ぶ」などと、容疑者の文字は太字、被疑者の文字は細字のカッコ書きになっている。容疑者という響きの方が世間一般では浸透しているためだと思われる。
刑事ドラマや小説などで警察官同士が被疑者を「容疑者」と呼ぶ描写が散見されるが、以上の状況から警察内部ではほぼ使用されることはない言葉であるから、これは作者・脚本家の誤りと見てよい。
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