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必殺シリーズ(ひっさつシリーズ)は、朝日放送(ABC)と松竹京都映画撮影所(現・株式会社松竹京都撮影所)が製作している時代劇シリーズ及び、関連した映画や舞台の総称である。
テレビ朝日系列(1975年3月まではTBS系列)で放送されている。なお『必殺仕事人2007』以降は、テレビ朝日も製作に加わっている。
目次 |
1972年9月に池波正太郎の小説『仕掛人・藤枝梅安』を原作とした『必殺仕掛人』に始まる一連のテレビシリーズおよびその派生作品で、金銭をもらって弱者の晴らせぬ恨みを晴らす者たちの活躍と生き様を描く作品である。主人公たちの多くは表向きはまともな職業についているが、ひとたび依頼を受けると各々の商売道具を使って裏稼業を敢行する。多くは暗殺であるが初期には必ずしも殺すとは限らず、暗殺者というよりも弱者の復讐代行という面が強かった。初作こそ『仕掛人・藤枝梅安』を原作としているが、シリーズ全体としては一部を除いて完全なオリジナルとなっている。
それまでの勧善懲悪を旨とする時代劇と違って、主人公側の扱いは基本的に善というわけではなく、あくまで金のために殺人を行う悪である(とはいえ、誰彼構わず殺すのではなく、彼らなりの信念をもって仕事に臨んでいる)。シリーズによって多少変わるものの、基本路線は現実主義的、ハードボイルド的な作風となっており、自己保身のために仲間や被害者が殺されるのをただ黙視するというシーンも多い。完全に仕事と割り切る者がいる一方で、中には陰ながら依頼人や市井(しせい)の人に同情し加担したり、世の中を良くしたいと願う人物もおり、しばしばグループ内で対立したり、ジレンマに悩まされたりする場面が描かれ、ひとつのテーマとなることもある。
その作風を含めて既存の時代劇とは一線を画し、シリーズを通しての奇抜な殺し方をはじめとして、シリーズ前半の思想や手法、後半の風刺性や殺陣(たて)の演出などは、大きな話題となった。また、シリーズ前半ではピンク女優を配しての性行為や強姦などのシーン、他にも拷問や奴隷化など生々しい過激な内容が含まれた。後期でも前期ほどでは無いにせよ、当時の他作品と比べるとやはり過激な描写が目立ち、シリーズを通して抗議なども多かった。
15作目『必殺仕事人』を境に前期と後期に分けられ、2作目『必殺仕置人』から連なる仕置人シリーズが前期の代表、『仕事人』から連なる仕事人シリーズが後期の代表とされることが多い。
『仕置人』の棺桶の錠の登場以降、配役には、美形、二枚目の俳優が多く配役されるようになった。特に、シリーズ後期には、ジャニーズ事務所との関係が深くなり、多くのアイドルが、そのサポート役、主要キャストを担当するようになった。詳しくは西順之助の項も参照のこと。
構成はシリーズを通して大きな差異は無く、大まかには以下のようになっている。
特にパターン化が進んだ後期ほど、このストーリーラインを逸脱しない展開となった。
OPナレーションは、ごく初期には裏稼業者たちに関する説明のような内容となっており、中期以降には裏稼業者たちの覚悟や彼らの視点からのものが増えた。また、中期までにおいては、別シリーズの人物を演じた者がナレーションを行うことが多く、中期以降はその作品の登場人物が担うということも増えていった。
全体的に、作品との関連から悲哀、孤独、旅、望郷、風、過去との決別などを歌った曲が多い。主題歌が流れる際の映像は、昇る朝日か沈む夕日、夜の水面や入り江、空を飛ぶ鳥たち、または本編の登場人物の映像などが多かった。スペシャル版では京都の風景や富士山が出たこともある。
山下雄三が歌った1作目『必殺仕掛人』の主題歌『荒野の果てに』はシリーズ全体の共通のテーマ曲となり、映画の宣伝のBGMなどに用いられ、その後のシリーズにおいては、この曲やこの曲が意識された曲が殺陣に使われたりすることもあった。また、スペシャル版では、『必殺仕置人』の主題歌『やがて愛の日が』や『新・必殺仕置人』の主題歌『あかね雲』も流用された。
前期では西崎みどりの例など主題歌を歌う歌手が本編にゲスト出演することがったが、中期になると鮎川いずみなど出演者が主題歌を歌うことが増えるようになる。対して挿入歌は(主題歌歌手が挿入歌も歌う場合を除くと)初期から出演者が歌うことが多かった。また後期では一般的なドラマの主題歌と同じく、単独での楽曲も増えた。
上記のように後期の一部の主題歌を除き、主題歌の作曲を含めて音楽は平尾昌晃が担当した。ただし、『江戸プロフェッショナル・必殺商売人』『必殺からくり人・富嶽百景殺し旅』』『翔べ! 必殺うらごろし』の3作は森田公一や比呂公一が音楽を担当しており、平尾の曲は一切使われていない。また、平尾の曲が使われた一部の作品では編曲者として竜崎孝路の名がクレジットされているが、サウンドトラックCDの記述によると、竜崎のクレジットがない作品でも、平尾の曲はほぼ全面的に竜崎が編曲していたようである。後期になると出演者である京本政樹が音楽に加わるなど平尾以外の人物も作曲に携わったが、平尾の曲が使われた作品では、平尾以外の作曲家は原則として映像にはクレジットされていない。
後期では主題歌・挿入歌以外の新曲が作られることは少なくなり、劇伴音楽はそれ以前のシリーズからの流用を中心として不足分のみ新たに作曲するという手法が多くなっている。
必殺シリーズでは仕事人隆盛期以降、私服姿の出演者があらすじを説明し、最後に「時代劇は、必殺です。」のフレーズで締めくくるパターンが定着した。
これに影響されたのか「特捜最前線」や「遠山の金さん」「私鉄沿線97分署」などのテレビ朝日系ドラマにおいてレポーターや出演者が画面に登場しながらあらすじを説明する予告編が頻繁化した。
製作トピックスは予告の直後に数秒だけ流れるミニコーナーであり、近々開始予定の新作シリーズや撮影でのちょっとしたエピソードなどを紹介していた。
だがこれらはスペシャル路線で姿を消し、以降はナレーションもないありふれた予告パターンとなる。
主人公達である裏稼業者たちは基本的に3~5名のチームを組んで活動する。仲間と言ってもその関係は千切れやすい一本の糸程度のもので単なる利害の一致や金だけの繋がりなどドライな関係も多く、全く互いを信用していないケースや普段から仲のいいグループが些細なことで殺し合いにはしることもある。また、登場するかどうかは別として主人公たち以外の裏稼業者もおり、シリーズによってはこれらに依頼を斡旋したり、統括する元締めもいる。また、全員が全員殺しに参加するということも少なく、基本的に1名は情報収集やサポート役に回ることが多い。
彼らにはいくつかの掟がある。代表的なものとして、
がある。ただしこれらにはそれぞれの作品で差があり、どう扱うかで作風に影響する。
基本的に彼らは表向きの顔と職業を持っており、裏稼業を行う際はほとんどの場合商売道具を利用した道具、もしくは商売上の方法を用いる。ただし、道具は入手が困難なものが多く、かなりの身体能力を要する場合がほとんどなので、一般人が真似することは難しい(詳しくは#殺し技を参照)。
裏稼業名は原則的にその時のタイトル名と一致し、統一されている。例えば、「仕事人」を冠するのであれば、裏稼業名は、裏稼業者も奉行所も町民も全て「仕事人」という呼称を用い、過去に用いられていた「仕置人」「商売人」といった名称は登場しない(『必殺仕事人』に関して言えば例外的に第1話のナレーションで登場はしている)。また、スペシャルなどで別シリーズの人物が登場しても、その時のスペシャルに冠された名称になる。ただし、一部に例外があり、『必殺仕置屋稼業』は仕置人シリーズを踏襲しているために「仕置人」の名称が1話だけ用いられ、同じく仕置人シリーズに直結する『商売人』の冒頭でも中村主水は「仕置人」を名乗っている。
シリーズを通して多種多様な殺し技が存在し、シリーズを代表するところでもある。全体的な傾向として、シリーズを経るごとに演出を含めて奇抜な物が増えていった。例えば原作である『必殺仕掛人』の藤枝梅安は、針師として医学に精通し、そして主に商売道具である針を用いた暗殺(場合によって刃物も用いた)を行うなど合理的な殺し技を持っていた。これが普通は無理な殺し技に変移していった経緯には、過去の殺し技と差異を出すためと、真似をして事故が起きないようにする、あるいはそういった批判を回避するためという製作側の配慮があった(例えば、知らぬ顔の半兵衛の剃刀は生々しいとして批判を受けた)。
多種多様とは言え、基本的には刃物系、針系、怪力系、紐系などに大別でき、特に刃物系や針系はシリーズにほぼ登場する。しかしながら、同じ系統であっても用いる武器はその人物の職業を表す物なので全く同じということは少なく(道具への仕込みからおりくの三味線の撥を刃物状にした物など)、合わせて各々固有の演出(最たる例としてX線写真図や心電図など)によって、シリーズを経ても新鮮さを保持していた。また、パロディ的な要素が強い場合もあり、元締・虎のバットなどが挙げられる。
紐系を代表とする奇抜な殺し技は必殺の顔とも言え、常識では凶器とは考えられない物を用いた奇想天外な殺し技、大道芸の火吹きや催眠術などが用いられることもあった。その上で、初期の中村主水など一般的な剣劇を用いた正当な殺陣も併用されていた。
一方で、飛び道具や火器、毒の類は少なく、登場しても射程距離が短い、一度に用いれる数が少ない、サポート役など何らかの制限があることが多い(これは紐系にも言える)。特に毒を使った仕事人は『必殺仕事人2007』の経師屋の涼次まで登場したことは無く、それもまたかなり特殊な物で一般にイメージされる毒とは異なる。ただし、これは主人公側に言えることで、それ以外(特に敵側)の裏稼業者の場合は、鎖鎌や拳銃などの飛び道具や毒を用いる者は珍しくない。
| タイトル | 放送期間 | 話数 | 放送時間 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 必殺仕掛人 | 1972年9月2日 - 1973年4月14日 | 33 | 土曜22:00 - 22:56(途中から - 22:55) | |
| 必殺仕置人 | 1973年4月21日 - 10月13日 | 26 | 土曜22:00 - 22:55 | |
| 助け人走る | 1973年10月20日 - 1974年6月22日 | 36 | ||
| 暗闇仕留人 | 1974年6月29日 - 12月28日 | 27 | ||
| 必殺必中仕事屋稼業 | 1975年1月4日 - 6月27日 | 26 | 土曜22:00 - 22:55→金曜22:00 - 22:55 | 1975年4月に行われた腸捻転解消による放送時間・ネット局の変更が行われた |
| 必殺仕置屋稼業 | 1975年7月4日 - 1976年1月9日 | 28 | 金曜22:00 - 22:55(途中から - 22:54) | |
| 必殺仕業人 | 1976年1月16日 - 7月23日 | 28 | 金曜22:00 - 22:54 | |
| 必殺からくり人 | 1976年7月30日 - 10月22日 | 13 | ||
| 必殺からくり人・血風編 | 1976年10月29日 - 1977年1月14日 | 11 | ||
| 新・必殺仕置人 | 1977年1月21日 - 11月4日 | 41 | ||
| 新・必殺からくり人・東海道五十三次殺し旅 | 1977年11月18日 - 1978年2月10日 | 13 | ||
| 江戸プロフェッショナル・必殺商売人 | 1978年2月17日 - 8月18日 | 26 | ||
| 必殺からくり人・富嶽百景殺し旅 | 1978年8月25日 - 11月24日 | 14 | ||
| 翔べ! 必殺うらごろし | 1978年12月8日 - 1979年5月11日 | 23 | ||
| 必殺仕事人 | 1979年5月18日 - 1981年1月30日 | 84 | ||
| 必殺仕舞人 | 1981年2月6日 - 5月1日 | 13 | ||
| 新・必殺仕事人 | 1981年5月8日 - 1982年6月25日 | 55 | ||
| 新・必殺仕舞人 | 1982年7月2日 - 9月24日 | 13 | ||
| 必殺仕事人III | 1982年10月8日 - 1983年7月1日 | 38 | ||
| 必殺渡し人 | 1983年7月8日 - 10月14日 | 13 | ||
| 必殺仕事人IV | 1983年10月21日 - 1984年8月24日 | 43 | ||
| 必殺仕切人 | 1984年8月31日 - 12月28日 | 18 | ||
| 必殺仕事人V | 1985年1月11日 - 7月26日 | 26 | ||
| 必殺橋掛人 | 1985年8月2日 - 11月8日 | 13 | ||
| 必殺仕事人V・激闘編 | 1985年11月15日 - 1986年7月25日 | 33 | ||
| 必殺まっしぐら! | 1986年8月8日 - 10月31日 | 12 | ||
| 必殺仕事人V・旋風編 | 1986年11月7日 - 1987年3月6日 | 14 | ||
| 必殺仕事人V・風雲竜虎編 | 1987年3月13日 - 7月31日 | 19 | ||
| 必殺剣劇人 | 1987年8月8日 - 9月25日 | 8 | ||
| 必殺仕事人・激突! | 1991年10月8日 - 1992年3月24日 | 21 | 火曜21:00 - 21:54 | |
| 必殺仕事人2009 | 2009年1月9日 - 6月26日 | 22 | 金曜21:00 - 21:54 |
なお、東映の映画で萬屋錦之介主演の『仕掛人梅安』もあるが、これは「必殺シリーズ」には入らない。
2作目『必殺仕置人』の放送期間中に「必殺仕置人殺人事件」が起きる。この事件の犯人が「番組を見ていた」と供述したことから、マスコミによる批判が展開され、世論の糾弾を浴びることになる。結果として、この時の制作局の朝日放送は、当時のキー局だったTBSから放送打ち切りを通告される事態に発展した。しかし、その後、容疑者は「俺はテレビに影響されるほど、安易な人間ではない」との供述によって番組と事件の関連性が否定されたことで打ち切りの話も撤回となった(撤回には、当時のスポンサーであった中外製薬と日本電装、そして日本電装の親会社のトヨタ自動車の圧力もあった)。
ただし、人気を博していた『仕置人』の延長予定は白紙となり、5作目の『必殺必中仕事屋稼業』までタイトルから「必殺」を外す事態となった。また、次作の『助け人走る』では内容もハード路線からソフト路線に転換された(ただし、途中でハード路線に戻っている)。この時は、ひとまず何事も無く終わったが、この後も過激な内容を巡る論争は必殺シリーズに付き物となる。
1974年11月19日に、制作および発信局の朝日放送が1975年3月31日をもって、TBS系列からNETテレビ(現・テレビ朝日)系列へネットチェンジすることが決定する(詳しくはネットチェンジ#大阪準キー局「腸捻転」の解消を参照)。しかしNET系列では、土曜の21時から22時25分までは『土曜映画劇場』を放送していたため、必殺シリーズはそれまでの土曜22時枠から金曜22時枠へ移動を余儀なくされる。
折りしもこの時は、5作目『必殺必中仕事屋稼業』が放送中で、特に第8話「寝取られ勝負」(1975年2月22日放送)では、これまでの歴代最高視聴率34.2%(関西地区)を記録していた。しかし、当時の金曜22時枠は『金曜10時!うわさのチャンネル!!』(日本テレビ系列)、『金曜ドラマ』(TBS系列)、『ゴールデン洋画劇場』(フジテレビ系列)といった強力な裏番組が放送されていたため、たちまち視聴率が落ちることが予想された。朝日放送は、系列変更を挟んで異例の前後編(第13話「度胸で勝負」、第14話「招かれて勝負」)を行い視聴率低下を防ごうとしたが、これが裏目に出てますます視聴率低下を招く事態となる(詳しくは必殺必中仕事屋稼業#腸捻転(ネットチェンジ)事件を参照)。また、主人公・半兵衛(緒形拳)の殺し技(剃刀)が理髪店団体からの抗議を受けるといった問題も起こった。
一時、打ち切りも検討されたが最終的に視聴率は好転したため、打ち切り自体は回避される。
先述の『必殺必中仕事屋稼業』の視聴率低下によって、朝日放送は次作『必殺仕置屋稼業』を人気の高かった中村主水(藤田まこと)を主人公とすることで視聴率の回復を狙った。これが見事に功を奏し、その次の『必殺仕業人』でも主水を引き続き起用し、実際の内容も主水を中心とした物語進行がなされた。しかし、どちらの作品も本編のクレジットタイトルは『必殺仕置人』、『暗闇仕留人』と同様に、主水(及び藤田)の名前が最後尾(トメ)に記載されていたため、藤田が製作サイドに不満を述べるという問題が生じていた。この問題が『新・必殺仕置人』にて後述の菅井きんの降板希望も合わさり大きくなってしまう。
もともと藤田サイドの抗議は『仕置屋稼業』の際には既にあったが、この時は沖雅也(市松役)の養父(兼所属事務所社長)の抗議でうやむやにされてしまっていた。さらに次作『仕業人』に至っては何の説明も無く中村敦夫(赤井剣之介役)が優先された。そのため、それぞれの作品の主演が藤田まことではなく、沖雅也や中村敦夫と紹介されることが多かった。[5]
以上のような事情があって、『仕置人』以来となる山崎努(念仏の鉄役)との共演により、またもやトメに回される『新・仕置人』への打診に藤田は同作はおろか「必殺シリーズ」その物の降板も辞さぬ構えを見せていた。さらに、中村せん役の菅井きんも、せんのイメージが強すぎて娘の縁談が破談になることを恐れ、降板を希望していた。そのため、『新・仕置人』のクランクインの見通しが立たないばかりかシリーズその物も打ち切り寸前の状態になってしまう。
しかし、スタッフが折れる形で藤田の希望通りにキャストロールなども主人公扱い(先頭に記載)にされることが決定して、藤田は出演を決める(シリーズ自体、降板も撤回)。また、菅井の件も『必殺からくり人』を延長、『必殺からくり人・血風編』を製作しクランクインを遅らせることで対処した。こうして、その間に菅井の娘の縁談を終わらせることで彼女の快諾を得た(縁談は無事成功した)。こうしてシリーズ10作目として『新・仕置人』の製作が開始された。
ただし、『新・仕置人』の主人公は『仕置人』と同様、あくまでトメに記載された念仏の鉄(山崎)だとする見解もある(これに関しては、製作スタッフがあらかじめ山崎と藤田に条件を付けており、両者とも了承したとみられる。また山崎も当初は鉄の再登板に躊躇していたが、スタッフの説得もあり最終的に出演を決定した)。この場合、結果として主水が名実共に主人公となるのはこの次の登場作である12作目『江戸プロフェッショナル・必殺商売人』からとなる。
14作目『翔べ! 必殺うらごろし』は、今までと違い超常現象によって相手を殺す、殺す前に金をもらわないなど実験的な試みが行われた。しかし、これが大失敗を招き、一部地域では2.1%というシリーズ史上最低視聴率を記録したため、打ち切りにされる(当初全26話を予定していたが、全23話に短縮)。これを受けて、「必殺シリーズ」の生みの親であり、当時チーフプロデューサーだった山内久司は、看板キャラクターの中村主水を主人公に据え、元締役を出すなど原点回帰作を作ることを決定。これが振るわない場合には、シリーズその物の打ち切りを覚悟の上で、シリーズ15作目『必殺仕事人』の製作が開始された。
『仕事人』は、登場した俳優が次々と諸般の事情で途中降板すると言った問題にこそ見舞われたが、三田村邦彦演じる飾り職人の秀が女性視聴者からの人気を得るなど、それまでとは違った面を見せて人気を持つ。また続編にあたる17作目『新・必殺仕事人』では、秀と同じく女性層からの人気を得た中条きよし演じる三味線屋の勇次が登場し、また、それまでのハード路線からソフト路線へ転換がはかられ、子供や老人まで幅広い層に楽しめる内容となる。このようにそれまでの視聴者層とは違った層からも支持された結果として『仕事人』およびその続編は高視聴率をマークするようになり、必殺シリーズを確固とした物にする(第1次仕事人ブーム)。以後、仕事人シリーズとして後期必殺シリーズの看板となり、後期シリーズの方向性を決めることにもなった。
1981年には京都南座で舞台『納涼必殺まつり』シリーズがスタートし、1987年まで毎年晩夏(8月下旬に開催)の恒例となった。また、人気も頂点に達した21作目『必殺仕事人IV』の放映中(1984年)には、劇場版映画『必殺! THE HISSATSU』が製作・公開され大ヒットする。以後、1987年まで年1作のペースで製作され続けた。さらに23作目『必殺仕事人V』では、秀と勇次に代わって、京本政樹演じる組紐屋の竜と、村上弘明演じる花屋の政(のちに鍛治屋)が登場。竜と政のコンビは、秀と勇次に劣らぬ女性視聴者からの人気を獲得し、第2次仕事人ブームを巻き起こした。
しかし、バラエティ色が強くなったことや女性視聴者の増加などから、視聴者層の大半を占める中年男性層に受け入れられなくなりつつあり、同時に強力な裏番組(日本テレビ『金曜ロードショー』、TBS『金曜ドラマ』、フジテレビ『金曜女のドラマスペシャル』)の台頭もあって、視聴率的に苦戦を強いられていくようになる。
24作目『必殺橋掛人』の放送中(1985年)、キー局のテレビ朝日が平日22時枠に『ニュースステーション』の放送を決定する。しかし、金曜22時枠は朝日放送の「必殺シリーズ」の時間でもある。
当時の平日22時枠はドラマやバラエティ番組が常識であり、ここに報道番組を持ってくることは1つの賭けであった。その中で「必殺シリーズ」は当時も安定した視聴率を確保・維持しており、また朝日放送の制作番組中数少ない全国ネット番組で看板番組であった。そのため、朝日放送が反対することは目に見えており、結果として、「必殺シリーズ」が移動することは無く『ニュースステーション』が月-木の22時枠で放送、金曜のみ23時枠での『ニュースステーション金曜版』という形に収まった。事実、テレビ朝日側は『ニュースステーション』放送開始前に行われた番組制作発表の記者会見の席上にて、「金曜日は週末性を考慮して、23時からのスタートとした」とコメントしており、これは「必殺シリーズ」と朝日放送に配慮した発言だということは明白だった。
しかし、『ニュースステーション』もまた1986年のフィリピン政変などをきっかけにニュース番組としての人気と地位を獲得しており、それまでの平日22時枠のイメージを覆して高視聴率を叩き出していた。一方で、25作目『必殺仕事人V・激闘編』は、仕事人シリーズ開始以後のソフト路線から、初期・中期を思わせるハード路線へと変えた。これは一定のファン層から支持は得られたが高視聴率へとは至らず、これによって次作『必殺仕事人V・旋風編』にも迷いが生じる結果となる。結局、主水シリーズにもかかわらず全14話で打ち切られた。そのため、次第に優劣関係が逆転していった。
また、藤田まことは、年齢に見合った新しい芸域の開拓(テレビ朝日『はぐれ刑事純情派』、ミュージカル『その男ゾルバ』)を考えており、『仕事人V・旋風編』を最後に番組降板を願い出ていた。製作サイドは慰留に努めたが藤田の意思は固く、妥協点としてレギュラー放送の一時中断と年2・3回の単発スペシャル番組への出演で手が打たれた。藤田扮する中村主水シリーズのレギュラー放送としては(当時として)最後にあたる28作目『必殺仕事人V・風雲竜虎編』が開始され、この放送中に次作『必殺剣劇人』を持って必殺シリーズは金曜22時のレギュラー枠から撤退することが決定した。
この後、『ザ・ハングマン』枠からスライディングしてくる形での現代劇を2作放送後、1988年4月に『ニュースステーション』が金曜22時枠に入り、平日22時枠を独占することとなった。
レギュラー放送としては終了したものの、スペシャル番組として単発的に放送されてきた必殺シリーズだったが、1991年にシリーズ30作目『必殺仕事人・激突!』として復活する。
これは火曜21時枠という今までとは異なる時間帯で、内容的にも序盤はハード路線を取っていたが、強力な裏番組(フジテレビ『なるほど!ザ・ワールド』、日本テレビ『火曜サスペンス劇場』、TBS『ギミア・ぶれいく』)が控える中で視聴率は伸びずに途中で路線変更し、そして迷走状態のまま番組は終了してしまう。また、藤田まことの主水引退宣言もあって、同年公開の映画『必殺!5 黄金の血』などでは「最後の必殺」などとキャッチコピーが付けられていた。
その後、1996年公開の映画『必殺! 主水死す』では、製作記者発表でこそ「必殺の復活」をうたっていたが、タイトルからしてそのまま中村主水の死を示しており、キャッチコピーも「シリーズ完結、さらば婿殿」と必殺シリーズの終了を宣言するのに等しい形だった。しかしながら、その後1999年には三味線屋の勇次を主人公に据えた映画『必殺! 三味線屋・勇次』を公開しており、中村主水でこそ無かったが藤田も出演した。
ここで完全に必殺シリーズは途切れるが、独立系テレビ局や時代劇専門チャンネルを中心に各シリーズの再放送がほぼ途絶えることなく続いており、映画版に続き、『必殺仕掛人』から『必殺仕事人V』までのTVシリーズと『新装 (秘) 必殺現代版 東京六本木・京都円山公園・大阪梅田 3元仕事人ナマ中継』と『当たるトラ年! 今年も大躍進 必殺&タイガース』を除くテレビスペシャルがデジタルリマスター版DVD-BOXとして発売されている。また、2001年には京楽産業.からパチンコ機『CR必殺仕事人』がリリースされて人気を得て、2003年に続編『CR必殺仕事人激闘編』、2007年には『CRぱちんこ必殺仕事人III』がリリースされた。
2007年に東山紀之主演で『必殺仕事人2007』と題したスペシャル番組の放送が行われ、(主人公ではないが)中村主水が11年ぶりに復活を遂げた。さらにこの『仕事人2007』が高視聴率を記録したため、2009年1月にはシリーズ31作目『必殺仕事人2009』として18年ぶりにテレビシリーズとして復活した。そして、『仕事人2009』も高視聴率であったため、当初2009年3月で終了を予定していたが、さらに3カ月延長され、計6カ月放映された。
数字はいずれもビデオリサーチ調べ、関東地区。
途中で打ち切られた局や、しばらくの間放送する他系列ネットの局がある。
また、これら以外にも、必殺シリーズの奇抜な殺し方や演出は、当時から今に至るまでパロディやネタにされやすく、特に念仏の鉄の骨砕き、秀の首筋刺し、勇次と組紐屋の竜の首吊り技が多用されている。
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![]() 01:24 | 必殺シリーズ殺しのテーマ 必殺! |
再生回数:17,999回評価: 提供:You Tube | |
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![]() 03:16 | 必殺シリーズ殺しのテーマ 仕置のテーマ~問答無用!~ |
再生回数:20,766回評価: 提供:You Tube | |
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![]() 03:02 | 追悼 藤田まこと(中村主水 必殺シリーズ) |
再生回数:11,899回評価: 提供:You Tube | |
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![]() 01:29 | 必殺シリーズ殺しのテーマ 仕置のテーマ |
再生回数:19,337回評価: 提供:You Tube | |
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![]() 01:24 | 必殺シリーズ殺しのテーマ 必殺!(修正版) |
再生回数:11,741回評価: 提供:You Tube | |
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