日本の公営競技における投票券(とうひょうけん)とは各競技における競走対象の着順を予想して投票(購入)し、結果に即し配当を得るための券である。
目次 |
各競技ごとの投票券には、以下のような正式名称および通称(略称)がある。
| 競技 | 正式名称 | 通称 |
|---|---|---|
| 競馬 | 勝馬投票券(かちうまとうひょうけん)[1] | 馬券(ばけん) |
| 競輪 | 勝者投票券(しょうしゃとうひょうけん) | 車券(しゃけん)[2] |
| 競艇 | 勝舟投票券(かちふねとうひょうけん) | 舟券(ふなけん)[3] |
| オートレース | 勝車投票券(かちぐるまとうひょうけん) | 車券(しゃけん) |
日本の公営競技における投票券はパリミュチュエル方式によって行われている。
現在、各投票券の最低発売単位は100円である。これは「1枚は10円」であるが「10枚分以上を1枚で代表する投票券を発売することができる」という各関連法に依拠している。投票券の券面にも「1枚が10円」あるいは「表示の1枚は本来の1枚分10円を10枚束ねた100円相当」である旨が記載されている。
現在は1枚の紙に複数の投票が記載されているマルチ投票券が自動発券機で発売されている。かつては1枚100円で1種類のみの投票券やそれを1000円単位にまとめた「特券(とっけん)」(現在でもわずかに聞かれる用語である)で発売されており、購入の際はそれぞれの買い目ごとに窓口が設定されていて購入者は必要に応じて複数の窓口を渡り歩いて購入していた[4]。
倍率(オッズ)が100倍を超える投票券は100円に対する払戻金額が1万円を超えるため、以下のように呼ばれている。
一部の発売所では、発売単位が500円や1000円などとなっている場合もある。これは、客の動線上便利な立地条件であり必然的に混雑が見込まれることや発売所の売場面積が狭く収容人員が限られるため来客数を絞りたい場合や入ってすぐのフロアの混雑を避けるためという理由が大半を占める[5]ほか、入居している建物の老朽化により改築(建て替え)を行う際、代替地が確保できない場合[6]もある。
なお、発売単位において「1点あたり500円以上100円単位」と表記される場合、1点あたり最低500円購入する必要がある。(合計金額ではない)
また日本の中央競馬では混雑が予想されるクラシック競走や天皇賞(春・秋)、有馬記念などの主要レース開催日に一部のウインズ(場外発売所)で発売単位を切り上げたり、あるいは発売レース数を制限(後半6レースなど)する事例もある。
的中した投票券の配当は、パリミュチュエル方式によって決定される。
各競技の控除率は競輪・競艇・オートレースが25%、競馬が18~26.2%(支持率によって変動。端数切捨てにもよるが、およそ払戻が300円を越えると25%、2000円を越えると26%以上となる。中央競馬の単勝・複勝はこれから5%引き)。後述の「特払い」を除く。
勝利した競走対象に対する投票が全くない場合には、前述の控除率によって差し引かれた額が返還される。これは「特払い」(とくばらい)と呼ばれる。ただし最低発売単位(10円)に対して1円未満は切り捨てられるので、実際には購入した投票券100円につき70円の払戻しとなる(つまり70%返還される)。場内放送や実況放送でも「投票券は確定まで捨てないように」と注意喚起が行われているものの、制度の存在を知らない者も多い。
当該レース確定後から、所定の払い戻し窓口(多くは自動払い戻し機を使用する)で行われる。時効は当該レースが実施された日の「翌日から」60日間(但し最終締切日が払い戻しを実施しない日と重なる場合はその翌日まで)となる。
なお高額配当(大体は100万円以上)となる場合は通常の払い戻し窓口や自動払い戻し機ではなく「高額払い戻し専用窓口」を利用し、所定の手続き(住所・氏名・年齢などを記録し、状況によっては年齢確認の証明書類提出を求められることもある)を行った上で払い戻しが行われる。中央競馬においては払戻し金額にかかわらず的中券のみあれば所定の手続き等は一切不要(但し受取人が20歳未満と見られる場合のみ年齢確認が行われる場合がある)。
投票券が以下の事象に遭遇した場合は、当該競走対象を含んだ券面金額(記載内容)が返還される。
現在は返還が実施される場合、当該レースの確定(決定)後に払戻窓口にて対象となる券面と引換えに購入金額と同額を交付している。的中しているわけではないため、「払戻」とは根本的に異なる。また「施行者が同額の金銭をもって発売した投票券を引き取る」という観点から、「買い戻し」と表現することもある。
払戻金は税法上の一時所得扱いとなり、税法上所定の控除額(上記控除分とは無関係)を越える利益は課税対象になり毎年の確定申告を要する。ただし、負け分を税額控除することはできない。例えば、あるレースで100万円勝ち次のレースで100万円負けた場合、差し引き利益0円で非課税になるのではなく勝ち分である100万円に対して課税される。原則はそうであるのだが、一般人が趣味として小遣い程度の小額で楽しむ場合にはいちいち勝ち分を正確に記録しておらず年間を通じてどれだけ勝ったのか明確に示せる者もなく、また趣味で楽しむ人の数が非常に多いので厳密な税務捕捉は事実上困難となっている。実質的に税務捕捉できるものは、「大穴を当てて幾ら勝った」と公言している芸能人や一般人などに限られてしまうのが現状である。
当初、過去5年程度の票数データにJRAプラス10をあてはめると元返しは1件も発生せず「元返しの心配はほとんどない」とされたが、導入されてみると1か月の間に5件の元返しが発生した。JRAの競走成績データによると、2008年、2009年開催ともに38件について元返しが発生した。
日本では各根拠法の定めにより、未成年者(満20歳未満の者)は投票券を購入したり譲り受けたりしてはいけない。なお、かつては投票券を学生・生徒が購入や譲り受けができない規定[7]があったが競馬法が2005年1月1日に、次いでモーターボート競走法が2007年4月1日に、最後に自転車競技法および小型自動車競走法が2007年6月13日にそれぞれ改正公布され、年齢制限のみになった。[8]
また各競技の関係者もそれぞれの投票券を購入したり譲り受けたりすることが制限されているが、関係者であっても、異なる競技の投票券を購入したり譲り受けたりすることに問題はない。競馬においては、中央競馬と地方競馬で管轄が違うため、中央競馬に従事する関係者が地方競馬の投票券を購入することもできるようになっている。(テレビなどで芸能人と中央競馬の騎手との馬券で対決するさいは、地方競馬場で行われる。)
ただし、中央(地方)競馬の騎手が指定交流競走や騎手招待競走に出走する場合、その当日においては地方(中央)競馬の投票券を購入できないと定められている。
日本の公営競技における各競走対象には全て1から始まる番号が付与されており、投票はこの番号によって行われる。
日本の競馬・競輪では複数の競走対象を集めてグループを作り、そのグループを1つの競走対象とみなしそれらについての投票券を発売することもある。このグループを「枠」(わく)と言う。
各競技における枠のグループ分け方法は、以下のようにして行われる。
競馬では出走馬が9頭以上となった場合のみ枠によるグループ分けが行われ、現在は8枠制が採用されている[9]。グループ分けの方法は以下の通り。
競輪は出場選手が7人以上の場合に枠によるグループ分けが行われ、枠の数は常に6である(6枠制)。グループ分け方法は以下の通りである。
各競技ごとの競走対象および枠に付与される番号には、以下のような正式名称および通称(略称)がある。
| 対象 | 正式名称 | 通称 |
|---|---|---|
| 競馬 | 馬番号(うまばんごう) | 馬番(うまばん) |
| 競輪 | 選手番号(せんしゅばんごう) | 車番(しゃばん) |
| 競艇 | ボート番号(ぼーとばんごう)[10] | 艇番(ていばん)、枠番(わくばん)[11] |
| オートレース | 車番号(しゃばんごう) | 車番(しゃばん) |
| 枠 | 枠番号(わくばんごう) | 枠番(わくばん) |
公営競技では、観客が遠方からでも競走対象が識別しやすいように枠番または車番ごとに色を決めており、決められた色のヘルメットカバーやユニフォームを着用させている。用いられる色の番号や部位は以下の通り。
色と番号(枠番色・車番色とも共通)
| ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
| 白 | 黒 | 赤 | 青 | 黄 | 緑 | 橙 | 桃 | 紫 |
枠別に色を最初に採用したは競輪で、それに倣い競馬・競艇でも採用されるようになった。。
競輪とオートレースでは6枠制の時代から一部の番号で2色の組み合わせが用いられてきたが近年は競馬で使われている枠番色にならって変更され、現在はすべての公営競技で番号と色が統一されている(9番の紫は競輪が2002年4月から採用した)。
各投票券の投票法(投票法)の種類には、大別して以下の5種類がある。
枠を対象とした投票法は、上記の内では連勝単式および連勝複式のみである。
重勝式以外の投票法でも、競技や競技場によっては発売レース数に制限がある場合や一部の投票法が発売されていない場合もあるので、それぞれの競技や競技場のページを参照のこと。
単勝式(たんしょうしき)とは、1着になる競走対象を予想する投票法である。
複勝式(ふくしょうしき)とは全競走対象数が5つ以上7つ以下の場合は2着以内に入る競走対象1つを、全競走対象数が8つ以上の場合は3着以内に入る競走対象1つを予想する投票法である。つまり全競走対象数が7つ以下の場合は予想した競走対象が1着・2着のいずれかであれば、全競走対象数が8つ以上の場合は予想した競走対象が1着・2着・3着のいずれかであれば的中となる。
JRAでは2006年10月7日から単勝式と複勝式をセットで発売する「応援馬券」というシステムを取り入れた。これは、マークカードに新設された「単+複」の欄と出走馬の馬番にマークすることでその出走馬の単勝式と複勝式の馬券を同時購入できるというものである。ただし購入は1口につき200円(単勝・複勝それぞれ100円ずつ)単位となる。
連勝単式(れんしょうたんしき)とは、上位着順を占める複数の競走対象の組み合わせをそれらの着順通り(順列)に予想する投票法である。連勝単式には対象となる競走対象の数により以下の2つに分類される。
二連勝単式(にれんしょうたんしき)とは、1着・2着になる競走対象の組み合わせ2つをそれらの着順通りに予想する投票法である。例えば1着が13番、2着が9番の場合、13-9が的中となるが、9-13は不的中となる。
三連勝単式(さんれんしょうたんしき)とは、1着・2着・3着になる競走対象の組み合わせ3つをそれらの着順通りに予想する投票法である。例えば1着が18番、2着が9番、3着が10番の場合、18-9-10が的中となる。
連勝複式(れんしょうふくしき)とは、上位着順を占める複数の競走対象の組み合わせをそれらの着順に依らず順不同(組合せ)で予想する投票法である。対象となる競走対象の数や選ぶ組み合わせの数により、以下の3つに分類される。
普通二連勝複式(ふつうにれんしょうふくしき)とは、1着・2着になる競走対象の組み合わせ2つをそれらの着順に依らず順不同で予想する投票法である。例えば1着が18番、2着が5番の場合、5-18が的中となる。
拡大二連勝複式(かくだいにれんしょうふくしき)とは、3着以内に入る競走対象の組み合わせのうち2つをそれらの着順に依らず順不同で予想する投票法である。つまり予想した組み合わせが1着・2着、1着・3着、2着・3着のいずれかであれば的中となる。例えば1着が7番、2着が18番、3着が10番の場合には7-18、7-10、10-18の3つの投票券が的中となる。競艇を除く各競技では「ワイド」と呼称している(競艇では「拡連複」)。
三連勝複式(さんれんしょうふくしき)とは、1着・2着・3着になる競走対象の組み合わせ3つをそれらの着順に依らず順不同で予想する投票法である。例えば1着が13番、2着が1番、3着が8番の場合、1-8-13が的中となる。
重勝式(じゅうしょうしき)とは、複数レースにおける単勝式・複勝式・連勝単式・連勝複式のいずれか1つの投票法をまとめて予想する投票法である。
日本では1951年4月から競馬において、3個レースの勝馬を全て的中させる「三重勝単式馬券」を、午前中のレースを対象に発売していた。引用エラー 無効な <ref> タグ: 名前 (name 属性)がない場合には引用句の内容が必要です[12]
1961年7月25日の公営競技調査会の答申を受け、同年をもって重勝式投票法自体が廃止された。廃止の理由は当時公営競技に向けられていた射幸心をあおるとの理由ではなく不正行為の温床となることを問題視しており、紛争防止の見地からの廃止論議であった[13]。
21世紀に入ってから、公営競技の各根拠法(競馬法、自転車競技法、モーターボート競走法、小型自動車競走法)が改定され、重勝式投票券の発売が再び認められるようになった。
まだ重勝式投票法が導入されていない公営競技場では、主にマスコミなどでの懸賞クイズやイベントなどとしてこの方法で予想が行われている。しかし公営競技全体の売上が減少傾向にあることから、宝くじ感覚で気軽に買えるうえ巨額な払戻金となる可能性も含む新投票法として、導入を検討しているところもある。
競輪では指定された連続7競走の勝者を予想する重勝式投票法「チャリロト」が2008年4月15日より平塚競輪場でインターネット投票限定で発売開始し、半世紀ぶりに重勝式が復活した。その後、立川競輪場でも重勝式投票券「Kドリームス[14]」の発売を2008年4月25日よりインターネット投票限定で開始した。その他の競輪場でも「チャリロト」「Kドリームス」のいずれかを採用する形で重勝式投票券を導入するところがある。発売している競輪場は以下を参照。
いずれの投票券も、発売は開催日の前夜(競輪場により多少異なる場合がある)から最初に発走する対象競走の発走5分前まで発売。
いずれの投票券も、発売は開催日の前夜(昼間開催は19:00から、ナイター開催は22:00から。競輪場により多少異なる場合がある)から最初に発走する対象競走の発走5分前まで発売。
競走対象の番号を対象として発売されている各投票法には、以下のような通称(略称)および英語表記がある。
| 投票法 | 通称 | 英語表記 | |
|---|---|---|---|
| 単勝式 | 単勝(たんしょう) | WIN | |
| 複勝式 | 複勝(ふくしょう) | PLACE(2着まで) SHOW(3着まで)[17] |
|
| 二連勝単式 | 二連勝単式(競艇) | 二連単(にれんたん) | EXACTA |
| 車番号二連勝単式(オートレース) | |||
| 馬番号二連勝単式(競馬) | 馬単(うまたん) | ||
| 選手番号二連勝単式(競輪) | 二車単(にしゃたん) | ||
| 三連勝単式 | 馬番号三連勝単式(競馬) | 三連単(さんれんたん) | TRIFECTA |
| 選手番号三連勝単式(競輪) | |||
| 三連勝単式(競艇) | |||
| 車番号三連勝単式(オートレース) | |||
| 普通二連勝複式 | 普通二連勝複式(競艇) | 二連複(にれんぷく) | QUINELLA |
| 普通車番号二連勝複式(オートレース) | |||
| 普通馬番号二連勝複式(競馬) | 中央競馬:馬連(うまれん) 地方競馬:馬複(うまふく)・普通馬複(ふつううまふく) |
||
| 普通選手番号二連勝複式(競輪) | 二車複(にしゃふく) | ||
| 拡大二連勝複式 | 拡大二連勝複式(競艇) | 拡連複(かくれんぷく) | QUINELLA-PLACE または WIDE |
| 拡大馬番号二連勝複式(競馬) | ワイド[18] | ||
| 拡大選手番号二連勝複式(競輪) | |||
| 拡大枠番号二連勝複式(オートレース) | |||
| 三連勝複式 | 馬番号三連勝複式(競馬) | 三連複(さんれんぷく) | TRIO |
| 選手番号三連勝複式(競輪) | |||
| 三連勝複式(競艇) | |||
| 枠番号三連勝複式(オートレース) | |||
枠を対象として発売されている各投票法には、以下のような通称(略称)および英語表記がある。
| 投票法 | 通称 | 英語表記 | |
|---|---|---|---|
| 二連勝単式 | 枠番号二連勝単式 | 地方競馬:枠単(わくたん) | BRACKET-EXACTA |
| 競輪:二枠単(にわくたん) | |||
| 普通二連勝複式 | 枠番号二連勝複式 | 中央競馬:枠連(わくれん) | BRACKET-QUINELLA |
| 地方競馬:枠複(わくふく) | |||
| 競輪:二枠複(にわくふく) | |||
2010年現在、各公営競技で発売している投票券の種類は以下のとおり。
| 公営競技名 | 単勝 | 複勝 | 枠番 連複 |
枠番 連単 |
馬・車・艇番 連複 |
馬・車・艇番 連単 |
ワイド (拡連複) |
馬・車・艇番 3連複 |
馬・車・艇番 3連単 |
重勝式 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 中央競馬 | ○ | ○ | ○ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
| 地方競馬 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ▲ |
| 競輪 | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ▲ |
| 競艇 | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
| オートレース | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
各競技別の最高配当額は以下の通り。ただし地方競馬と競輪の重勝式はキャリーオーバー方式のため、従来の投票券も併記する。
| 対象 | 年月日 | 場所 | 競走番号 | 投票法 | 金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 中央競馬 | 2005年10月22日 | 東京競馬場 | 第12競走 | 三連単 | 1846万9120円 |
| 地方競馬 | 2010年1月31日 | 帯広競馬場 | 第8-12競走 | 重勝式 | 1022万2930円 |
| 2009年2月4日 | 船橋競馬場 | 第7競走 | 三連単 | 1911万0000円 | |
| 競輪 | 2008年6月5日 | 平塚競輪場 | 第5-11競走 | 重勝式 | 7969万8600円 |
| 2006年9月21日 | 奈良競輪場 | 第10競走 | 三連単 | 476万0700円 | |
| 競艇 | 2003年12月10日 | 若松競艇場 | 第5競走 | 三連単 | 53万7990円 |
| オートレース | 2006年5月22日 | 伊勢崎オートレース場 | 第12競走 | 三連単 | 1572万1720円 |
現在、日本の公営競技ではほぼ全場でマークカード方式を導入しており、口頭で購入可能な窓口はごく一部に限られるか、一部には全く存在しない施設もある。
マークカード方式が一般化した現在でも通常は1点ずつ発売することが原則であるが、3連勝式投票券のように組み合わせ数が増えると必然的に1人あたりの購入点数も多くなるため多くの組み合わせを短時間で簡単に発売できる方法を導入することによって、この点を解消している。
いずれの方法も同種の投票券を均一金額で購入することを前提としているため、金額を変えて購入する場合は従来どおり1点ずつ購入しなければならない。
各投票法に応じて複数のマークカードが用意されていることが多く、通常投票用マークカードと混同しないように各主催者ごとにカードの長さを変更したり、印刷色を変更するなど配慮している。
単一となる「軸」と「相手(ヒモとも言われる)」と呼ばれる番号を数点(もしくは全部)を指定することで、「軸-相手」となる全ての投票券が購入できる方法。軸から相手に向けて上流と下流の関係が出来るため、このように呼ばれる。なお英語では軸がまさに車輪の軸であり、相手が車輪状になるという意味で「WHEEL」と表現される。
連勝単式の場合は、軸とした投票対象の着位も指定する必要がある。
3連勝式の場合には、軸を1点選ぶ方法と軸を2点選ぶ方法がある。この場合、軸を1点選ぶ方法においては相手として選択した投票対象から任意の2者が出れば的中となるため、下記にある「ボックス」の要素をも含んだ内容になっている。
また、流しの投票券を購入し、軸が対象とならずに相手同士で決まることを「縦目」、連勝単式などで1着と2着が逆になってしまうこと「裏目」、軸が対象となったが相手の馬を買っていなかった場合を「抜け目」という。後述のフォーメーションでも「1,2着裏目」や「○着抜け」などと表現することがある。
連勝単式では流し投票で軸とした競走対象が指定した着順どおりに入らなければならないが、軸の着順が変わっても的中となるようにまとめて購入できるよう「マルチ投票」が導入されており、先述のような「1,2着裏目」を防止することが可能となる。
2連勝単式では買い目は2倍、3連勝単式の場合、軸が1点の場合は買い目が3倍、軸が2点の場合は6倍になる。
競走対象の番号を数点指定することで、その競走対象が関わる全ての投票券を購入できる方法。
枠番連勝式におけるボックスでは4-4や7-7などのいわゆる「ぞろ目」が含まれるか否かは各主催者、発売媒体、申し込み内容によって異なる場合があるため、事前に確認が必要となる。(基本的にはぞろ目は含まれないことが多い。) 確実にぞろ目を含める枠連BOXを購入する場合、フォーメーション用のマークカードを使って1頭目と2頭目の欄に同じ印をつければぞろ目を含むBOX馬券という扱いになる。
購入点数は組み合わせの数が関係するため、マークの数に比べて購入点数が膨大になる傾向にある。
指定した競走対象同士を結び合うことから「三角買い」「四角買い」「五角買い」などと表現されることもある。
式別を選択し、各着位に該当すると思われる対象番号を指定することによりその着位ごとに指定された対象番号の組合せ全てを購入することが出来る方法。当然のことながら、同一着位内での選択に対する組合せや存在し得ない組合せはコンピュータ上で自動的に除かれる。
例:競走対象が9つ以上の三連勝単式において1着:1,2,3 2着:2,5,7 3着:1,5,9を指定した三連勝単式をフォーメーション[21]で購入申しこみすると、以下の組合せを購入したこととなる。
1-2-5 1-2-9 1-5-9 1-7-5 1-7-9 2-5-1
2-5-9 2-7-1 2-7-5 2-7-9 3-2-1 3-2-5
3-2-9 3-5-1 3-5-9 3-7-1 3-7-5 3-7-9(18点)
JRAにおいて、2009年10月17日から、その節のGIレースが開催される競馬場の特定窓口限定で、買い目をコンピュータにまかせて投票できる「クイックピック投票」を試験的に行うことになっている。(詳細)
クイックピック専用のマークシートが用意され、発売するすべてのレース(発売する競馬場のレースに限らず、他場のレース、前日発売も購入可能である)、すべての式別で購入可能であり(1枚の馬券(マークシート)につき単勝、複勝は1枚につき最大5点、その他は最大10点まで)、すべてコンピュータにまかせる「すべておまかせ」のほか、枠連・馬連・馬単・ワイド・3連複・3連単では軸となる任意の馬1頭(馬単、3連単においては任意の馬の着順を固定することも可能)を指定することもできる。馬券には「GOOD-LUCK」と印字され、軸となる馬番と着順指定の有無、コンピュータで決められた買い目が印字される。なお、クイックピックでの購入時、自動発売機の表示画面に式別、軸指定や着順指定の有無、購入点数、1点あたりの金額は表示されるが、実際に印字された馬券を見るまで組み合わせはわからないようになっている。
ちなみに18頭立てのレースにおいて、3連単をクイックピックで購入した際、クイックピックの対象となる組合わせ数は以下の通りとなる。
クイックピック導入週の京都競馬場では、土曜の東京で95万馬券、日曜の京都で500万馬券がクイックピック投票から出現している。
なお、2010年春季においても当該週G1レースが開催される競馬場、および東西金杯における中山・京都両競馬場で引き続きクイックピック投票を実施する。(詳細)
公営競技の創成期には、各競技の連勝単式および連勝複式の投票券は全て6枠制で発売されていた[22]。現在でも競馬・競輪で枠による投票券が発売されているのはこの名残である。連勝単式および連勝複式の投票券の組み合わせ総数を制限することで、過度に高い配当を出にくくし射幸心を抑えるという効果があったためである。
ただし枠による発売の場合、競走対象が病気・怪我などにより出走取消や競走除外になった場合にその競走対象と同枠の競走対象がいる場合は買戻しが行われないなど度々非難の的となった。これを回避するため、中央競馬では人気が集中することが予想される馬を前述の枠によるグループ分けとは別に1頭枠とする「単枠指定制度」を、地方競馬・競輪・オートレースでは出走取消・競走除外となった競走対象と同枠の競走対象もあわせて出走取消・競走除外とする「友引除外(ともびきじょがい)」制度を採用していた。どちらも投票券の購入者のほか、関係者からも批判の声が多かった。
オートレースもかつては2連勝単式および2連勝複式は6枠制で発売されていた(出場車が8車の場合、5番・6番が5枠、7番・8番が6枠)が、1998年をもって廃止された。
出走頭数が8頭以下の場合は地方競馬が2003年4月以降、中央競馬では2005年1月以降「馬番連勝式のみ発売」となり、枠番連勝式は発売しないことになった[23]。ただし出走取消などで8頭以下となった場合も、同枠に2頭以上いる枠が残っている場合は枠番連勝式の発売を行う。また発売開始後に8頭以下になった場合は、同枠に2頭以上いる枠がなくなってもそのまま発売する。
地方競馬ではばんえい競馬を除く全ての主催者で三連単を発売しており、単勝式、複勝式、馬番二連勝単式、馬番二連勝複式は日本国内の全競馬場で発売している。
2000年10月に三連複・三連単を他の公営競技に先駆けて導入した競艇では、翌年度入場者数は10年ぶりに増加したものの、売上は前年度を下回った。
。
しかし中央競馬において、かつて三連単を限定発売していた後半4競走[24]の売上金額は発売以前のレースと比べ明らかな差がついていた事から、ファンの間で三連単が完全に定着していることが伺える。三連単が宝くじ同様の確率であっても上述の控除率が約25%(JRAの一部を除く)で他の投票法と同一である以上、控除率が50%である宝くじなどと期待値の側面から比べてみても全て均等額で勝負した場合において高い収益を得やすいのは明らかなため、既に三連勝式などを導入している場がそれを廃止することは客離れに繋がる可能性があり、一種のジレンマに陥っている面がある。