既得権益(きとくけんえき)とはある社会的集団が歴史的経緯により維持している権益のことで、時流にそぐわなくなった特権としてその社会的集団を非難するときによく用いられる。しかしどのような社会的集団であっても、それが発足して間もない時期でなければ、必ず何らかの既得権益をもっているものであり、既得権益すなわち悪というものではない。それぞれ別の既得権益を持っている異なる社会的団体が、相手の権益を奪って自分たちの権益を拡大しようとして、たがいに相手の持っている権益を既得権益と非難しあうという状況もみられる。既得権益は恵まれた階層・グループが持っているものとも限らず、たとえば明治維新の際の解放令によって農工商と平等とされた被差別部落民は、同時にそれまでやらされていた(独占していた)皮革加工業などの独占権を奪われてすこぶる困窮した。