橋爪 紳也(はしづめ しんや、1960年12月6日-)は日本の建築史家である。大阪府立大学特別教授。建築史・都市文化論専攻。工学博士(大阪大学、1990年)。大阪市中央区島之内生まれ。兄は美術史家の橋爪節也。
概要
狭義の建築史にとどまらず、広く大阪・関西の都市文化について研究している。その知識と経験を生かして、自治体の委員や街づくり関連団体のアドバイザーとしても活躍している。
1999年からは大阪市立大学の教員として、地元大阪市でも数多くの公職を務めた。關淳一市長のもとでもアドバイザリーボード「元気で美しい大阪づくり有識者会議」[1]のメンバーであったが2007年9月4日に大阪市役所で記者会見し、大阪市長選挙に無所属で出馬することを表明した。關までの歴代市長が市役所内部出身であることや、職員新規採用の凍結や市営地下鉄の民営化方針といった關の市政改革の方向性を批判する立場からの出馬であった[2][3]。出馬の背景には自由民主党や公明党の一部市議や市OBが關の市政改革の手法に反発していたこともあり[4]橋爪は両党に推薦を要請したが、最終的に両党は現職の關の推薦を決定した。選挙戦では、若手選挙プランナー松田馨らの助力を得る。市民とのタウンミーティングを重ねて市民の意見を取り入れる手法でマニフェストを作成し[5]、公約として市民活動活性化のための自治基本条例の制定を盛り込むなど[6][7]政党推薦を受けない「市民派」をアピールしたが、支持を広げることはできなかった。同年11月18日の投票では、知名度で勝り公約にも重なる点のあった平松邦夫(民主党・国民新党推薦)らに票を大きく引き離され落選した(詳しくは2007年大阪市長選挙を参照)。
2008年度からは大阪府立大学特別教授と古巣の大阪市立大学特任教授として大学に復帰する一方、「水都」大阪の水辺を生かした街づくりに関心を持つ橋下徹大阪府知事のもとで政策アドバイザーに就任した。一方、選挙戦で敗れた相手の平松邦夫大阪市長は、2008年9月に、橋爪を市の外郭団体「都市工学情報センター」のアドバイザーとして招く方針を示した[8]。
経歴
- 1979年 大阪府立高津高等学校卒業
- 1984年 京都大学工学部建築学科卒業
- 1986年 京都大学大学院工学研究科修士課程修了(建築学専攻)
- 1990年 大阪大学大学院工学研究科博士課程修了(環境工学専攻)
- 1990年 京都精華大学人文学部専任講師
- 1995年 京都精華大学人文学部助教授
- 1999年 大阪市立大学文学部助教授
- 2001年 大阪市立大学大学院文学研究科助教授
- 2006年 大阪市立大学都市研究プラザ教授・大阪市立大学院文学研究科教授
- 2007年 大阪市立大学を退職、大阪市長選挙に出馬、落選
- 2008年 大阪府立大学産学官連携機構教授、同大学観光産業戦略研究所所長、大阪市立大学都市研究プラザ特任教授、大阪府政策アドバイザー就任
- 2009年 大阪府立大学21世紀科学研究機構教授、同大学観光産業戦略研究所所長
社会的活動
- 国土交通省近畿地方整備局近畿圏広域地方計画学識者会議委員
- 大阪府特別顧問 政策アドバイザー(水都・都市景観分野)
- 大阪府文化振興会議会長
- 大阪市住宅審議会委員
- 豊中市文化芸術振興審議会会長
- 大阪商工会議所都市再生委員会副委員長
- 社団法人現代風俗研究会理事
- 社団法人日本ディスプレイ業団体連合会理事
- 社団法人生活文化研究所所長
- 社団法人平城遷都1300年記念事業協会評議員
- 社団法人日本イベント産業振興協会アドバイザー
- 財団法人大阪観光コンベンション協会アドバイザー
- 中之島水辺協議会会長
- 水都大阪2009プロデューサー
- 上海万博大阪出展実行委員会プロデューサー
- 大阪コミュニティツーリズム推進連絡協議会総合プロデューサー
- 大阪ミュージアム構想企画委員長
- 大阪検定企画会議座長
- ギャンブリング*ゲーミング学会理事
- イベント学会副会長
- NPO法人水都OSAKA・水辺のまち再生プロジェクトスーパーバイザー
- NPO法人中之島SORIA理事
- 大阪創造都市市民会議発起人
- 船場クリエイティブ・ポート推進協議会座長
- 法善寺横丁復興委員会専門委員
- 月刊誌「大阪人」(財団法人大阪市都市工学情報センター発行)編集委員
- その他、行政の審議会等の委員を多数務める。
受賞歴
- 1996年 橋本峰雄賞
- 1997年 日本ディスプレイデザイン研究賞大賞
- 2005年 エネルギーフォーラム賞優秀賞
- 2009年 大阪活力グランプリ特別賞
主要著作
単著
- 『倶楽部と日本人 人が集まる空間の文化史』学芸出版社、1988年。
- 『明治の迷宮都市 東京・大阪の遊楽空間』平凡社、1990年。
- 『海遊都市 アーバンリゾートの近代』白地社、1992年。
- 『化物屋敷 遊戯化する恐怖』中央公論社、1994年
- 『にぎわいを創る 近代日本の空間プランナーたち』長谷工総合研究所、1995年。
- 『大阪モダン 通天閣と新世界』NTT出版、1996年。
- 『なにわの新名所』東方出版、1997年。
- 『祝祭の<帝国> 花電車・凱旋門・杉の葉アーチ』講談社選書メチエ、1998年。
- 『ニッポンバブル遺産建築100』NTT出版、1999年。
- 『日本の遊園地』講談社現代新書、2000年。
- 『人生は博覧会 日本ランカイ屋列伝』晶文社、2001年。
- 『集客都市 文化の「仕掛け」が人を呼ぶ』日本経済新聞社、2002年。
- 『モダン都市の誕生 大阪の街・東京の街』吉川弘文館、2003年。
- 『飛行機と想像力 翼へのパッション』青土社、2004年。
- 『絵はがき100年 近代日本のビジュアル・メディア』朝日新聞社(朝日選書791)、2005年。
- 『あったかもしれない日本』紀伊国屋書店、2005年。
- 『モダニズムのニッポン』角川選書、2006年。
- 『ゆく都市くる都市』毎日新聞社、2007年。
- 『京阪神モダン生活』創元社、2007年。
- 『増補 明治の迷宮都市 東京・大阪の遊楽空間』ちくま学芸文庫、2008年。
- 『創造するアジア都市』NTT出版、2009年。
共著
※()カッコ内は編者・共著者
- (磯村隆文編)『大阪WAY――2008年海上オリンピックへの挑戦』中央公論社、1997年。
- (川本三郎、森まゆみ)『世紀末盛り場考 にぎわいの新風景』日本経済新聞社、1997年。
- (なにわ物語研究会編)『大阪まち物語』創元社、2001年。
- (永井良和)『南海ホークスがあったころ―野球ファンとパ・リーグの文化史』紀伊国屋書店、2003年。
- (三休橋筋愛好会、中谷ノボル、酒井一光)『大阪のひきだし 都市再生フィールドノート』鹿島出版会、2006年。
- (福田アジオ編)『結衆・結社の日本史』(結社の世界史1)山川出版社、2006年。
- (イベント学会編)『イベント学のすすめ』ぎょうせい、2008年。
編著
- 『心斎橋筋の文化史』心斎橋筋商店街振興組合、1997年。
- 『アジア都市文化学の可能性』清文堂、2003年。
- 『大阪新・長屋暮らしのすすめ』創元社、2004年。
- 『にっぽん電化史』社団法人日本電気協会新聞部、2005年。
共編著
※()カッコ内は共編著者
- (鳴海邦碩)『商都のコスモロジー 大阪の空間文化』TBSブリタニカ、1990年。
- (中谷作次)『博覧会見物』学芸出版社、1990年。
- (斎藤光)『KYOTO恋愛空間』学芸出版社、1994年。
- (角野幸博)『大阪の表現力』パルコ出版、1994年。
- (田中貴子)『ツーリズムの文化研究』京都精華大学創造研究所、2001年。
監修
- 『ディスプレイ100年の旅』乃村工藝社、1994年。
- 『飛田百番 遊郭の残照』創元社、2004年。
- 『大阪力事典』創元社、2004年。
- 『別冊太陽 日本の博覧会 寺下就コレクション』平凡社、2005年。
- 『万国びっくり博覧会』大和書房、2005年。
- 『大大阪モダン建築』青幻舎、2007年。
- 『近代建築画譜 近畿篇』不二出版、2007年。
- 『都市美』不二出版、2007年。
- 『大阪の教科書』創元社、2009年。
脚注・出典
- ^ 2006年9月19日 大阪市長会見要旨
- ^ JANJAN:大阪市長選に出馬の橋爪紳也氏に聞く (2007年9年5日)
- ^ 大阪市長選マニフェストを読む(3・終)橋爪紳也氏 大阪の監督(市長)交代を呼びかけフレッシュさ前面に インターネット新聞JANJAN 2007年10月13日
- ^ 【混沌】(上) 「身の丈」か「大大阪」か 迫る大阪市長選 MSN産経ニュース 2007年10月10日
- ^ もう黙ってられへん!はしづめ紳也マニフェスト(PDFファイル)
- ^ 同上、17頁。
- ^ 大阪市長選公開討論会・政務調査費や職員削減などで議論深める インターネット新聞JANJAN 2007月10月31日
- ^ 平松市長、選挙で争った橋爪氏を外郭団体アドバイザーに asahi.com 2008年9月6日
関連項目
- 研究・社会的活動の対象
- 2007年大阪市長選挙の対立候補
外部リンク
- [1]大阪府立大学観光産業戦略研究所
- [2]ENJIN01「カルチャークラブ」事務局
- [3]大阪市立大学アジア都市文化学専攻の教員紹介ページ
- [4] 社団法人現代風俗研究会
- [5]なにわなんでも大阪検定
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