気候(きこう)は、天気・気温・降水量・風等、その地域を特徴づける自然条件全般のことである。
植生や人間の産業活動に大きな影響を与えるが、逆に植生や人間の活動が気候に影響を与えてもおり、地域と気候は深く関わっている。似た言葉である「気象」より狭い意味で、地上の気象の傾向のことを言う。
気候は、上記のような自然条件を長期間観測したときの平均的な傾向から分析され、分類される。その観測期間は数十年の期間(世界気象機関によって基本的に30年間であると定められている)である。
分類法として、いくつかの気候パターンを植生の特徴・成因などから分類したケッペンの気候区分が広く用いられている(後述)。
気候といえば、必ずといっていいほど陸地の気候を指すことが多い。海洋(海面)にも気候は存在するが、人間が定住しないという点から海洋における気候はほとんど注目されていない。
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気候学の専門用語に気候系という言葉がある。一般に多用される言葉ではないが、気候という概念を捉える上で重要である。
気候は、熱塩循環・炭素循環・温室効果に代表されるような、熱や物質の循環により形作られる。より小さな具体例で言えば、地球における緯度やその地域の周辺の海陸の分布・地形に起因する、大気の流れ(風)・水の蒸発量(湿度)・海流・気温などの要素が気候を形作っている。また、植生の違いや人間を含む生物による活動も気候を形作る要素である。
前述の例にように、大気(大気圏)・海洋(水圏)・陸上(地圏)とそこにまたがって存在する生物(生物圏)が、地球上で一体となって気候を生み出している。これは、各要素の相互関係によってできた、いわばシステム(系)のようなもので、これを気候系と呼んでいる。生物を取り巻く環境を生態系と呼ぶ考え方とよく似ている。
前節で述べたような気候系を作る要素は、言い換えれば気候に大きく影響し、気候を変えることもある要素と考えることができる。
気候系の各要素は、常に変化をしている。しかし、各要素の相互関係によって、お互いの変化が相殺(負のフィードバックという)されたり相乗効果(正のフィードバックという)を生んだりして、大きなスケールで見れば安定してバランスをとっている。
だが、小さなスケール、例えば人類を取り巻く気候はどうであるかという視点から見れば、時間的・空間的にさまざまな変化・変動が起こっている事が見えてくる。近年でのこの典型的な例が地球温暖化である。
ある平均的な気候(平年状態)に比較した、年度ごとの上下のばらつきを気候変動 (climatic variation) と呼び、平年状態が徐々に変化していく場合を気候変化 (climatic change) と呼んで区別する。
また、さまざまな研究により、数千年以上に渡って長期的に見ると、気候には周期的に変化するパターンと突発的に変化するパターンとがあることが分かっている。
周期的な気候変動・気候変化の要因としては、
突発的な気候変動・気候変化の要因としては、
などがあげられる。後二者は、人間の活動が主原因となる人為的なものである。また、オゾン層の破壊・酸性雨などの地球環境問題も、気候変化と関連して考えていく必要がある。
広く使用される気候区分は、数km以上の大規模な地域の気候を区分したものである。一方、一地方や一国、都市の規模で見た区分があり、中気候や小気候と呼ばれる。このほかにも、小地形や建造物などの小規模な地域の気候もあり、微気候と呼ばれる。
その他の分類
日本における気候区分
微気候とは、洞窟やオアシスなど狭い地域の地形、またはビルなどの建造物によって作られる、周囲の「大気候」とは異なる地域である。
洞窟の中は外よりも気温が低く、生物環境なども周囲とは大きく異なる。オアシスには植物が密集しており、乾燥のために植物が無い砂漠と比べて対照的である。同様に、乾燥した地域を流れる川の河畔には植物が生育する。コンクリートで覆われたビルの屋上は、その性質のために温度が高い。しかし、植物を植えるなどして温度を下げることが可能である。また、地下や公園などの気候も周囲と異なる微気候である。ヒートアイランド現象は比較的規模が大きな微気候であり、中気候・小気候に含める場合もある。
エアコンなどの空気調和設備によって、室内に外とは異なる気候環境を作り出すことを空気調和(空調)という。人工的な気候環境の調節には、前述のほかに換気や光量の調節などさまざまなものがある。
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