『神の国』(かみのくに、ラテン語:De Civitate Dei)は、5世紀初頭に書かれたアウグスティヌス後期の主要著作。 世界の創造以来の歴史を地の国とそれに覆われ隠されている神の国の二つの歴史として叙述する。全22巻より成り、前半10巻で地の国を、後半12巻で神の国を論ずる。アウグスティヌスは410年のゴート族によるローマ陥落を機に噴出したキリスト教への非難に、この著作によって応えた。
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『神の国』においては、以下のような聖書を土台とした「神の国」思想がある。特に後者が、アウグスティヌスを啓発した。
マタイによる福音書では「天の御国」と言う表現を見出す。多くの学者は、ユダヤ人たちが、神の名を濫りに使用することを恐れたために、「『神』の国」を「天の御国」と置き換えたのであって、この二つの用語は同義語であって、相互に置き換えることができると考えている。
しかし、「神の国」と「天の御国」とは、重なり合いつつ、少しずつずれている概念として考えるほうが妥当である。
マタイ6:33に「先ず、神の国とその義とを求めなさい」と言う聖句がある。マタイによる福音書であっても、「神の国」と言う表現を使用しているのであれば、置き換えた得るものと言う理解に、単純には立てない。
マタイによる福音書の13章には幾つかの「天の御国」のたとえがある。そのうちの「麦と毒麦」のたとえ、また「地引き網」のたとえでは分離という概念が顕著である。麦と毒麦、良いものと悪いものとは、収穫の時期、また、この世の終わりには取り分けられる。「天の御国」は明らかに混ざり合った状態であるが、それに対して「神の国」は、麦、また、良いもののみによって構成されている。「天の御国」は「神の国」を包含するが、それよりも広い概念である。キリストに贖われた者たちによって構成される真の教会と、真に救われた者と名目上のキリスト者の双方を含む地上の教会との関係に似ている。
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