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経済財政諮問会議

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経済財政諮問会議(けいざいざいせいしもんかいぎ、Council on Economic and Fiscal Policy)とは、日本の内閣府に設置されている「重要政策に関する会議」の一つである。内閣総理大臣の諮問を受けて、経済財政政策に関する重要事項について調査審議する。2001年1月の中央省庁再編とともに設置され、2009年9月、鳩山由紀夫内閣の発足で役割を終えた。設置根拠は内閣府設置法第18条である。規制改革会議とともに「規制改革の両輪」といわれた。

目次

概要

議長と10人以内の議員から成る。議長には内閣総理大臣が充てられ、議員としては内閣官房長官内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)が法によって定められている。それ以外に、「各省大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者」として財務大臣総務大臣経済産業大臣が、また「関係機関(国の行政機関を除く。)の長のうちから、内閣総理大臣が任命する者」として日本銀行総裁が議員となることが慣例化している。また、民間有識者数を議員の4割以上確保することが法により定められている。民間議員としては、これまでは財界から2名、学者から2名が選ばれている。民間議員の任期は2年間で、再任されることができる。

これ以外に、会議には議案を絞って国務大臣を臨時議員として参加させることができ、各省大臣の数多くの出席実績がある。また会議では、必要に応じて審議会その他の関係行政機関の長や有識者に、資料の提出、意見の開陳、説明などさせることができる。これまで政府税制調査会会長や、財政制度等審議会会長、規制改革・民間解放推進会議議長などの出席実績がある。

2009年9月に誕生した鳩山由紀夫内閣が政権の経済政策の中核として国家戦略室を設置したため、機能を停止した[1]

これまでの評価

経済財政諮問会議が設置された当時の第2次森改造内閣では、期間が短かったこともあって目立った成果をあげなかった。しかし、森内閣を引き継いで発足した小泉内閣では自民党内や官庁を抵抗勢力として退け、官邸主導の政治を行う上で重要な役割を果たした。

小泉内閣の下での経済財政諮問会議の成果としては、予算編成過程の改革、金融システム改革、郵政民営化、三位一体の改革、政策金融改革、規制改革、税制改革、経済成長戦略、歳出・歳入一体改革などが挙げられる。

一方で民間メンバーの内2人は大企業の経営者ら(トヨタ自動車会長と新日本製鉄会長)であり、日本経団連を筆頭とした経済界に有利な改革が提言されているのではないかという批判がある。

2007年10月には、「医療・介護給付の水準を維持するためには2025年度に約14兆~31兆円分の増税が必要となり、消費税でまかなうなら11~17%まで税率を引き上げる必要がある」との試算を公表した。これに伴い、政府自民党内部で今後消費税増税の議論が本格的に進められる見込みが高まりつつある[2]

第21回参議院議員通常選挙のマニフェストで同会議の見直しを掲げていた国民新党は2008年1月、“格差拡大を助長しているのみ。小泉純一郎内閣の遺物”として、民主党や社民党などと共に、同会議の廃止法案を提出する事を決めた。

2008年1月17日午前7時のNHKニュースでは、民間議員は自律型の経済構造を確立するため、諮問会議に専門調査会を設置してマクロ経済面のリスクなどについて半年程度で集中的に議論を行うことを提案し、「21世紀版前川リポート」を提言すると提案した。

2009年1月、公私混同した規制緩和や行きすぎた市場原理主義をもたらした惨状が存在することを、こうした結果責任をとって解散すべきであると、自民党の尾辻秀久が参議院の代表質問で主張した[3]

予算編成改革

経済財政諮問会議は、それまでの官庁や官僚主導による政策運営を官邸主導、政治主導による政策運営に転換する働きをしてきた。象徴的なものとして、予算編成過程を挙げることができるだろう。経済財政諮問会議ができるまでの予算編成は、大蔵省(現:財務省)(特に主計局)が実権を握っていた。

時期 事項 形式
6月 予算編成の基本的考え方について 財政制度審議会財政制度分科会建議
6~7月 経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太の方針 閣議決定
7月 予算の全体像 諮問会議とりまとめ
7月下旬 概算要求基準 閣議了解
8月末 概算要求  
11月下旬 予算編成の基本方針 閣議決定
12月下旬 財務省原案 閣議提出
  予算政府案 閣議決定
1月下旬 政府案国会提出  
1~3月 国会審議  

かつては、概算要求基準の閣議了解以前に閣議や政府で予算編成の方向性について議論されることはなく、概算要求締め切り後に大蔵省(現:財務省)原案が提出されるまで予算編成の基本方針が策定されるということも無かった。

予算の作成には当然次年度の税収や経費の増減額を算出するための経済成長率や物価上昇率などが必要である。しかし、かつては12月下旬に予算政府案と同時に「経済見通しと経済運営の基本的態度」(政府経済見通し)が閣議了解され、予算案の国会提出と同時期に政府支出(公的固定資本形成と政府消費支出)を含むものが閣議決定されるという手続きを踏んでいたのみであった。経済財政諮問会議が予算編成に関与するようになってから、7月に当年度の「経済動向試算」(内閣府試算)によって当該年度のGDPなどの見直しが行われるようになった。これを前提に民間議員が次年度のマクロ経済の想定を経済財政諮問会議に提出するという形で、予算編成の前提となる経済成長率などの数字を決定するようになった。

構成員

  1. 内閣総理大臣が外遊その他で参席できないときは、内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)が議長代理を務める。
  2. ただし、内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)が置かれていないときは内閣官房長官が議長代理を務める。

解散当時の構成員

歴代構成員

内閣 総理大臣
議長
内閣
官房長官
経済財政
担当大臣
総務大臣 財務大臣 経済産業
大臣
日本銀行
総裁
民間有識者(民間議員) 期間
財界 学者
第2次森内閣 森喜朗 福田康夫 額賀福志郎 片山虎之助 宮澤喜一 平沼赳夫 速水優 牛尾治朗 奥田碩 本間正明 吉川洋 2001年1月6日 - 2001年1月23日 1
麻生太郎 2001年1月23日 - 2001年4月26日
第1次小泉内閣 小泉純一郎 竹中平蔵 塩川正十郎 2001年4月26日 - 2002年3月25日 2
福井俊彦 2002年3月25日 - 2003年9月22日
麻生太郎 谷垣禎一 中川昭一 2003年9月22日 - 2003年11月19日 3
第2次小泉内閣 2003年11月19日 - 2004年5月7日 4
細田博之 2004年5月7日 - 2005年9月21日
第3次小泉内閣 2005年9月21日 - 2005年10月31日  
安倍晋三 与謝野馨 竹中平蔵 二階俊博 2005年10月31日 - 2006年9月26日 5
安倍内閣 安倍晋三 塩崎恭久 大田弘子 菅義偉 尾身幸次 甘利明 御手洗冨士夫 丹羽宇一郎 伊藤隆敏 八代尚宏 2006年9月26日 - 2007年8月27日  
与謝野馨 増田寛也 額賀福志郎 2007年8月27日 - 2007年9月25日 6
福田康夫内閣 福田康夫 町村信孝 2007年9月26日 - 2008年3月19日 7
2008年3月20日 - 2008年3月31日 8
白川方明 2008年4月1日 - 2008年4月9日
2008年4月9日 - 2008年4月15日
白川方明 2008年4月15日 - 2008年8月2日
与謝野馨 伊吹文明 二階俊博 2008年8月2日 - 2008年9月24日 9
麻生内閣 麻生太郎 河村建夫 鳩山邦夫 中川昭一 張富士夫 三村明夫 吉川洋 岩田一政 2008年9月24日 - 2009年2月17日  
与謝野馨 2009年2月17日 - 2009年6月12日 10
佐藤勉 2009年6月12日 - 2009年7月2日 11
林芳正 2009年7月2日 - 2009年9月16日 12

※上記表中の「備考」欄詳細:

  1. 麻生の就任は、額賀のKSD事件に絡む大臣引責辞任に伴うもの。詳細は額賀の項を参照。
  2. 福井の就任は、任期(5年)満了による速水の辞任に伴うもの。
  3. 第1次小泉内閣第2次改造内閣の発足に伴う就任。
  4. 細田の就任は、福田の年金保険料未納の発覚による官房長官辞任に伴うもの。詳細は福田の項を参照。
  5. 第3次小泉改造内閣の発足に伴う就任。
  6. 安倍改造内閣の発足に伴う就任。
  7. 福井の日銀総裁退任は、任期満了によるもの。
  8. 日銀総裁人事案の国会不同意に伴う総裁不在(空席)と、白川の副総裁就任→総裁就任の一連の経緯に伴うもの。詳細は白川の項を参照。
  9. 福田康夫内閣改造内閣の発足に伴う就任。
  10. 中川の辞任に伴うもの。与謝野が大臣兼任したため10人体制に。
  11. 鳩山の辞任に伴うもの。
  12. 林の就任に伴うもの。与謝野が兼任から外れたため、再び11人体制に。

経済財政諮問会議が主導する具体的政策

航空自由化
国土交通省に対し、アジア・ゲートウェイ構想における航空自由化(アジア・オープンスカイ)の具体化を担保するための工程表(航空自由化工程表)の提出を求めており、2007年11月26日開催の平成19年第28回経済財政諮問会議に最初の工程表が提出された[4]。さらに、2008年5月20日開催の平成20年第12回経済財政諮問会議では、民間議員からの意見[5]に応じ、国土交通省から、羽田空港の再拡張事業完了後、同空港の早朝深夜帯で欧米も含めた国際線に3万回の枠を配分し、6時台・22時台の国際線発着も認めることが表明された[6]

脚注

関連項目

参考書籍

外部リンク

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