超能力(ちょうのうりょく)とは、通常の人間にはできないことを実現できる特殊な能力[1][2]を指すための名称。今日の科学では合理的に説明できない超自然な能力[3]を指すための名称。
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このような能力についての言及は古代より存在していたが、現在のように「超能力」と呼ばれていたわけではなく、インドでヨーガの領域では「シッディ」と呼ばれ、仏教では「神通力」と呼ばれていた[4]。道教では「六神通」という名称も使われていた。(→「超能力」と呼ばれる以前の言及)
1900年代前半に創生された超心理学においては、超能力をESP(Extra-sensory perception、通常の感覚器による知覚を超えた知覚) とサイコキネシス(念力)に大別している[5]。また、ESPとサイコキネシスを合わせて、サイという名称も使われている。[6]
現代では、例えば「手を触れずに物を動かす」、「人の心を読み取る」などの能力を指すための名称として用いられている。そして、そのタイプに応じて様々な名称が与えられている。(→超能力の種類)
人間のそれではなく、動物の特殊な能力については「アンプサイ」と呼ばれている[7]。[8]
超能力を持つとされる人は一般に「超能力者」と呼ばれている。(→超能力者)
超能力の存在に対し、系統だった実験的研究が1世紀以上に渡って続けられているにも関わらず、依然として超能力の存在には異論が存在する。[9] 超心理学者の中には「ESPの証拠は既に得られている」とする者もいる。だが、超心理学者の研究を徹底的に調べ上げた心理学者(レイ・ハイマンやブラックモア)は、その研究は嘘や誤りに満ちていたと結論づけている。[10](→超能力への懐疑論)
超能力を持っていないのにもかかわらずそれを持っているなどとして人から巧みに金品を詐取する者もおり、事件化することもある。(→超能力をめぐる事件)
SFなどにおいては、超能力は人気の高いモチーフ・題材であり、単なる物語の小道具から人間や宇宙のあり方を見つめる哲学的主題にまで、広く用いられている。(→フィクションとしての超能力)
現在「超能力」と呼ばれるような能力についての言及は古代よりあるが、現在のように「超能力」と呼ばれていたわけではなく、そういった能力は、インドでヨーガの領域では「シッディ」と呼ばれ、仏教では「神通力」と呼ばれていた[11]
中国の道教では、唐代から内丹術が重視されるようになり[12]、その修行のプロセスの第三段階の「煉気化神(れんきかしん)」の大周天の後半では、「六神通(ろくじんつう)」という六つの超能力が現れるようになる[13]、と説明された。六神通とは心境通(しんきょうつう、自分の臓器が見えたり、頭脳が冴え渡る状態)、神境通(しんきょうつう。未来を予知したり、壁の向こう側のものを見る能力)、天眼通(てんげんつう。地球上の山河が手の紋でも見るように見える能力)、天耳通(てんじつう。あらゆる方角の音が聞こえ、生前のことまで目前のことのように感じられる能力)、宿命通(しゅくめいつう。人の宿命を知ることができる能力)、他心通(たしんつう。他人の心を知ることができる能力)である。[14]
ビルマにおいては「ウェイザー」と呼ばれる人がおり、それは錬金術や呪薬などの術(ローキー・ピンニャー)や仏教的修行によって超能力を獲得した存在であると信じられている。[15]
1900年代前半に創生された超心理学においては、超能力をESP(Extra-sensory perception、通常の感覚器による知覚を超えた知覚) とサイコキネシス(念力、PK)に大別している[16]
ただし、「テレパシー」は情報送り手がPKによって受け手の脳内に情報を形成している可能性があるとの考えから、また「予知」とされることも予知した人物がPKによって事象を引き起こしている可能性があるとの考えから、ESPとPKをまとめてPSI(サイ)と呼ぶことが提案され、このPSIが超心理学の中心的研究対象となっている[17]、という。
超心理学の近年の研究者では、PKを「マクロPK」(巨視的なもの)と「マイクロPK」(微視的なもの)に分類する人もいる。ただし現時点では明確な区分の基準が規定されているものではない。
超能力を持つ人を超能力者と呼ぶ。
英語で超能力者全般を意味する言葉は psi (ψ、サイ) または psionics であるが、現在日本では「サイ」ではなく、下記「エスパー」が超能力者全般を意味する言葉として使用されることも多い。サイキッカー(psychicer)という呼称もあるが、これは和製英語である(そもそもpsychicという単語自体に「超能力者」という意味がある)。
エスパーの語源は英語の Extra Sensory Perception(訳せば「超感覚的知覚」)を略したESPに接尾辞"-er"をつけたESPerであり、これはクレヤボヤンス(透視、千里眼とも)、テレパシー、プレコグニション(予知)の3つを併せて言う言葉である。知覚能力を意味し、なんらかの物体に働きかける能力のことは本来指さない。スキャナーともいわれる[18]。
アメリカ人の4人にひとりほどは、テレパシーらしきものを経験したことがあると信じていると言われ、また、アメリカ人の半数近くは、超能力や心霊による癒しがあると信じていると言われた(1996年時点[19])。
アメリカ合衆国の大学教授 千百名の、ESPに対する見解について、調査が行なわれたことがある(1979年)。それによると、心理学者については、「ESPは確立した事実だ」あるいは「ESPは存在する可能性がありそうだ」と考えている者が34%であった。心理学者以外の大学教授では、「ESPは不可能だ」と言った者はわずか2%であった[20]という。
アメリカ合衆国の数学者 マーティン・ガードナー は『奇妙な論理〈1〉—だまされやすさの研究』や『奇妙な論理〈2〉なぜニセ科学に惹かれるのか』などの書籍において、超能力の存在に関して懐疑的な見解を示した。
米国で哲学講師をしているロバート・キャロルは、自著において「超能力への懐疑論者はESPの証拠のほとんどを却下しており、研究がうまくいったように見える場合も、以下のうちひとつないし複数の要素による可能性が非常に高いとしている」[21]と述べた。
また、ロバート・キャロルは「超心理学者は条件制御下でESPの存在を確かめようとしてきた。その中には、チャールズ・タートやレイモンド・ムーディのように成功したという者もいる。他方、スーザン・J・ブラックモアのように、ESPの実験的証拠を見つけようと何年もがんばったのに、サイ能力を文句なしに実現できるという証拠を見つけられなかった」[22]とした。
ハリー・フーディニは、母親の死をきっかけに死者との交信に興味を抱いたが、出会った霊媒のやっていることがトリックで可能だと見抜き、それ以後は霊媒たちのトリックを暴く活動を熱心に行なうようになった[23]。
イギリスのセルピットは1917年のサンデー・エクスプレス紙の懸賞に応じるかたちで、さまざまな心霊現象を奇術で再現した[24]。 イギリスのマスケリンは、スレイドによる石板書記やフランシス・モンクによる物質化現象を再現した[25]。 フランスのマジシャン、ロベール・ウーダンは1856年にフランス政府の依頼を受け、ミッションとしてアルジェリアに渡り、現地で対仏反乱をあおりたてていたイスラム僧らが行なう奇跡を奇術で再現してみせた[26]。(だがこのウーダンは、他方で肯定もしている[27]。後述)
カナダはトロント出身のマジシャンのジェームズ・ランディは、超能力は存在しないと見なしており、プロジェクト・アルファを企画・実行した。1970年代にイギリスやアメリカ、日本で盛んに活動をしたユリ・ゲラーとも対決をした。ゲラーはジェームス・ランディが見ている前では超能力を発揮することはできなかった、という。また、「100万ドル超能力チャレンジ」という企画を主催しており、これは「科学的に実証できる超能力を持つ者に、100万ドルを進呈する」という趣旨で、世界中の超能力者達からの挑戦を募っている。
1847年、ロベール・ウーダンはディディエの透視能力が本物だと述べた[28]。
カナダの奇術師ダグ・ヘニングは超越瞑想を信じているという。フレッド・カブスはバベル・ステパネクの超能力は奇術では再現できないと認めた[29]という。ハリー・ケラーはイグリントンと一緒に空中浮揚しその能力を本物と信じた、とされている[30]。
超心理学者の態度は概観すると、超常現象が実在すると頑固に信じている人と、実在を頭から一切否定する人に、真っ二つに分かれている[31]とマイケル・フリードランダーは述べている。
この両者の中間地帯に、比較的人数が少ない、第三のグループが存在していて、超常現象に関する主張を検討するにはやぶさかでないという姿勢で実験に勤しんでいる[32]という。
この第三のグループも、さらに二派に分かれているように見える[33]とフリードランダーは言っており、片方の派は、非常に懐疑的であるものの、厳密で科学的な対照標準を持ち込んで実験や研究[34]を行っている。この人たちは、今でも中立的な姿勢を守っており結論を出していないが、(超常現象の実在の立証に関して)成果と呼べるようなものは今日まで提出していない[35]という もうひとつの派は、上記の派とは鏡像のような関係にあり、現代科学のテクニックを大いに活用しているものの、超常現象を共感をもって受け入れたがっていて、実験の対象に(上記の派に比べて)より思いやりがあり、また自身の過ちにも寛容であるように見える[36]、という。
山本弘の『超能力番組を10倍楽しむ本』は、テレビ業界が視聴率や利益を優先するあまりインチキな番組を作りあげてしまうしくみについて分析し、メディアリテラシーを説く本であるが、この本の中に父親が子供に語る設定で次のようなセリフがある。
父親「大切なのは批判的な眼でテレビを見るということだね。 (...中略)
こういう態度を懐疑主義(スケプティシズム)というんだ。気をつけなくてはいけないのは、スケプティシズムは否定論とは違うってことだ。『超能力はみんなウソだ!』とか『あんなのはインチキに決まっている!』などと頭ごなしに否定するのは正しい態度ではない。本当かウソかは、調べてみるまではわからない」
(... ) 「テレビで超能力者のパフォーマンスを見て、それがトリックかどうか判断できなかったら、とりあえず『ふしぎだなぁ』とだけ思っておけばいいんだよ。急いで結論を出す必要なんかどこにもないだろう? 「今はまだわからない」というだけのことで、データがもっと集まれば真実が見えてくるかもしれないのだから」[37]
自然科学者で科学啓蒙家のカール・セーガンは次のように述べた。
われわれがやるべきことは (中略) 結論にとびつきたくなる気持ちをグッとこらえ、宙ぶらりんの状態にもじっと耐えて、証明あるいは反証の証拠が出るのを待つことである。自分でも証拠探しをすればさらにいいだろう。[38]
超能力を持っていないのにもかかわらずそれを持っているなどとして人から巧みに金品を詐取する者もおり、事件化することもある。
一般傾向として現代から未来を舞台とする事が多く、過去を舞台とした歴史物は少ない。
魔法や魔術は科学的な説明の難しい不思議な力とされることが多く、一般にファンタジー作品で登場する。また、その能力者は先天的な才能が不可欠である事が多く、
テレパシー、透視・予知能力、テレポーテーション、念動力など、細分化された能力と長所・欠点は『キャラクター性』の表現となった。それぞれ異なる超能力の持ち主(専門家)がチームを組む形式は、アメリカン・コミックスにおいては定番表現である。(『X-MEN』『ファンタスティックフォー』シリーズ等)
「那由他」では「輪(ジャルン)」と呼ばれる被る事で超能力を得る頭飾りが登場した。これには先天的素質は無関係に能力が得られるという特徴があった(ただし能力差は潜在的能力差によって差が付く事が多い)。このように装着する事により超能力を得られるアイテムが登場する作品も多い。(『スパイダーマン』シリーズ等)
また先天性、修行の成果、アイテムによる付加など、複数の要因を同時に採用しバリエーションを持たせる作品もある。
SFにおいては『ミュータント』『新人類』として、超能力者が位置づけられることがある。その場合、超能力を持たない『旧人類』から弾圧され、対立して戦う、あるいは決別して新天地を目指すなどの行動をたどることとなる。(『ガンダムシリーズ』等)
スティーヴン・キングやディーン・R・クーンツは、現代の恐怖と結びつけた新しい超能力者像を描いた。これら人体を発火させたり破壊する映像は、しばしばスプラッター映画と結びついた。 超能力者たちはしばしば『常人と違う故に、畏れられ差別される』対象となり、それが作品テーマとなることが多い。そこにおいては超能力者は善悪にかかわらず、その正体を隠さねばならないマイノリティである事が多い。(『ファイアスターター』等)
これを逆手にとり作品中では超能力が一般的で、主人公だけが使えないという作品もある。(『とある魔術の禁書目録』等)
少年漫画などでは戦闘を描く事が多いが、出てくる敵がインフレ的に強くなっていってしまう(『ドラゴンボール』等)。この状態を避けるため、勝敗が単なる破壊力だけでは定まらず、能力の使い方に左右される「超能力バトル」が表現として採用されることも多い。(『ジョジョの奇妙な冒険』等)。 大友克洋は『童夢』や『AKIRA』において『見えない力で破壊される壁や建物』『球体に歪む空間』等の表現法を打ち出し、後の漫画や映像作品に大きな影響を与えている。
また、大友の表現は歪む背景のような描写だったが、荒木飛呂彦はさらにビジュアル化を進め、超能力であるスタンドを外見と能力両面の個性(一部は自我)を持った、登場人物に準ずる存在として描写した。
ここでは、超能力を中心的なモチーフとするものを挙げる。
通常の感覚群を超えた感知能力が人間の身体能力として得られるならば、それは「超能力」とでも呼ぶべきもの、であるので、Augmented Reality(AR)「拡張現実感」は、超能力の工学的な実装と捉えることができる[42]、と述べる人もいる。「拡張現実感」では、主としてセンサによって実世界から人工的に生成された情報が実世界に重畳され、既存の通常の感覚器を介して提示される。人間は、その人工的センサの能力を身体的に獲得することになる。
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