野比 のび助(のび のびすけ)は、藤子・F・不二雄の漫画作品「ドラえもん」に登場する架空の人物。主人公野比のび太の父で、のび太の息子ノビスケの祖父。
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趣味はもっぱら酒を飲むこと[1]。下手の横好きだがゴルフや釣りも嗜む。もっともゴルフに関しては腕そのものより、雨に降られやすい(いわゆる「雨男」)ことのほうが悩み[2]。ドラえもんの道具「雨男晴れ男メーター」での計測結果によると、マイナス8.5という数値(メーターの最大値はマイナス10)を記録したほど(34巻『雨男はつらいよ』)。運動神経は鈍く、現実的にはあまり関係ないが運転免許の技能試験に何度も落ちていて未だに取れず、指導員から「あんたみたいなへたくそは運転しないほうがいい」とまで言われたらしい。本人曰く、「僕は本当は運転がうまいんだ。先生が横でうるさいから悪いんだ」とのこと[3]。しかし「確かにぼくはへたくそだ。へたくそだから習いに行くんじゃないか!」と悔しがる場面もある。全力疾走で病院に向かう描写があり、いざというときに爆発する潜在能力は、のび太同様に目を見張るものがある(また同話で玉子に「あなたに似たら、運動ならなんでもこいのスポーツマン。」と言われていたことから、当初は運動神経が良いという設定だった)[4]。上記の運転免許のエピソードではコース上ではかなりの高速でも上手く運転していたが、のび太たちの制止を聞かずに家の敷地外に出てすぐ ”ダンプと衝突する”という事故を起こした。ちなみに未来ののび太は車を運転しており、技術的にはのび太よりも下であると考えられる。またのび太が生まれた時の全力疾走の最後には、生まれたばかりの赤ん坊と玉子を取り違えて笑われるというそそっかしい面が見られる。(下記の馴れ初めの所からも、粗忽な部分がある事が伺える)
不器用で、日曜大工仕事も苦手[5]。癖は貧乏揺すり[6]。頻繁に喫煙しており、煙草の銘柄は「チェリー」[7]を中心に、両切りの「ピース」[8]、「セブンスター」[9]など、いずれも濃いめのタバコを吸っている(但し、現在の感覚では濃い部類だが、連載当時は一般的な銘柄である)。アニメでは、「マイルドセブン」を吸うシーンもある[10]。今までに少なくとも32回の禁煙失敗歴を持ち、妻の玉子に「完全にニコチン中毒ね」と言われている[11]。
競馬、麻雀、パチンコといったギャンブルに興じる場面はない。ただし、原作の「ペコペコバッタ」では会社の帰りに麻雀をしていたことを玉子に謝罪している。アニメ版ではのび助が財布を無くした時「煙草も吸えない、おでんも食べられない、それからパチンコも出来ない。ああ、生きていく楽しみが何にも無い」と嘆く場面はある[12]。近いものとして、一時期は宝くじに熱中したり[13]、知人達と共に麻雀をしたこともあった[14]。しかし、5万円分はずれくじを買い続け、玉子にもう買うなと言われてしまう。しかしこの直前に、一等600万円の当たりくじを買うという強運も持ち合わせている(当選事実に喜び合うのび太、ドラえもん、玉子だったが、当ののび助は玉子との約束を思い出して、当たりくじを友人に売ってしまっていた)。その後玉子は宝くじを買うのを許したらしく、9巻『ごきげんメーター』で10万円、36巻『サカユメンでいい夢みよう』では100万円を当てている。
プロ野球・読売ジャイアンツファンである。巨人が負けていれば機嫌が悪くなり、勝てばのび太とドラえもんにお金をあげていた。
戦時中だった子供の頃(原作では1945年6月10日)、疎開先である少女(実は女装したのび太)に一目ぼれする[15]。連載当初は終戦後24年目であり、のび太の親世代は皆戦争経験者であったことからタイムマシンを使った戦時下エピソードも数本が描かれた[16]。しかし連載が長期化するにおよんで時代的に無理があると感じたためか、次第に描かれなくなっていった[17]。
妻である玉子とは違い、のび太には結構甘い(生まれたてののび太の事を「ウヒョー! 玉のようなかわいい男の子!」とデレデレした表情で見ていたりも)。まれに単独でのび太を叱ることもあるが、その場合もじっくりと諭すように説教している[18]。ただ、急に極端に厳しくなるのも事実である[19]。
学生の頃は画家になるのが夢で、その腕も確か。小学生時代には全国図画コンクールで金賞を受賞した経歴があり[20]、中学生時代には売れない画家・柿原(後に大画家となる)に師事していた[21]。
父の反対で美術学校への進学をあきらめかけたところを、とある富豪家がパトロンとなり、海外留学の費用を出す(更に娘を嫁にやる)と申し出ていたが、他者の財力で夢を叶えることに疑問を抱き、自分の力で自分の人生を切り開くことを決意し、申し出を断った[22]。実際には夢を叶えることはできなかったが、これが玉子との出会いのきっかけになる(後述の妻・玉子との馴れ初めを参照)。このとき、富豪家の金満は第二、第三の候補者も決めており、その候補者が後に、世界を股に掛ける大画家になったことからも、金満の審美眼は確かであり、そのお眼鏡に適ったのび助の画才はかなりのものであったと推察できよう。
一方、現在でも絵を描く姿が見られるが、玉子が「珍しい」と言っていることから、それほど頻繁には描いていないのであろう。また、描いた絵についてのび太に自由な感想を述べさせたところ、その答え(何と言ったかは不明)に怒り、のび太をひっぱたいたこともある[23]。赤ん坊ののび太に対する親子の感想の違い(親バカも入っているのだろうがのび助は上記のように顔まで崩れたが、のび太は「クシャクシャでまるでサルみたい」と言った)などからすると、美的感覚はあまり近くないのかも知れない。
妻は野比玉子。「ママ」または「きみ」と呼ぶ。玉子と交際していたころである結婚する前は「玉子さん」と呼んでいた。
ドラえもんのことも家族の一人だと考えており、ママに「うちは3人家族だったわよね?」と聞かれた時も「うちは4人家族じゃないか」と発言している[24]。
兄弟は、一説によると4男1女[25]だが、のび太が過去に行ってもなぜかいつものび助しか登場しない(タイムマシンで過去の野比家へ行ってもそこには子供がのび助しかいない。ただし、34巻『一晩でカキの実がなった』にのみ過去の世界に弟(のび三郎)がいる。他に存在が確認されている兄弟は、のび助から小遣いをせびった妹[26]、現代人の生き方を教える弟[27]、売れない映画俳優をしているムナシ[28]など弟妹のみ)。
前述の画家への道の援助者の申し出を断った直後、道端を偶然歩いていた片岡玉子と衝突。これが玉子との出会いである。不注意を謝った後にすぐ別れたものの、玉子が落としていった定期券をのび助が拾って追いかけていったことが、交際のきっかけとなる(43巻『のび太が消えちゃう?』[22]。ちなみに大山版アニメでは、のび助の服の染みを、玉子が自分の持っていたジュースをこぼしたと勘違いしてハンカチで拭き取るエピソードが付加されており、のび助が玉子の優しさに惹かれる描写が成されている)。
正式なプロポーズは1959年11月3日の公園(アニメ版[29]によると日比谷公園)にて行われた[30]。当時ののび助と玉子は、些細な誤解から別れる寸前におちいる。ここでドラえもんが出した道具「ヒトマネロボット」が前後して2人に変身して相手にプロポーズ。結果、2人は仲直りする。しかし、これによって野比夫妻はどちらも「自分は求婚を受けた側」と認識してしまい、「12回目の結婚記念日」(すなわち1971年)でも当事者同士で「最初に求婚したのはどちらか」で意見が食い違い、のび太の目の前で一時、夫婦喧嘩となっている。道具「うそ発見器」による判定では「どちらも本当」とされ、ドラえもんとのび太がタイムマシンで1959年当時を訪れたのは「真相を確認するため」だった。
結婚した頃に夫婦で「一週間に一度はのび助が夕食を作る」と言う約束をしていた。
何度か弟が登場し、のび太にとって叔父であるが各話でキャラクターが違い、ほとんど一度の登場だけだった弟も含めて2人か3人いる。 初期設定では妹もいて「プロポーズ作戦」に登場し、テレビ朝日の初期アニメ版でも同じで、のび太にとって叔母になるが、作中のどの「おばさん」かはっきりしておらず、声優交代直前のリメイク版「13年目のプロポーズ」では、親類ではなく、その場に居合わせた少女の一人がのび助に写真撮影を頼む設定になった。また、声優交代後の再リメイク版「のび太のプロポーズ作戦」(2009年5月22日)でも公園でぶつかった見ず知らずの女の子になっている。 ドラえもんに関するある謎本は、「存在しない謎の『妹』に金を渡すのび助」と特集し、「プロポーズ作戦」中では明確に「のび助の妹」という記述がないことから、「にいさん」と呼ばれるような関係の女性の可能性があるという説を提示している。ただし、この妹は北海道ののび太の叔母である可能性があり、原作でも何度か登場している。
アニメ第2作1期「タイムマシンでお正月」(1980年1月1日放送、ビデオソフト未収録)に履歴書が登場した[34]ので、参考としてここに転載する。なお、この履歴書はのび助が書き初めとして書いたもので、内容が正確でない可能性がある(たとえば、履歴書の記述では世田谷区野毛から中練馬区へ転居したと読み取れるが、実際、野比家の位置はのび助が幼少のころから変わっていない)。