鉄道橋(てつどうきょう)は、鉄道を渡すための橋梁である。
概要
もっぱら鉄道を渡すための橋梁を鉄道橋と呼ぶ。似た言葉に「鉄橋」があるが、鉄道橋を指す場合と、鉄でできた橋(鋼橋)を指す場合がある。最近の鉄道橋はコンクリート橋が多いため、鉄道橋の意味で鉄橋はあまり用いられない。
鉄道橋に求められる性能
道路橋と対比して、鉄道橋には以下の性能が求められる。
- 高い断面性能
- 鉄道は道路交通に比べ、活荷重すなわち列車荷重が大きい。したがって、道路橋に比して、桁高を大きくしたり、部材厚を厚くする必要がある。
- 低い構造高
- 橋梁構造においては、橋梁下空間の確保が求められる。河川を渡る場合は計画高水位、道路や鉄道路線を渡る場合にはその建築限界を確保した上で、その上面に橋梁構造物を設けなければならない。一方で、鉄道は勾配の制限が厳しいため、急激な標高の変化には適していない。そこで、橋梁下面と線路の高さの差、すなわち構造高をできる限り低く抑える構造が望まれる。鉄道橋に下路形式が多いのは、構造高を低く抑えられるためである。
- 高い剛性
- 鉄道は路面の高さ狂いに対しての制限が厳しいため、列車荷重による「たわみ」量が厳しく制限されている。
鉄道橋の分類
用途別
鉄道橋はその用途により、呼び名が異なる。以下はJRなどで一般的に用いられている呼称である。
- 橋りょう B
- 河川や海を渡る橋である。「梁」は常用漢字ではないため、正式文書では「りょう」とひらがなで書かれる。略称のBはBridgeの略。
- 高架橋 Bl
- 何を渡るわけでもないが、鉄道を地平より高くしておく必要のあるときに用いられる橋。高架式の鉄道は大半が高架橋となる。
- 架道橋 Bv
- 鉄道が道路を渡る橋である。高架式の鉄道でよく見られるほか、地平を走る鉄道でも道路が線路の下を通っている場合は、架道橋と呼ばれる。逆に道路が鉄道を渡る橋は跨線橋(Bo)であるが、これは道路橋の範疇である。
- 線路橋 Bi
- 鉄道が鉄道を渡る橋である。路線が分岐する駅などで立体交差にした場合に見られる。
無道床と有道床
道路橋では主桁の上に床版(スラブ)を設け、路面を確保することが原則であるが、鉄道橋の場合は線路、すなわち2本のレールがあればよい。そこで、枕木を主桁に直結し、床版や道床(バラストや軌道スラブ等)を設けない橋梁があり、これを無道床橋梁と呼ぶ。無道床橋梁は、道床や床版がないことから軽量化することができるため、鈑桁(プレートガーダー)やトラスなどの鋼桁に多く用いられてきた。
一方、欠点としては、レールからの振動がまくら木を介して直接鋼桁に伝わるため、騒音や振動が大きいことが挙げられる。また、道床がない枕木のみではレールを強固に支持できないことから、橋長の短いものを除き、ロングレールを使用することができない。近年はこのようなことから、無道床橋梁の採用事例が少なくなっている。
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