雇用(こよう。本来の表記は「雇傭」。「雇用」は代用表記)とは、仕事をさせるために有償で人を雇うことをいう。民法第623条では、雇用は当事者の一方が相手方に対して労務に服することを約して、相手方がその労務に対して報酬を支払うことを約することによって効力を生ずる典型契約の一種として規定されている。雇用契約の法的性質は諾成・有償・双務契約である。なお、人を雇用したものを雇用主(こようぬし)、雇用されたものを被雇用者(ひこようしゃ)・被用者(ひようしゃ)・雇(い)人(やといにん)ともいう。
なお、国家公務員・地方公務員や使用者が同居の親族のみを使用する場合を除いて、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことを内容とする契約には2008年に施行された労働契約法が適用されることになる(労働契約法第19条)。詳しくは「労働契約」の項目を参照。
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雇用契約は請負契約や委任契約などと同様に他人の役務の利用を目的とする労務供給契約の一種である。雇用は労務に服する事自体がその内容であり、請負では仕事の完成が目的となっている点が異なる。また、雇用では使用者に従属した形で労働が行われるが、請負では独立して行われる。一方、委任は請負同様独立性をもって遂行される点が異なるが、仕事の完成を目的とするわけではない点は雇用と類似する。
民法での雇用は、雇い主と労働者とが対等の地位にあるとの前提のもとに、それぞれ自己の自由意志によって締結される契約である。これは日本の民法がブルジョワ市民革命としてのフランス革命の精神に則って編纂されたフランス民法典(ナポレオン法典)の影響を大きく受けた市民社会モデルを想定しているためである。
しかし現代社会においては労使関係が対等である事は稀である。そのため、社会保障の観点から労働基準法などの各種労働法規による修正が加えられている。雇用契約の終了を巡る問題がその最たる例である。期間の定めの無い雇用契約は労働慣習では「正社員」と呼び、一般にも良く見られるが、民法の原則から言えば当事者がいつでも解約を申し入れることができ、特別な期日を指定しない限り、その申し入れから2週間で雇用契約は終了する(民法)。しかし労働基準法などの労働法規によって使用者からの労働者に対する雇用契約を解約する申し入れ(つまり、解雇)は制限を受けている。詳しくは解雇の項を参照。民法の雇用条項は労働法の整備された現在、ほとんど適用される場面はない、といわれることもあるが、雇用契約での主要なルールの内、労働法には規定はなく、民法雇用条項にのみ規定があるものも存在するため(労働者からの辞職のルールを定めた第627条等)、この見解は誤りである。
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