TRONプロジェクト(トロンプロジェクト、論プロジェクト)は、近未来の高度にコンピューター化された社会において協調動作する分散コンピューティング環境の実現を目指する目的で、1984年に東京大学の坂村健によって提唱された、コンピュータ・アーキテクチャを再構築するプロジェクトである。
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TRONプロジェクトは財団法人トロン協会によって運営されており、コンピュータソフトに関連する日本の電機メーカーのほとんどが参加している[1]。トロン協会会員企業による検討の結果策定されたオペレーティングシステム(OS)等の仕様は一般に無料で公開されており、著作権はトロン協会に帰属するが、その実装・商品化は誰でも自由に行うことができる。
「TRON」は、「The Real-time Operating system Nucleus」の略。TRONプロジェクトがリアルタイム性を重視したOSを採用していることによる。TRONプロジェクト発足当時の坂村の未来予想図については著書『電脳都市』に詳しいが、本書にて、ディズニーの映画「トロン」に大きなインスピレーションを受けた(がネーミング的には無関係である)と記している。
現在社会では、日常生活のあらゆる部分にコンピュータが入り込み、何らかの形で人間と関わりを持っている。これらのコンピュータをそれぞれの機器別にバラバラに扱うのではなく、ある程度標準的な仕様を設けてうまく連携させようというのがTRONの理念である。身近な所では携帯電話や自動券売機、自動車の燃料噴射システムなどにITRONが搭載されており、現在、組込型コンピューターの基本ソフトとしては、世界最大の市場占有率を保持している。
TRONプロジェクトは互いに連携するサブプロジェクトによって構成されている。
「TRON」は漢字で「論」と表記する。無論これは当て字だが、「」は「斗」の異字で「柄杓」や「十升」の字義がある。TRONコードを除くほとんどの文字セットには収録されていないこの文字をTRONプロジェクト全体のシンボルとして位置付けている。中央の「十」の部分がTRONの頭文字「t」を模している意味もある。
また、坂村健はこうした文字が収録されておらず、収録自体が困難であるUnicodeをはじめとする他の文字セットをうまくいくはずの無いものとして批判している[2]。もっとも、この文字は追加面を使い始めたUnicode 3.1から収録されており[3]、「収録自体が困難」という文言からもここで想定されているのは基本多言語面しか存在しなかった時代のUnicodeであると思われる。なお、この「」という文字は『大漢和辞典』(大修館書店)に収録されており、TRONコードにおいてはGT書体枠と大漢和枠の2ヶ所に存在する。
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